SUPER GT

吉本大樹レースレポート(SGT_R3_富士)

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【2010年スーパーGTシリーズ第3戦(富士スピードウェイ)】
1-2 May, 2010
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【Result】

【土曜日】
公式練習1回目 : 2 nd / 1'44"145
公式予選1回目 : 5 th / 1'44"180
スーパーラップ : 4 th / 1'43"575 (吉本大樹)
グリッド : 4 th

【日曜日】
フリー走行 :9 th / 1'45"619
決勝 : 3 rd (Driver's Point : 11 pt / Team's Point : 14 pt)
シリーズランキング : 9 th (11 pt) / Team's Ranking : 9 th (15 pt)

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【公式練習、予選】
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公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路温 開始時20℃/34℃ 終了時20℃/35℃
スーパーラップ  天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路温 開始時19℃/32℃ 終了時19℃/30℃

triple a Vantage GT2、今季ベストの予選4番手獲得!

ここ数年恒例となっているGW期間中の富士スピードウェイ開催となった2010年スーパーGTシリーズ第3戦。開幕戦はまさかの失格、第2戦もトラブルから通常のスタートを切れず6周遅れでのチェッカーと、ここまでは不完全燃焼が続いてきたtriple a Vantage GT2。それでも第2戦岡山では参戦2戦目にして予選S3に進出、さらに決勝ラップペースではトップと遜色ないペースであった事もあり、チーム、スタッフ、ドライバーは、この第3戦に「今度こそ」という想いを抱きサーキットへと入る事となった。

迎えた初日の公式練習セッション。天候は晴天に恵まれ、コースコンディションも完全なドライ。するとtriple a Vantage GT2はこのセッションで幸先の良いスタートを切って見せる。まず最初にマシンに乗り込んだのは吉本大樹。その吉本は2度のピットインを挟んで13周を走行。タイムもまずまずの1'44"807をマークし、松田選手へとステアリングを渡す。ここから松田選手も順調に走行を重ねると、その後セッションも残り15分程となったところで再度吉本にドライバーチェンジ。すると吉本はここで更にタイムを縮める1'44"145をマーク。GT300 総合で2番手に飛び込み、予選~決勝に向け期待を抱かせる内容でこのセッションを締めくくった。

その後昼のピットウォークを挟み13時50分から始まった公式予選1回目。今回の第3戦予選はこれまでの2戦で行なわれてきたノックダウン方式とは異なり従来型のSL(スーパーラップ)方式。この公式予選1回目では、8位以下の決勝スターティンググリッドが決定(決勝出走には両ドライバーがトップタイムの107%の予選通過基準タイムをクリアする事が義務付け)、8位以内に入ったマシンは後に1台ずつのアタックによって争われるSLに進出する事となる(※公式予選1回目・・・25分間のGT500>300混走セッション&10分間のGT300占有セッション=計35分間)。このセッションでまずマシンに乗り込んだのは松田選手。その松田選手はGT500との混走でクリアラップが取りづらい時間帯ながら、2周の計測で危なげなく基準タイムをクリア。ここでピットへと戻り吉本へとステアリングを託していく。吉本もこの混走時間枠で1周の計測を行ない1'45"479をマークし一旦ピットへ。さらにGT300占有の時間帯に入り本格的にアタックを開始した吉本は、計測3周目に1'44"180をマーク。5番手に飛び込み見事SL進出を決めて見せた。

初のSL方式予選で見事いきなりのSL進出を果たしたtriple a Vantage GT2。このSLでは翌日決勝のPP~8番グリッドを賭けて公式予選1回目8位のマシンから順番に1台ずつでタイムアタックを行う。当然完全なクリアラップでのアタックとなる為、ここではマシン&ドライバーの純粋な速さが競われることになる。このSLでのさらなるポジションアップを狙うtriple a Vantage GT2のステアリングを握ったのは吉本大樹。するとその吉本は周囲から寄せられる期待のプレッシャーに屈することなくVantageをねじ伏せるかの様に攻めた見事なアタックラップを披露。公式予選1回目のベストタイムをコンマ6秒上回る1'43"575をマークし、1発勝負のSLで見事4番手を獲得。公式予選1回目の5番手からポジションをひとつ上げ、翌日の決勝4番グリッドを確保する事となった。

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【決勝】
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決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温21℃ | 路面温度32℃

triple a Vantage GT2、堂々の3位チェッカーでチーム初の表彰台獲得!!

前日の予選では参戦以来の不振を払拭、ようやくその実力の一端を結果に結び付けたtriple a Vantage GT2。そのtriple a Vantage GT2は、決勝を前に行われた朝のフリー走行でも松田選手、吉本大樹の両ドライバーが決勝を見据えたマシンセットを確認しながら順調に走行を重ね9番手タイムをマーク。周囲からの期待も高まる中、今シーズン2番目の長丁場レース(400Km)となる決勝を迎える事となった。

最高の天候となったゴールデンウィーク真っ只中、5万人を超す大観衆が見守る注目の決勝スタートでまずマシンに乗り込んだのは吉本大樹。スタートの時を迎えた各マシンは富士スピードウェイの名物ストレートをローリング、そしてグリーンシグナルの点灯と共に一斉に1コーナーへと飛び込んでゆく。すると吉本は1周目にNo.74 COROLLA Axio apr GT、2周目にはNo.33 HANKOOK PORSCHEをパスし早々に2番手へとジャンプアップ。さらに、唯一前を走るトップのNo.25 ZENT Porsche RSRにぴたりと付け周回を重ねると、16周目にはこれもパス!なんとレース序盤ながらトップに浮上する。その後はそのままレース中盤までトップをキープした吉本であったが、今度は後方からペースを上げてきたミシュランタイヤユーザーのNo.74 COROLLA Axio apr GTに迫られる。31周目のAコーナーで周回遅れのマシンに引っ掛かった吉本はこのタイミングでNo.74に先行を許したものの、その差はわずかなまま2番手で36周目にピットイン、松田選手にステアリングを託していく。

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しかしFIA-GT車両は燃費が悪い分、JAF-GT車両に比べピット作業に時間がかかってしまう。このロスタイムの差もあり、後ろを走っていたNo.43 ARTA Garaiyaとは同ラップにピットへ入ったものの、ここでNo.43にも逆転を許してしまったtriple a Vantage GT2。タイヤ4本交換を行ないピットを後にした松田選手のポジションはこの時点で4番手。その後No.2 アップルK-ONE・紫電をパスし3番手へとポジションを上げたものの、1回目のピットインでは最初のスティントを短めにするチームやタイヤ交換をせずにピット作業時間を短縮するチームなどが入り乱れ順位がめまぐるしく変動していた事もあり、triple a Vantage GT2を含む数台が絡んだ表彰台獲得を賭けた争いは、見た目の位置関係では判断できない緊迫した僅差の争いとなっていく。そんな中松田選手はこの緊迫した展開のスティントを安定したペースで走りぬき61周目にピットイン(※今回のレースは決勝中2回以上のピットインが義務付け)、給油のみのタイヤ無交換で吉本大樹に最後のスティントを託す。

このピットインを終えた時点でtriple a Vantage GT2のポジションは4番手。チーム初の表彰台獲得までポジションあと1つという展開でステアリングを受け取った吉本は、ここから1'45台中盤のラップタイムを並べタイヤ無交換とは思えない程の好ペースで周回、前を行くNo.19 ウェッズスポーツIS350との差を少しずつ縮めていく。そして迎えた73周目。吉本はレースも残り8周となったところで1コーナーのブレーキング勝負に出ると見事オーバーテイクに成功、再度表彰台圏内にポジションアップを果たす。しかしこの時点でトップ2台は40秒以上前を走っていた為、ここからの残り周回でこれ以上のポジションアップは不可能。さらにはNo.19 ウェッズスポーツIS350も負けじとtriple a Vantage GT2の後方1秒以内に着け虎視眈々と逆転を狙ってくる。この緊迫した状態はチェッカーまで続き、ピットではスタッフが祈るような表情でモニターを見つめる。そして迎えた最終ラップ。ピットクルーが固唾を飲んで見つめる先、富士スピードウェイの長い直線に先に姿を見せたのはtriple a Vantage GT2。吉本は最後に奪い返した3番手のポジションを守ったままチェッカーフラッグを潜り抜け、参戦3戦目にして、遂にチーム初の表彰台を獲得する事となった。

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【吉本大樹コメント】
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実は富士では思っていた程ストレートスピードが伸びず、有利に働くと思っていた部分が有利に働かなかったのですが、マシンのフィーリングは走り始めから素晴らしいもので、トラブルもまったく無く、全てが完璧と言っていい程まとまりました。

予選で出した44秒1は殆ど限界と思っていたのですが、スーパーラップでは更にタイムを上げ2列目からのスタートを切る事ができました。そのポジションからスタート出来た事で早々に2番手へ上り、その後トップへも出る事ができましたが、終盤には74号車や43号車、2号車そして33号車が必ず上がってくると思っていたし、出来るだけのリードを奪いたかったのですがそこまでには至らなかったかな。最後の僕のスティントで19号車を抜く事が出来て3位を獲得できましたが、最後の10周位はグリップがなくて本当に大変でした。でもとにかく何がなんでも表彰台には乗りたかったので意地で前に出ました。最後の交代でタイヤ交換をしない作戦だったから、松田さんがタイヤを十分労わって走ってくれたおかげで最後に19号車の前に出れたと言っても過言ではないです。だって19号車の前に出た直後からさらにフラフラになって逆に突っつき返されてましたからね(苦笑)。それくらいタイミングも全てキマったレースでした。僕らドライバー二人ばかりが目立ってしまうかもしれないけど、本当にチームの力です。

一から手作りのチーム、新体制、新車、スペアのパーツも無い状態で参戦を始めて、たった3戦で表彰台に上がれた事は言葉で言う、もしくは見た目以上に凄い事なのではないかと感じています。それはチームに携わる各々の見えない努力であったり気持ちの部分であったり、A speedがまるで一家の様なチーム体制を築けているからこそ成し得た結果だと思います。

応援して下さった皆さんありがとうございました!



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