2008スーパーGT第7戦、「もてぎGT300kmレース」の公式予選2回目は、昨年に続いてノックダウン方式で行われ、
#3YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝組)が今季初のポールポジションを獲得。
3号車は金曜のフリー走行から圧倒的な速さをみせ、ここまで全てのセッションでトップタイムを記録した。
GT300クラスは#26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/山路慎一組)がチェッカー直前にトップに躍り出て、
こちらも今季初ポールを獲得した。
F1やフォーミュラニッポンではすっかりお馴染みになったノックアウト方式。スーパーGTでは昨年のもてぎラウンドで 「ノックダウン方式」として導入された。
予選を3つのセッションに分け、徐々に台数を絞っていくやり方は昨年と同じだが、
今年は二人のドライバーが3つのセッションのいずれかに必ず参加しなければならない。
どちらのドライバーにどのセッションのアタックを担当させるか、という新たな戦略面の面白さが加わった格好だ。
更にタイヤは3つのセッションを通して1セットのみしか使用が許されない。
注目の公式予選2回目は午後2時50分に開始された。
セッション1は各クラス15分間。
ここでGT300は上位20台、GT500は上位12台までがセッション2への出走権を得る。
しかし最初に走り始めたGT300では、
既にタイム抹消により予選不通過とされた#19ウェッズスポーツIS350の最後尾グリッドが決まっている。
それでもアタックを担当した織戸学は1分54秒634というダントツのタイムを記録して意地を見せた。
このセッションをトップで通過した#110クムホボクスターのタイムは1分56秒460だ。
セッション2進出のかかるボーダーライン、20番手争いは最後まで目まぐるしく順位が入れ替わり、
最後の最後に#81ダイシンZを駆る藤井誠暢、#27ハンコックGT3のファン・ジヌらが順位を上げ、
#2紫電の高橋一穂もぎりぎり21番手で踏みとどまった。
GT500クラスは、#24ウッドワンGT-R、#25エクリプスSCのヨコハマ勢がいち早くアタックを開始。
ダンロップユーザーの#32エプソンNSXがそれに続くが、
32号車はラジエターの配管にトラブルが出たためアウトラップを走ったのみでピットに戻り、そのままガレージへ。
平中克幸は一度もアタックすることなく予選を終えた。
その他のチームは残り時間8分過ぎから一斉にコースに飛び出してアタックにとりかかる。
この結果、金曜のフリー走行から圧倒的な速さを見せ付けている#3イエローハットGT-Rの横溝が1分45秒421でトップ。#1ARTA
NSXの伊沢拓也が1分45秒428と僅差で2位につける。
しかしNSX勢は#18TAKATA童夢、#100レイブリック、
#17リアルの3台が終盤までボーダーライン上での戦いを繰り広げることとなり、結局エプソンに続いてリアルがここで予選を終えることに。
早めにしかけたアドバン勢も終わってみれば2台とも下位に沈み、予選を終えた。
7分間のインターバルの後に行われたセッション2は各クラス10分間。
ここでGT300は上位10台、GT500は上位8台がセッション3へ進む権利を得る。
GT300は#26ユンケルポルシェの谷口が1分56秒203のトップタイム。残り4分で#2紫電の加藤寛規が2番手タイムを記録した。
ボーダーライン上の戦いでは、
#77クスコインプレッサの佐々木孝太が残り20秒で8番手タイムを叩き出す一方で前戦鈴鹿1000kmを制した#46モーラZはウェイトハンデに苦しんだか1コーナーでコースオフ、
最後のアタックチャンスを逃して16位に終わった。
GT500はセッション1とは対照的に、開始早々から全車一斉にアタックを開始。
最初にタイムを出したのは#39デンソーSCのアンドレ・クートだったが、すぐに他のドライバーたちがクートを凌ぐタイムを連発していく。
結局ここでもイエローハットZがトップタイム。今度はクインタレッリのドライブで1分44秒843のコースレコードを叩きだし、
2位の#23ザナヴィGT-Rにコンマ6秒以上の差をつけた。
ここでは前回優勝の#12カルソニックGT-Rのほか、#38ZENT SC、#18TAKATA童夢NSX、
#100レイブリックNSXの4台が脱落。
過去の戦績では圧倒的な相性の良さを見せるNSX勢だが、これでセッション3に挑むのはARTAの1台のみとなった。
再び7分間のインターバルをおいて最後のセッション3が開始された。
GT300は残り時間2分で#2紫電の加藤が1分55秒972で一気にトップに躍り出るが、
終了間際にまたしても#26ユンケルポルシェの谷口が1分55秒739と紫電を逆転してトップに。
加藤もアタックを続行して自己ベストを更新するが、結局1分55秒751に留まり、2番手となった。
#62ウィルコムヴィーマックの黒澤治樹もセクター1、2と谷口を上回る区間タイムを記録するが、後半伸び悩んで3番手に終わった。
GT500はまたしてもデンソーSCが最初にアタック。今度は高木虎之介がアタックを行うが、1分47秒台に留まり、
上位グリッドは難しい状況。
さすがにタイヤの消耗が効いてきたのか、#22モチュールGT-Rの柳田真孝も1分47秒059に終わる。
しかし#1ARTAのラルフ・ファーマンは1分45秒574とまずまずのタイム。
続く#23ザナヴィGT-Rのブノワ・トレルイエ、#35宝山SCのピーター・ダンブレックらも45秒代後半の好タイムを記録してきた。
ファーマンはさらにタイムを1分45秒036と自身のセッション2のタイムをも上回ってきた。
しかしここでも3号車は速かった。
クインタレッリは残り時間僅か5秒で1分44秒548とレコードタイムを更に更新してポールポジションをもぎ取った。
イエローハットGT-Rの今季初ポールは、金曜日のフリー走行から全てのセッションでトップタイムという圧倒的な速さで達成されたものだ。
第7戦決勝は明日午後2時より、63周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA