SPEEDMASTER SKILLSPEED INFORMATION QUALIFY REPORT 20th MARCH 1999 SUZUKA CIRCUIT 豪雨に翻弄。劣悪コンディションを走り抜いて8番手スタート: 開幕戦の予選は気紛れな雨によって混乱した。結局、タイムを出す以前にタ イミングをつかんだ者の順で決勝グリッドが決まってしまった。午前中のセッ ションから降り始めた雨は、雨足を緩めることなく鈴鹿のコースを容赦なく濡 らしていった。そんな劣悪なコンディションの中、予選が開始した。一時は明 日に延期との声もあがったほどの状況下、開始早々コースアウトするマシンが 続出した。SPEEDMASTER F399 HONDAをドライブする伊藤大輔は、コース上にと どまってチャンスをうかがっていた。しかし、グラベルから脱出してきたマシ ンがばらまいた砂利や安定しない雨量に対し、マシンをコース上にとどめて走 り続けること自体が難しく、タイムアップしていくのはとても困難な状況とい えた。セッションも折り返す時点で伊藤はトップ10にすら入れない状況であ ったが、彼と常に上位を争ってきたいつものメンバーも同じようにハマッてい た。明日の決勝を考えたら、この場で少しでも優位に立つことがシリーズをみ た場合にとても重要だった。 ねばり強く走行を続けていた伊藤はセッション終盤、わずかに残されたチャ ンスを生かしてタイムアップに成功。マシンを8番グリッドに導いた。もちろ んこの順位に満足しているわけではないが、この最後の踏ん張りが明日のレー スに大きく影響するだろう。明日の決勝は雨でも晴れでも、混乱は必至。今回 に限っては、この状況は我々にとっては歓迎すべきことで、序盤のうちからス パートをかけて上位進出を狙う。もちろん、表彰台をだ。 明日はドライで決勝を迎えるとのことだが、もう予報は信用しない。鈴鹿の 主(?)百田チーム監督はコースの西の方角をみて明日の天気を予想する(こ れがけっこう当たる!)が、「わからん」とのこと。 伊藤大輔: 「とにかく最悪のコンディションだった。グリップも全然しないのが、クルマ のせいなのか、コンディションなのか判断できるレベルではなく、とにかくコ ースにとどまって状況をみていくしか方法がなかった。ポジションが悪いです が、ドライバーとしての仕事をしたと思っている。だからあまり今日の結果を 悲観視していません。明日の決勝では雨でも晴れでも混戦模様となるでしょう から、その間隙をぬって一気にジャンプアップを狙います。」 百田義弘チーム監督: 「最悪のコンディションでしたね。よく壊さないで戻ってきてくれました。周 囲をみるとほとんどのマシンが傷付いていましたからね。明日の決勝ではそう は言っていられないので、なんとか上位進出を狙わせます。伊藤と同じように 上位進出できなかったメンバーが、後ろに控えているので早いウチに前に出れ るようこれからミーティングします」 深尾栄一チームマネージャー: 「散々な雨でした。そんな中で8番手グリッドをどうみるかは、立場によって 異なってきますが、いつもの上位陣が落ち込んでいるため、大輔が見せた最後 の踏ん張りは大きかったと思います。シリーズを考えた場合には1点でも多く 獲得しておくことが必要で、明日の決勝レースでは早いウチに上位に進出する ことが大切です」 SKILL SPEED 深尾栄一