SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ 立川祐路/平手晃平組LEXUS SC430がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目 (TOYOTA)

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シーズン最終戦をポール・トゥ・ウィンで飾り
今季2勝目を挙げた平手晃平(左)と立川祐路(右)

 2012シーズンのSUPER GT最終戦となる第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」が10月27日(土)、28日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。

 全8戦で戦われるSUPER GTの2012シーズンもいよいよ最終戦を迎えた。シリーズチャンピオンは前戦確定し、惜しくもLEXUS勢のタイトル奪還はならなかったが、最終戦はほとんどの車両がウェイトハンデゼロとなるため、ノーハンデで最速を競う最終戦での勝利を目指し、各チームが臨んだ。

 今大会は通常のレースよりも若干短い250kmで争われた。

 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と1台のトヨタ プリウスが出場した。

◆予選◆

 27日(土)は好天に恵まれ、気温は20度、路面温度も30度に達する好コンディションの下、午後2時からノックアウト方式で予選が行われた。

 Q1は、まずKeePer Kraft SC430 35号車がコースレコードを更新する1分42秒台に入れてみせたが、その後、ライバル勢も次々のこのタイムを更新。35号車は惜しくも12番手でQ1脱落。他のLEXUS SC430勢は、トップ3を占める速さを見せ、5台がQ2へと進出した。

 上位7台が最終Q3へと進出するQ2では、終盤激しいアタック合戦でタイムが削られていく中で、Q1で3番手につけていたDENSO KOBELCO SC430 39号車が無念の9番手敗退。シーズン中にドライバーの交代があったために、GT500クラスでは唯一ウェイトハンデを積むことになったPETRONAS TOM'S SC430 36号車は11番手でグリッドが確定した。

 Q3では、Q1、Q2共にトップを争ったZENT CERUMO SC430 38号車とENEOS SUSTINA SC430 6号車による争いとなった。伊藤大輔が駆る6号車が3番手以降を大きく引き離す好タイムをマークし、ポールポジション獲得かと思われたが、最後に、38号車の立川祐路が意地を見せこのタイムを逆転。開幕戦以来今季2度目、自身の持つGTでの最多記録を更新する17回目のポールポジションを獲得した。6号車が2番手でLEXUS SC430が最前列グリッドを独占。前戦まで2戦連続の3位表彰台と好調なWedsSport ADVAN SC430 19号車は6番手につけた。

 GT300クラスでは、Team SGC IS350 14号車が電気系トラブルのために予選に出走できず、最後尾スタート。apr HASEPRO PRIUS GT 31号車はQ3進出を果たし、8番手グリッドとなった。

◆決勝◆

 28日(日)は午前中のフリー走行直後に雨が降り始め、ウェットコンディションでの決勝レースとなった。午後2時、セーフティカーの先導でレースがスタート。2周のセーフティカーランを経て、3周目から本格戦が開始された。

 水煙を上げてスタートを切った各車だったが、2位につけていた6号車が難コンディションの中痛恨のスピン。大きく順位を落としてしまった。

 平手晃平がスタートを担当し、首位を逃げる38号車は、他車の水煙に妨げられることもなく、ハイペースで後続との差を広げていった。後方では、11番手スタートの36号車が8位へ浮上。19号車、39号車、35号車がこれに続く序盤戦となった。

 この日午前中のフリー走行でトップタイムをマークするなどと波に乗る19号車は決勝でも好走を見せ、前走車を次々にパス。10周目に3位に浮上し、更に前を追った。

 20周目、再スタート直後のスピンで13位まで後退しながらも追い上げを見せていた6号車が、8位争いの中で前走車に接触。この接触で6号車はドライブスルーペナルティを科され、再び後退。

 中盤に入ると、各車ドライバー交代と給油、タイヤ交換のためのピット作業が始まったが、首位を逃げる38号車は平手が安定したペースで周回を続け、最後となる34周目にピットイン。タイヤ無交換作戦を採って、首位をキープしたまま立川へとステアリングを託した。

 全車ピット作業終了後、首位を逃げる立川の38号車に、S Road REITO MOLA GT-R 1号車が猛追。

 10周以上に渡って、1秒を切る僅差での首位争いが展開されたが、ベテラン立川が見事に逃げ切り、トップでチェッカー。開幕戦に続き、今季2勝目でシーズンを締めくくった。立川はGTで通算14勝目。今大会の結果、ドライバーズランキングでは、立川祐路/平手晃平が2位。今大会4位でフィニッシュした脇阪寿一/石浦宏明がランキング3位となった。

 GT300クラスでは、14号車、31号車共に無念のリタイアに終わった。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
平手(晃平)のスティントを引っ張り、ライバルの状況などの情報を収集しているうちに、タイヤを4本交換すると勝てない状況になってしまったため、最終的に無交換を選択した。このタイヤ無交換作戦がはたして正解なのか、まったくデータがなく心配だったが、最後まで持ってくれてよかった。前戦オートポリスで、ウェットタイヤで1号車(S Road REITO MOLA GT-R)に負け、チャンピオンを逃しているので、今回ブリヂストンが用意してくれた新しいウェットタイヤで勝つことができてとても嬉しい。開幕からシリーズ中盤までポイントリーダーにいたが、その後はウェイトハンデもあり、厳しいレースが続いた。最後にウェイト無しのガチンコ勝負で、クルマのポテンシャルも証明できたし、ポール・トゥ・ウィンで気持ちよく終わることができて良かった。来年こそチャンピオンを目指す。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
ブリヂストン(BS)が用意してくれた新しいウェットタイヤのデータがなく、ウォームアップ走行だけでは確認が満足にできなかった。実績がなく未知なタイヤで戦うことに不安はあったが、同じBS勢が後ろにつけていたので、とにかくタイヤマネージメントに注力した。ドライバー交代の前にタイヤの状況を聞かれたので、無交換でも余力はあると判断し、立川選手に託した。このチームで2年目、開幕からコツコツポイントを積み重ねながらの、苦しい戦いをして来た。そんな中、クルマもアップデートしたが、自分的にも立川(祐路)さんのサポートをだいぶできるようになって来たと思っている。来年こそはチャンピオンを獲得できるよう、シーズンオフもトレーニングなどを頑張りたい。
Text & Photo: TOYOTA


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