全日本GT選手権

JGTC_Rd.6:TI英田 無限×童夢Pリリース

                                                      1999年 9月 27日
                        無限+童夢プロジェクト

        '99 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP ROUND 6
               "晴れの国・岡山 GT選手権レース in TI"

      Mobil 1 NSX、今季初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾る!
                 NSX勢、予選でもトップ4独占!

○開催日 :1999年 9月25(土)~26日(日)
○開催地 :岡山県 TIサーキット英田(コース全長:3.703km)
○決勝レース:82周(303.646km)
○天 候 :予選日/晴れ決勝日/曇り
○コースコンディション:予選日/ドライ決勝日/ドライ
○気温:決勝日/29℃(15時/ピット計測)
○観客数:48,800人(決勝日/主催者発表)

 1999年全日本GT選手権も終盤戦となり、第6戦は岡山県TIサーキット
英田において、“おかやま後楽園築庭300年プレ祭「晴れの国・岡山 GT選手
権レース in TI」”として、9月25~26日に開催された。
 25日(土)の公式予選では、事前のテスト走行から好調ぶりを示していた
Mobil 1NSXがポールポジションを獲得。RAYBRIG NSXが予選2位、TAKATA 童
夢 NSXが予選3位、Castrol 無限 NSXが予選4位と、今シーズンはじめてス
ターティンググリッドの1-2-3-4位を独占した。
 26日(日)の決勝レースは、ポールポジションからスタートしたMobil 1 
NSXが、一時僚友チームのRAYBRIG NSXにトップを譲るもその後抜き返しトップ
をキープ。後半は独走状態を築き上げ2位に29秒917の差をつけチェッ
カーフラッグを受け、今季初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾った。他の
NSX勢もTAKATA 童夢 NSXが3位で表彰台の1-3位を占め、RAYBRIG NSXも
5位と上位入賞を果たした。

●晴れの国・岡山 GT選手権レース in TI 出場チームと戦績
│No.│マシン名        │エントラント名        │ドライバー    │HW│予│決│
│   │                │                      │              │  │選│勝│
│16 │Castrol 無限 NSX│無限×童夢プロジェクト│中子 修      │50│4│16│
│   │                │                      │道上 龍      │  │位│位│
│18 │TAKATA 童夢 NSX │                      │脇阪寿一      │50│3│3│
│   │                │                      │金石勝智      │  │位│位│
│64 │Mobil 1 NSX    │Mobil1 Nakajima Racing│トム・コロネル│20│P│優│
│   │                |                      │光貞秀俊      │  │P│勝│
│100│RAYBRIG NSX     │チーム国光            │高橋国光      │40│2│5│
│   │                │with MOONCRAFT        │飯田 章      │  │位│位│
 ※HW=ハンディ・ウェイト(単位:kg)

 今大会での4台のホンダNSX勢は、全車がフロントワイドトレッド仕様を採
用、他に以前よりテストを重ねていたABSシステムが新たに投入され4車に
採用された。さらに、エアインテークボックスが市販車両のモデルチェンジに
伴いオプション設定された新型となった。
 金曜日のフリー走行では、台風18号の影響を受け激しい雨と風が吹き荒れ、
1回目のフリー走行は4回もの赤旗中断となる中、TAKATA 童夢 NSX、Castrol 
無限 NSX、Mobil 1 NSXが、1-2-3番手を占めていた。午後2時からのフ
リー走行2回目は中盤より小雨となり、各チームともタイヤをインターミディ
エイトに交換、さらに終盤にはスリックタイヤを使用するチームの現れるほど
路面は急速に乾き、各チームとも急速にタイムを詰めていった。NSX勢も終
盤スリックタイヤを使用しアタックを行ったが、クリアラップをとれずTAKATA 
童夢 NSXの4番手がこの回のベストポジションとなった。しかし4台のNSX
勢は、翌日からの予選、決勝に自信を見せ、準備に勤しんでいた。

○公式予選第1回[9月25日(土) 10:20~11:20 出走:37台]
 台風18号は日本海に抜け昨日の荒天はどこへ行ったものか台風一過の晴天の
下、公式予選第1回が開始された。
 予選開始とともにGT500クラスの各チームともコースインしていく中、
NSX勢は4台ともピットに待機し、前日の雨と風で荒れたコースコンディ
ションの回復を待つ。
 予選開始8分過ぎ頃、NSX勢も次々にコースイン、タイムアタックを開始
した。
 10分過ぎ、この時点でトップは#36カストロール・トムス・スープラであっ
たが、Mobil 1 NSXのトム・コロネル選手が1分30秒043で逆転しトップに立つ。
さらにコロネル選手は、ただ一人29秒を切る1分28秒959にまでタイムをつめ最
初の20分間を終了した。
 TAKATA 童夢 NSXの脇阪寿一選手は、予選開始後8分過ぎNSX勢のトップ
を切ってコースイン。果敢にタイムアタックを行ったが、僅かに29秒台を切れ
ず1分29秒183のタイムで2番手につけた。RAYBRIG NSXの飯田章選手は、
NSX勢の最後にコースイン、タイムアタックを開始したが、なかなか1分30
秒を切れず懸命のアタックを繰り返し、最初の20分の終了間際に1分29秒901、
さらに最終ラップに1分29秒303までタイムをつめ、Castrol 無限 NSXを逆転
し3番手につけた。そのCastrol 無限 NSXの道上龍選手は、アタック開始後脇
阪選手と交互に2番手につく激しいポジション争いを繰り広げていたが、最終
ラップに飯田選手に交わされ、1分29秒318の4番手で最初の20分を終了した。
 予選1回目の最後となる混走の20分間、NSX勢はセカンドドライバーの予
選基準タイムのクリアやセッティングの再確認を行い、また、終盤アタックを
行ったチームもあったが、GT300クラスとの混走で込み合うコースではタイム
アップはできず、GT500クラスは最初の20分のタイムで暫定ポジションが決定
された。
 結果ホンダNSX勢は、暫定の予選1-2-3-4位を独占。コーナー区間
の多いTIサーキット英田でのNSXの強みを発揮した。

○公式予選第2回[9月25日(土) 15:00~16:00 出走:36台]
 サポートレースの予選が行われたインターバルの間に気温はさらに上昇し暑
い日差しの中、公式予選第2回が開始され、各チームとも一斉にスタートして
いった。
 NSX勢は、1回目で使用したタイヤを装着してスタート、それぞれ3~4
ラップ後にピットへ戻りニュータイヤに交換してアタックに飛び出していった。
 1回目でトップタイムをマークしているMobil 1 NSXのコロネル選手は、ア
ウトラップを1分40秒台で回った後、直ぐに1分28秒台をマーク、またもや
トップに躍り出た。コロネル選手は1分40秒台のクーリングラップを交えなが
ら1分28秒台を連発し、最終的に1分28秒203にまでタイムアップ、ポールポ
ジションの座を確定的なものとしてGT500クラス占有時間を終了した。1回目
3番手だったRAYBRIG NSXの飯田選手は、ニュータイヤに交換後果敢にアタッ
ク。予選開始後16分過ぎ頃に1分28秒613をマークし、2番手に食い込んでき
た。セッティングを多少変更したTAKATA 童夢 NSXの脇阪選手は、やや裏目に
出たか#36カストロール・トムス・スープラに先行され5番手につけていたが、
最初の20分間の終盤、一気に1分28秒台にタイム上げた。しかし、僅か0.036
秒飯田選手にとどかず1分28秒649で3番手となった。Castrol 無限 NSXの道
上選手も果敢にアタックし、一時2番手につけていたが、最終的に飯田選手と
脇阪選手に先行され、1分28秒822の4番手で20分を終了した。
 混走となる最後の20分は、予選1回目と同様にタイムアップするチームはな
く、予選2回目の最初の20分間のタイムでスターティンググリッドは決定され
ることとなり、ホンダNSX勢は今季初めて予選トップ4を独占することと
なった。

○決勝レース[13時30分スタート 82周 出走:37台]
 台風一過とは思えない曇り空の下、スタート進行がオンタイムで開始され、
午後13時30分、フォーメーションラップから1周して、決勝レースの幕が切っ
て落とされた。
 全車きれいにスタートを切り第1コーナーをクリア、「晴れの国・岡山 
GT選手権レース in TI」がスタートした。
 初めてスターティングドライバーを務める光貞秀俊選手がハンドルを握る
Mobil 1NSXは、ポールポジションからスタート。その1周目にセカンドポジ
ションからスタートしたRAYBRIG NSXの飯田選手にかわされ、2番手でグラン
ドスタンド前に戻ってきた。2番手となった光貞選手は、3~4秒の差で落ち
着いて飯田選手を追走、淡々とレースを進めていった。序盤から中盤に入る頃、
先行する飯田選手のペースが思ったほどあがらないと見た光貞選手は、徐々に
差を詰め31周目にパス。トップに返り咲く。39周目、2番手のRAYBRIG NSXに
約4秒の差でルーチンのピットイン。ドライバーをコロネル選手と替わり6番
手で素早くコースに復帰する。6番手から追い上げるコロネル選手のMobil 1 
NSXは、上位チームのルーチンのピットインで次々に順位を上げ、44周目に
トップに返り咲いた。その後コロネル選手は後続の激しい順位争いを後目に
トップを独走。終盤はペースを落とす余裕を見せトップでチェッカーフラッグ
を受け、今季初優勝を飾った。
 予選3位からスタートしたTAKATA 童夢 NSXの金石勝智選手は、そのポジ
ションをキープし、前車のピットインによりトップのポジションで44周目に
ルーチンのピットイン。脇阪選手に替わりピットアウトしたが、このピットイ
ンに時間がかかり5番手。
さらにアウトラップでペースがあがらない間に6番手となってしまった。その
後48周目に5番手に復帰、ハンドルを握る脇阪選手は懸命に前車を追う。なか
なか差はつめられなかったが、終盤他車のペースが下がる頃ペースアップ。75
周目に4番手に浮上。さらに前を行く#36カストロール・トムス・スープラを、
最終ラップで見事にパス。
3位でチェッカーフラッグを受けた。
 セカンドポジションから序盤一時トップを走ったRAYBRIG NSXの飯田選手は、
43周目にルーチンのピットイン。高橋国光監督兼選手のドライブで3番手で
レースに復帰。
すぐに2番手に復帰しそのポジションをキープしていていたが、71周目に3番
手、72周目に4番手に後退してしまった。さらに75周目にTAKATA 童夢 NSXの
脇阪選手にかわされ5番手。そのポジションのままチェッカーフラッグを受け
5位に入賞した。
 4番手からスタートしたCastrol 無限 NSXの道上選手は、1周目に5番手に
後退したが、17周目に4番手に復帰。さらに前車のルーチンのピットインによ
り3番手に浮上。43周目に自らもルーチンのピットインを行ったが、その際に
ピットロードのスピード制限をオーバーし、ペナルティのピットストップ10秒
を命じられてしまった。さらにその3周後、ブレーキトラブルのチェックと解
消のためピットイン。レースに戻りはしたものの4周遅れとなってしまった。
その後中子選手はトップグループと同様の1分31秒台で着実に走り、16位で
チェッカーフラッグを受け完走と認定された。

 この結果、Mobil 1 NSXは、今季初優勝をポール・トゥ・フィニッシュで飾
るとともに、オールスター戦の出場権を確保。NSX勢は4台ともに、熊本県
オートポリスで開催される「NICOS CUP GTオールスター戦 '99」へ出場するこ
ととなった。

○優 勝 Mobil1 Nakajima Racing 中嶋悟総監督のコメント「今シーズン待
ちわびていた優勝を達成できて本当に嬉しく思っています。NSX勢の中で
我々だけが勝てませんでしたからね。事前のテストから好調でしたから予選は
そこそこいけると思っていましたし、スターティングドライバーに指名した光
貞選手も、力を出し切ってくれました。メカニック達も頑張ってくれて、ピッ
ト作業も素早くこなすことができました。燃費も予想よりはるかに良かったし
ね。後半はコロネル選手のペースを押さえさせることが一番の仕事でしたよ。
このチャンスを与えてくれたスポンサーをはじめ応援してくれたみなさんに感
謝します。ありがとうございました。
最終戦のツインリンクもてぎは、ハンディウェイトが90kgになってしまうので、
相手の出方を見ながら我々のペースをコントロールして、表彰台を目指します。
また、応援してください。」

○優 勝 トム・コロネル選手のコメント「予定通りの優勝かと聞かれれば、
いつでも予定は同じだよ。ただ予定通りに行かないことがあるだけでね。(笑
い) このサーキットはテスト、予選ともトップタイムで、レースも完璧に運
ぶことができた。30秒のマージンを持っていたので、周回遅れに絡まないよう
に、トラフィックを注意して走っていた。一番大変だったのは、中嶋総監督か
ら毎ラップ無線で“無理をするな。ペースを押さえろ”といってきたことだっ
たね。次の最終戦は90kgのウェイトを積むことになるが、3位くらいには入り
たいね。オートポリスのオールスター戦に出場できるのも嬉しいことだし、
オールスター戦はノーウェイトで走れるので、ビックチャンスだと思う。
フォーミュラ・ニッポンとあわせて最後まで頑張るよ。」

○優 勝 光貞秀俊選手のコメント「2週連続の優勝を達成できてとても嬉し
い。何よりもこのチャンスをくれたチームとスポンサーに感謝します。スター
ト直後に飯田選手に抜かれましたが、そのまま様子を見ていたら思ったほど飯
田選手のペースがあがらないので、プッシュして抜き返しました。チームのメ
ンバーに余裕を持ってピット作業をしてもらうためにも、トップでコロネル選
手に渡すことを考えていました。その通りになり、ピット作業もスムースで良
かったと思います。次のもてぎもNSXには向いているサーキットだと思いま
すが、90kgのハンディウェイトは、NSXに乗り始めたばかりでテストでも経
験がないので実感としてわかりませんね。でもクルマにもなれたし頑張りま
す。」

資料提供:無限×童夢プロジェクト

                   ** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(sdi00685@nifty.ne.jp) **



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース