SUPER GT

SGT:第1戦岡山 悪天候の中、開幕戦でNSX-GTが2-3位表彰台を獲得 (HONDA)

悪天候の中、開幕戦でNSX-GTが2-3位表彰台を獲得、#18 ROCKSTAR童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が2位、#8 ARTA NSX(R.ファーマン/伊沢拓也組)が3位

2009年3月22日(日) 決勝 会場:岡山国際サーキット(3.703km) 天候:予選/晴れ 決勝/雨 気温:16℃(14:00現在) 路面温度:16℃(14:00現在) 決勝レース:82周(303.646km) コースコンディション:決勝/ウエット 観客:2万3000人(主催者発表)

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 3月22日(日)、岡山県美作市にある岡山国際サーキットにおいて2009 オートバックス SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが開催された。

 5回目の開幕戦を迎えたSUPER GTシリーズは、さらなるレースレベルの向上とコスト削減を目指したレギュレーション改訂が行われている。コーナーリングスピードの低減措置としてマシンフロントのカナード(左右のヘッドライト付近に装着されていた小さなウイング)の禁止やリアウイングの小型化が義務づけられた。また、ウエイトハンデのルールも変更され、第2~6戦は獲得ポイント×2kg、第7~8戦は獲得ポイント×1kg、最終戦はウエイトを課されなくなったため、ウエイトハンデの軽減をねらった順位調整ができなくなった。さらに、予選前日に行われていた練習走行が廃止となっている。

 今シーズンのHonda NSX-GTは、昨年同様に5チーム5台の体制で参戦する。新たに塚越広大(#17 KEIHIN NSX)と中山友貴(#32 EPSON NSX)の2人が新人ドライバーとして加わり、2007年以来のタイトル獲得をねらう。

 21日(土)に開催された公式予選において、NSX-GTは予選1回目の上位8台で決勝グリッドが争われるスーパーラップに4台が出場した。スーパーラップにおいて、#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR童夢NSX)が4番手。#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)が5番手。#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)が6番手。#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN NSX)が7番手のグリッドを獲得した。また、#32 ロイック・デュバル/中山友貴組(EPSON NSX)は11番手から決勝レースを迎えることとなった。

 22日(日)の決勝日は朝から雨模様となり、路面は完全にウエットコンディションとなった。気温16℃、路面温度16℃という少し肌寒いコンディションとなり、路面状況を考慮してセーフティーカースタートが採用された。総勢36台(GT500クラス計15台)のマシンは、セーフティカーの2周にわたる先導後に本格的なスタートを切った。

 スタート直後から、4位を走行する小暮選手が積極的な走りをみせ、4周目には#35 KRAFT SC430と#38 ZENT CERUMO SC430をパスして2位に浮上する。R.ファーマン選手も5位に浮上するが、6位を走行していた井出選手が、5周目の1コーナーでコースアウトを喫してしまう。スタート直後より天候は悪化し、さらに雨脚が強くなったために路面には水が浮き出し、前車の水しぶきで前が見えないほどの厳しいコンディションとなっていった。

 トップを追う小暮選手は、序盤で3秒近くあったギャップを8周目には1秒097まで縮めていく。さらに次周には0秒364まで迫るがGT300クラスのマシンに接触されて、再びトップとの差が2秒差まで広がる。しかし、R.ファーマン選手も3位、金石選手が5位に浮上し、ウエットコンディションにおいてNSX-GTが勢いのある走りを見せる。

 12周を終えて、トップは#24 HIS ADOVAN KONDO GT-R。3秒152差の2位に#18 ROCKSTAR童夢NSX、3位に#8 ARTA NSX、5位に#17 KEIHIN NSX、8位に#32 EPSON NSX、コースアウトから復帰した#100 RAYBRIG NSXが16位を走行する。

 32周目に、NSX-GTの先陣をきってR.ファーマン選手がドライバー交代のためにピットイン。伊沢選手がコースに復帰する。一時はトップに迫った小暮選手だったが、悪天候のコンディションで安全に走りきることを優先し、トップには25秒以上離されながらも2位のポジションを確保して33周終了時にピットイン。28秒9の素早いピット作業を終えて道上選手がコースに復帰した。

 45周を経過し、トップを走る#24 HIS ADOVAN KONDO GT-Rと暫定2位の#17 KEIHIN NSXの金石選手、暫定4位の#32 EPSON NSXのL.デュバル選手、暫定6位の#100 RAYBRIG NSXの井出選手は、ドライバー交代のタイミングを遅らせる作戦を敢行。前車がドライバー交代を終えた54周終了時点では、トップと2位の道上選手の差は 54秒423まで広がり、3位に伊沢選手、5位に塚越選手、6位に中山選手、7位に細川選手が続く展開となる。

 74周目に入り、2位を走行する道上選手は1分39秒台をキープして、トップとの差を30秒915まで縮める。3位の伊沢選手も同じく1分39秒台で後続に24秒以上に差を広げている。

 終盤で中山選手と細川選手が順位を1つ下げたものの、NSX-GT勢は大きなトラブルもなく82周を走り抜き、チェッカーフラッグを受けた。2位にトップに21秒645差まで追い上げた#18 ROCKSTAR童夢NSXが入り、#8 ARTA NSXが3位、#17 KEIHIN NSXが5位、#32 EPSON NSXが7位、#100 RAYBRIG NSXが8位となった。優勝は#24 HIS ADOVAN KONDO GT-Rだった。

コメント
白井 裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「残念ながら開幕戦を優勝で飾ることはできませんでしたが、決勝までの状況を考えると18号車と8号車の2台が表彰台を獲得できたことは、シーズン全体を考えても、よしとするべきなのでしょう。終始ウエットコンディションでの非常に厳しいレースでしたが、全車完走でき、NSX-GTの信頼性を含めて検証できたことには満足しています。また、これがデビューレースとなる、塚越広大、中山友貴の両選手も、無事にその役目をこなしてくれましたので、次戦以降も期待しています。次戦は、グランドスタンドやピットがリニューアルされた鈴鹿サーキットでの開催です。新しい鈴鹿で皆様の期待に応えられるような結果を残したいと思います。引き続き皆様からのご声援をお願いいたします」
道上 龍選手(2位 #18 ROCKSTAR童夢NSX)
 「今シーズンのNSX-GTは、ダウンフォースが大幅に減ったために、セッティングの調整がシビアになっています。予選時のドライ路面では、他車と比べて厳しい状態でした。でも、決勝日が雨となり、レインコンディションではNSX-GTのバランスがよく、朝のフリー走行から手応えをつかんでいました。スタートは小暮選手が担当し、序盤は雨が少なく調子がよかったのですが、次第に大雨になってトップに離されてしまいました。僕が担当してからは、雨が少なくなってきたので、トップと1分近くあった差を徐々に縮めることができましたが、追いつくことはできませんでした。悔しいですが、今の状況では満足できる結果を残せたと思います。次戦の鈴鹿までに、エンジニアとドライセッティングを向上させて、いい結果を残したいです。応援をよろしくお願いいたします」
小暮卓史選手(2位 #18 ROCKSTAR童夢NSX)
 「2日間の開催となって、マシンセッティングの難しさを痛感した開幕戦でした。予選1回目は僕のミスでタイムが伸びず、スーパーラップの結果にも影響が出てしまいました。今後は、エンジニアとともにマシンセッティングの進め方を勉強しなければなりません。ただ、スタッフがすばらしい仕事をしてくれたおかげで、レインコンディションでのNSX-GTは、とても高いパフォーマンスを発揮してくれました。ドライに振ったセッティングの影響で、雨量が増えたときにトップに離されてしまい、優勝することができなかったことは残念ですが、シーズンを考えれば幸先のいいスタートを切れたと思っています。次の鈴鹿サーキットは僕にとって神聖な場所だと思いますし、気持ちが引き締まります。これからも毎回優勝する気持ちで走りたいと思います」

Text & Photo: HONDA



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