SUPER GT

SGT:第2戦富士決勝 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が開幕戦に続き2位表彰台を獲得し、ポイントリーダーに浮上 (HONDA)

  • 2012年5月4日(金)・決勝 会場:富士スピードウェイ(4563km) 周回数:110周 天候:曇りときどき雨 気温:19℃(14:00現在) 路面温度:22℃(14:00現在) コースコンディション:ドライときどきウエット 観客:5万7000人(主催者発表)

 5月4日(金)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第2戦「FUJI GT500km RACE」の決勝レースが行われました。

gt120504001L.jpg

 3日(木)に行われた予選では#32 EPSON HSV-010(道上 龍/中山友貴組)がポールポジションを獲得。#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)は8番グリッド、#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)は9番グリッド、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)は11番グリッド、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/小林崇志組)は14番グリッドを手に入れました。

 決勝レースの行われる5月4日(金)は朝から雨が降ったり止んだりの空模様となりました。フリー走行が始まる午前8時30分にはほぼ雨は止んだものの、路面は完全なウエット。この難しいコンディションのなか行われたフリー走行では、#17 KEIHIN HSV-010が1分44秒110で4番手に入ったのを筆頭に、#18 ウイダー HSV-010は7番手、#32 EPSON HSV-010は8番手、#100 RAYBRIG HSV-010は13番手、#8 ARTA HSV-010は14番手のタイムをマークしました。

 やがて雨は上がり、昼前にはコースも乾きましたが、あと15分で決勝レースのスタートを迎える午後1時45分頃になると小雨がぱらつき始めました。霧雨のような雨はそのあとも降り続き、路面を次第に濡らしていきます。ただし、全車すでにスリックタイヤを装着しており、スタートまでにレインタイヤに交換することはできません。そこで主催者は危険を回避するため、セーフティカーが競技車を率いる形でスタートすることを決めました。

 スターティングドライバーは、#32 EPSON HSV-010が中山選手、#100 RAYBRIG HSV-010が伊沢選手、#18 ウイダー HSV-010が小暮選手、#17 KEIHIN HSV-010が金石選手、#8 ARTA HSV-010はファーマン選手が務めます。

 午後2時、セーフティカーに先導された状態でスタートが切られると、競技車は次々とピットに入ってレインタイヤを装着しました。ただし、GT500クラスでは#8 ARTA HSV-010のみスリックタイヤでコース上に留まり、逆転を期す作戦を選択します。しかし、3周目が終了したところでセーフティカーがピットに戻り、競技が本格的に開始されると、スリックタイヤで走行するのが極めて困難な状況となりました。#8 ARTA HSV-010に乗るファーマン選手は懸命にマシンをコントロールしましたが、コースアウトを喫して右フロントセクションにダメージを負ってしまいます。そのあと、#8 ARTA HSV-010はピットインしましたが、修復が困難な状態だったため、残念ながらここでリタイアとなりました。

 全車がウエットタイヤに履き替えた状態で迎えた10周目、Honda勢のトップは#100 RAYBRIG HSV-010の6番手で、以下、#18 ウイダー HSV-010は7番手、#17 KEIHIN HSV-010は10番手、#32 EPSON HSV-010は11番手につけていました。このころになると雲の合間から日差しが見えるようになり、#32 EPSON HSV-010は11周目が終わったところでいち早くピットストップ、スリックタイヤに履き替えました。そのあと、多くのGT500車両が17周目までにスリックタイヤへの交換を実施し、コース上に残った14台中、#18 ウイダー HSV-010を含む計3台はレインタイヤのまま走行を続け、トップ3を占めることとなりました。しかし、そのあともコースは乾くいっぽうとなったため、#18 ウイダー HSV-010は22周目が終わったところでスリックタイヤに履き替えます。結局、全車がスリックタイヤへの交換を終えたのは28周目のことで、この時点では、4番手に駒を進めた#100 RAYBRIG HSV-010がHonda勢の最上位で、以下、#17 KEIHIN HSV-010は5番手、#32 EPSON HSV-010は6番手、#18 ウイダー HSV-010は8番手につけていました。

 そのあとも雨は降ることなく、ドライコンディションのもとでレースは続行し、46周目にはライバルのピットストップの間に#100 RAYBRIG HSV-010が2番手に躍進、表彰台圏内に入りました。この46周目の段階では、38周目にピットストップを行っていったんは順位を落とした#17 KEIHIN HSV-010が9番手、44周目にピットストップを行った#32 EPSON HSV-010は11番手、40周目にピットストップを行った#18 ウイダー HSV-010は12番手となりました。

 61周目、GT300クラスの車両がメインストレート上でクラッシュ。この事故処理のため、セーフティカーが出動して競技車を先導するセーフティカーランとなりました。この過程でGT500クラスとGT300クラスの車両はいったんストレート上に停止し、隊列を整える作業が行われ、そのあと、改めてセーフティカーランが再開されました。このセーフティカーランが行われている66周目に#100 RAYBRIG HSV-010はピットストップを実施。ドライバーも山本選手から伊沢選手へと交替し、残りの周回を最後まで走りきる作戦を遂行します。これにより、いったんは6番手となりましたが、先行する5台のうち4台はフィニッシュまでにもう1度ピットストップを行わなければならず、#100 RAYBRIG HSV-010は実質的に2番手を走っている状況となりました。同じ66周目、#17 KEIHIN HSV-010はもライバルをパスして4番手に躍進。#32 EPSON HSV-010は10番手、#18 ウイダー HSV-010は13番手で走行を続けていました。

 先行するライバルたちが84周目までに最後のピットストップを行うと、#100 RAYBRIG HSV-010は2番手に順位を上げました。このあと、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手はトップのマシンを攻略すべく、全力を振り絞りましたが、2台の戦いは一進一退を繰り返し、なかなか決着がつきません。

 レースが残り20周になった90周目を迎えると、しばらく、止んでいた雨が再び降り始めました。そのあと、いったん雨脚は弱まりましたが、97周目頃からは再び勢いを増して路面を濡らすようになります。コンディションの変化を受け、トップを走るライバルは103周目にピットストップ、レインタイヤへと交換しました。対する#100 RAYBRIG HSV-010はスリックタイヤのままレースを走りきる判断を下し、ついに首位へと浮上します。

 やがてコースはほぼ全面的にウエットコンディションとなり、伊沢選手は滑る路面に苦戦しながらも奮闘をみせますが、#100 RAYBRIG HSV-010の直後を走っていたライバルが装着するタイヤは、このような状況でもタイムの落ち幅が少なく、このため首位を走る#100 RAYBRIG HSV-010を猛追。残り4周となる106周目にこのライバルに逆転され、#100 RAYBRIG HSV-010は2番手となりました。

 結果的に#100 RAYBRIG HSV-010は2番手のまま最後まで走りきり、開幕戦岡山国際に続いて2戦連続の2位フィニッシュを果たしました。

 一方、#17 KEIHIN HSV-010は83周目にピットストップした影響もあって6位で完走。#18 ウイダー HSV-010は小暮選手の懸命の力走により9位でチェッカーフラッグを受け、#32 EPSON HSV-010は11位でフィニッシュしました。優勝は#39 DENSO KOBELCO SC430でした。

 この結果、#100 RAYBRIG HSV-010は30ポイントとなりチャンピオン争いのトップに浮上。#17 KEIHIN HSV-010は16ポイントで5番手、#18 ウイダー HSV-010は6ポイントで11番手、#8 ARTA HSV-010は5ポイントで12番手となっています。

 次戦は6月9、10日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催されます。

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
 「結果として優勝できなかったのは残念ですが、シーズン前のテストでやってきたことが成績となって表れたと考えています。特に、#100 RAYBRIG HSV-010の2位は、ブリヂストン・タイヤを装着するマシンとしては最上位で、30kgというハンディウエイトを跳ね返しての上位入賞は価値あるものです。これまでHSV-010 GTは富士スピードウェイを苦手としていましたが、今回はライバル陣営の特性をいたずらに追いかけることなく、HSV-010 GTのよさを生かすセッティングとしたことがこの成績に結びつきました。次戦のセパンは一転してHSV-010 GTが得意とするコースです。冬に行ったテストでもいい感触をつかんでいますし、新投入のエアコンが威力を発揮してくれるはずなので、優勝目指して全力で挑みます。引き続き、ご声援をよろしくお願い申し上げます」
伊沢拓也(2位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「本当に難しいコンディションの中で、チームとドライバーが一丸となって作戦を考え、それをミスなく実行できました。1回目のピットインで確実にドライバーを交替できたこと、そして山本選手と共に燃費を考慮しつつもしっかりしたペースで走り続けたことが2位という結果につながった最大の要因だったと思います。優勝できなかったことは悔しいですが、このレースで絶対にポイントリーダーに立ちたいと思っていたので、それを達成できたことは大きいです。次戦のセパンではハンディウエイトが重いですが、これまでのような強いレースをすればチャンスは必ずやってくると思いますので、それに向けてさらにレベルアップして臨みたいと思います」
山本尚貴(2位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「欲を言ってしまえば勝てたレースだったかもしれませんが、トップ争いが常にできていることが何よりもうれしいです。今回のような悪コンディションの状況では、今までは何らかのミスが生じていましたが、今日は何ひとつミスなく、常に上位で走れました。ポイントランキングのトップにもなれてとても気持ちがいいですし、チーム、ドライバー共にとても自信になったのではないかと思います。今はどんな状況でも絶対にチャンスが来るという自信があります。次戦のセパンはマシンとの相性もよいサーキットなので、今日のように落ち着いてレースすることを心掛け、優勝を目指したいと思います」
金石年弘(6位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「途中まではいいペースで走れていましたが、終盤に雨が降ってきた際にタイムを落としてしまいました。雨が降るまではマシンのバランスがよく、タイムの落ち幅も少ない安定したレースが展開できたので、コースコンディションが変化した際の対策をチームとしっかり話し合って、次戦につなげたいと思います」
塚越広大(6位 #17 KEIHIN HSV-010)
 「天気やコンディションがころころと変化するレースでしたが、自分の与えられたスティントは終始ドライコンディションだったので、少しでも前に追いつくという自分の与えられた仕事をまっとうすることができたと思います。ただ、このような天候でもしっかりと上位に食い込めるようにならないといけないので、まずは予選でしっかりと上位を獲得し、優勝争いができるようにがんばります。次戦のセパンは個人的にも好きなサーキットですので、必ずよい結果を出したいと思います」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース