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SGT:第2戦富士決勝 雨に翻弄された大荒れの展開を制し、#39サードが8年ぶりの勝利を獲得!

2012オートバックス スーパーGT第2戦「FUJI GT 500KM RACE」の決勝レースが5月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。
レースはスタート直前とゴール間際に雨が降ったために大荒れの展開となったが、終盤ハイペースの追い上げを見せた#39DENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明組)が110周の長丁場を制し、チーム・サードに8年ぶりの勝利をプレゼントした。
GT300クラスもめまぐるしく順位が入れ替わる混戦の中、終盤に見事なオーバーテイクを連発した#0GSR初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也組)が優勝した。
(天候:曇り時々晴れ コース:ウェット>ドライ>ウェット 観客動員数:57,000人)

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直前になって小雨が降り始めたため、決勝レースは午後2時にセーフティーカーの先導でスタートした。
このため1周目からウェットタイヤに履き替えるためにピットインする車両が続出、2周目にはピットに殺到した車両達が出口で渋滞する事態も発生した。

セーフティーカーは3周でピットに飛び込み、4周目から追い越しが可能になると、1周目でタイヤ交換を行った#36ペトロナスSCが一気にトップに躍り出る。スタートドライバーは中嶋一貴だ。
ところが5周を終える頃には空が再び明るくなり始め、9周辺りから再びスリックにタイヤを履き替えるチームが相次ぐ。この混乱の中、15周目に36号車と同時にピットインした#23モチュールGT-Rがピットレーン上で前に。こちらは本山哲がスタートを担当した。
先行を許した#36中嶋は#23本山を猛追するが16周目の最終コーナー立ち上がりで僅かにリヤを滑らせてしまう。この隙に中嶋のインに飛び込んできたのが39号車の石浦だった。

#39石浦はリスタート直後に他車との接触により一時は9位まで順位を落としていたが、そこから見事な追い上げを見せ、17周目のダンロップ進入でアウトにはらんだ本山のインをついて抜き去って4位に浮上した。
前を走る3台、#12カルソニックGT-R、#38ZENT SC、#6エネオスSCはいずれも浅溝タイヤで走行を続けており、スリックに交換するのは時間の問題であった。
結局12号車は21周目、38号車は26周目にスリックへの交換とドライバーチェンジを同時に行い、6号車にはなんとピットアウトしてきた#0初音ミクBMWとの接触によりドライビングスルーペナルティが課せられてしまった。
これで#39デンソーSCがトップに。しかし?#39石浦は45周終わりで#36中嶋とともにピットイン。ここで給油とドライバー交代を行ったため、#12カルソニックGT-Rが再びトップに立つ。2番手には#100レイブリックHSVがつけた。
この2台はスリックへの交換をできるだけ引き延ばし、以降のピットストップを1回で済ませる作戦をとっていたため、残り周回数から逆算すれば1スティントで45周近くを走らなければならないことになる。
これは相当なギャンブルになるかと思われたが、61周目に入ったところで#15アートテイストポルシェがホームストレート上でスピンを起こし、ピット出口のガードレールに激突するアクシデントが発生、これにより再びセーフティーカーが導入されることになった。

このことで燃費的には幾分楽になった#12カルソニックGT-Rは65周目で予定通りピットへ。松田次生から再びオリベイラに交代して隊列の最後尾に復帰した。

セーフティーカーは66周目でピットイン。67周目からレースはリスタートとなる。
この時点での順位は#39、#23、#36、#17、#12、#100の順。
上位4台が最後のピットストップを終えた84周目には再び12号車がトップに立った。

レースはこのまま#12カルソニックGT-Rの優勝で決着するかと思われたが、残り20周となったところで再び雨が降り始めた。
全てのドライバーがスリックタイヤで苦しい走行を強いられる中、トップの#12オリベイラは102周終わりでとうとうピットへ。浅溝タイヤを装着してコースに飛び出して行った。
これでトップに立ったのは#100レイブリックHSV。#12オリベイラは36秒のビハインドを残り周回で取り戻さなければならなくなった。
一時は1周で6秒以上上回るラップタイムを記録した#12オリベイラだったが、雨はそれ以上激しくはならず、徐々にペースが落ち始める。
一方、#39石浦はこの難しいコンディションの中でミシュランタイヤの性能を遺憾なく発揮して前を走る#100伊沢拓也との差を一気に縮め、106周目の1コーナーで抜き去ってトップに立ち、そのまま逃げ切った。

チーム・サードにとってこの勝利は2004年6月のJGTC第3戦セパン以来のもの。実に8年ぶりの勝利だった。

GT300クラスも天候に翻弄されてめまぐるしく順位の変わる展開となったが、序盤に#6エネオスSC、終盤には#18ウイダーHSVとの接触により順位を落とした#0初音ミクBMWが緻密なピット戦略と谷口の積極果敢な走りで見事に挽回、97周目に高木真一の駆る#43ARTAガライヤをダンロップ手前で抜き去ってトップに立ち、今季初勝利をものにした。

次回の舞台はマレーシアのセパンサーキット。6月10日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA


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