やっぱりGT-Rは速かった!
2008オートバックスSUPER GT第1戦、鈴鹿GT300kmの決勝レースが3月16日、鈴鹿サーキットで行われ、
他を寄せ付けない圧倒的な速さを見せたニスモの2台が、GT-Rのデビュー戦を見事1-2フィニッシュで制した。
優勝は#23ザナヴィニスモGT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)。
ポールシッターの僚友、#22モチュールオーテックGT-R(ミハエル・クルム/柳田真孝組)をピットストップの間隙を突いて攻略し、
そのままトップでチェッカーを受けた。
GT300クラスは#7ORC雨宮RX-7(井入宏之/折目遼組) がレース終盤に#2プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)を攻め落として勝利した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数32,000人)
決勝レースは午後2時スタート。
ポールシッターの#22クルムがトップのまま1コーナーを制し、#23トレルイエがそれに続く。
その後方では4番手スタートの#36ペトロナスSCのアンドレ・
ロッテラーが3番手の#12カルソニックGT-Rのセバスチャン・フィリップを攻略しようとして2コーナー立ち上がりで接触、
カルソニックはスピン状態に陥ってイン側のウォールにリヤから激突してしまった。
かろうじてコースに復帰し、そのままピットガレージで修復作業に入ったカルソニックは結局18周遅れでコースに復帰したが、
惜しくも完走扱いとはならなかった。
1-2体制でランデブー走行を続けていたニスモの2台は、22周終わりで#23ザナヴィが、
その1周後に#22モチュールがピットストップを行った。
その結果冷えたタイヤでアウトラップを走る柳田の背後に本山が一気に追いつく状況になり、
ヘアピンで周回遅れに詰まった柳田のインに本山が割って入り、首尾よくトップに躍り出る。抜かれた柳田は周回遅れと接触。
一時はペースを落として様子を見たものの、走行に支障ないと判断したのか、その後は本山とほぼ同等のペースで背後につけ、周回を重ねる。
結局ニスモの2台は3位以下に25秒もの大差をつけて52周を走り切り、 新生GT-Rのデビュー戦を1-2フィニッシュという申し分のない形で飾った。
その他のGT-R勢は、#24アドバンクラリオンが#18TAKATA童夢、
#32EPSONの2台のNSXをレース序盤に抜き去って5位フィニッシュ。
#3イエローハットYMSトミカもまた序盤に18号車を抜いて24号車を追い上げたが、
こちらは惜しくもトラブルにより42周で戦列を去った。
レクサスSC430勢は#36ペトロナス・ トムスと#38ZENTセルモが終盤まで熾烈な3位争いを展開したが、36号車は最後まで38号車に付け入る隙を見せず、 表彰台の一角を切り崩して意地を見せた。
一方、NSX勢は#18TAKATA童夢の7位が最高という苦しい開幕戦となった。
ディフェンディングチャンピオンの#1ARTAに至っては、フリー走行で出たトラブルの修復がスタートに間に合わず、
トップが4周を消化したところで漸くレースに加わるという苦境に立たされてしまった。
GT300クラスもまた、予選上位2台が最後まで白熱したトップ争いを展開した。
ポールポジションから逃げられるだけ逃げる目論見だった#2紫電だったが、#7RX-7も全く遜色のないコーナリングスピードを見せ、
引き離せないどころか何度も東コースで追い上げられる状況に陥った。
それでも1スティント目を引っ張れるだけ引っ張る作戦の紫電は、
RX-7でピットストップを行ったところでどうにかホームストレート一本分のリードを築き上げたものの、#7折目の追い上げは凄まじく、
あっという間に再びテール・トゥ・ノーズ状態に逆戻り。
巧みなライン取りで懸命に押さえにかかる#2高橋だったが、 #7折目も狙い通りGT500を利用してチャンスをうかがい、 39周目のシケインで見事に紫電のインをついてトップを奪うと、 そのまま一気にチェッカーまで逃げ切り、 昨年勝利はおろか表彰台に上がることすら叶わなかった雨宮RX-7は念願の勝利を開幕戦にして達成することとなった。
次戦は岡山国際サーキット。
4月13日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA