全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.3/4


                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 3 Hi-land GT Championship                            29 June '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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'97GTC第3戦仙台ハイランド

最終ラップの大逆転!!
カストロール・トムス・スープラが勝利をもぎ取る
無念。亜久里はタイヤ選択に泣く。


 心配された台風も早朝には去り、朝早くは小雨が残ったものの、全日本GT選手権
第3戦「ハイランドGT選手権レース」の決勝は、好天の下で開催された。

 雨の予選でポールを獲ったNo.37カストロール・トムス・スープラの鈴木利男は、
ローリングスタートからダッシュを決め、このレースから新型スカイラインGT-Rと
なったNo.2 ZEXELスカイライン、エリック・コマスを抑えて1コーナーにトップで
進入した。また、予選3位のNo.100 RAYBRIG NSX、高橋国光もポジションをキープ
し、前のスープラ、GT-Rにきっちりと着いていく。この3台が序盤一列になって競っ
ていく。少し離れてNo.38カストロール・セルモ、No.36カストロール・トムスの2
台のスープラが後を追いかけている。特にNo.2 ZEXELとNo.37カストロールはテール
トゥノーズでトップを争う。だが、9周目にシケインでNo.37スープラがラインを
外した隙をNo.2スカイラインに突かれてしまう。さらには、No.100NSXもそこに乗じ
て、パッシング。No.37は一気に3番手に落ちてしまう。トップに立ったNo.2コマス
は、逃げ切り体制をつくる。一方、2番手になったNo.100NSXはギアトラブルでペー
スダウン、徐々に後方へと下がっていく。これで、攻守を入れ替えて再びNo.2コマ
スとNo.37利男がトップ争いを展開。互いに49秒中盤から50秒前半、ベストは共に45
秒台という予選並のハイペースで周回していく。その後ろを走るNo.38、No.36のカ
ストロール・スープラも互いに接近戦でやはり49秒台を出し、後半への勝負権を放
さない。
 まず動いたのはNo.2 ZEXELスカイラインだった。31周目に上位陣の先頭を切って
規定のピットインを行う。ドライバーは鈴木亜久里にチェンジ。42秒ほどの素早い
ピットワークを行う。35周目にNo.36、その次の周にNo.38、その次にNo.37とカス
トロール・スープラ勢が順次ピットインを行う。
 主な上位陣がピットインを終了した40周過ぎの時点でNo.2 ZEXELスカイライン、
亜久里が再びトップに戻る。2番手にはNo.36カストロール・トムス・スープラのミ
ハエル・クルムとなる。その差は、ピットタイムの早さなどが積み重なって約15秒
に増えていた。そして、No.2の亜久里は1分50秒前半をコンスタントに記録して逃
げる。追うNo.36クルムは49秒台、時には48秒台でじわじわと追い上げる。クルムの
亜久里は追い上げを知るとペースアップを図るが思うように上がらない。実はハー
ド気味のタイヤを選択したのが裏目に出たのだった。ラスト5周でNo.36クルムは、
No.2亜久里のテールにぴたりと着けて、ここから巧みなブロックで守る亜久里と、
アウトにインにと果敢に攻めるクルムとの、手に汗握るサイドバイサイドが展開さ
れる。そして、最終ラップ直前の最終コーナーで亜久里がやや外に膨らんだところ
をインに並び掛けるそして、1コーナーに飛び込む。ここでついにクルムがトップ
に立った。そして、ラスト一周を逃げ切って、カストロール・トムスに今季初の優
勝をもたらした。3位にはNo.37のカストロール・トムス・スープラが、4位には
No.38カストロール・セルモ・スープラ、5位は前戦優勝のNo.39デンソーサード
スープラGTが、以降8位までをスープラが占めた。


完全独走体制!つちやMR2がGT300初制覇

 予選トップのNo.21ダンロップーBPーBMWは、スタート前からタイヤに問題を抱えて
おり、スタート後徐々に遅れ出す。これに代わってトップに立ったのは、予選では
クラス5番手にとどまったNo.25つちやMR2の土屋武士。1台だけクラスが違うかの
ような速さで後続をどんどん引き離していった。ピットインも、できるだけマージ
ンを稼ぐためにギリギリまでガマンをし、タイヤ交換もせずにピット作業によるタ
イムロスを最小にとどめる。長嶋正興にバトンタッチしてからもリードを守りきり、
初優勝を遂げた。これに続いて2位に入ったのはNo.19 RS☆Rシルビア。序盤に、他
車を抜くときムリをしすぎてスピンを喫し大きく遅れてしまうが、その後挽回して
順位を上げたもの。これでシリーズランキングトップの座を守った。3位にはしぶ
とく走りきったNo.26タイサンスターカードRSRが入っている。4位は予選2番手の
座を守りきれなかったNo.910ナインテンポルシェ、5位には序盤健闘したNo.81ダイ
シンシルビアが入っている。



総合優勝

No.36 カストロール・トムス・スープラ
ペドロ・デ・ラ・ロサ
「とにかくレースをフィニッシュすることが目標で、とくにアタックするような
つもりはなかったんです。序盤は前に竹内選手がいて、なかなか抜けなかったん
ですけど、チャンスは狙っていましたよ」
ミハエル・クルム
「ペドロがピットインの直前にかなり速いタイムで走ってくれたのが今回のレー
スのキーになっていると思います。自分も出ていった直後からかなり速く走れま
したからね。終盤のバトルは、亜久里さんが簡単に抜けるような相手ではないの
で大変でした。でもレース中にスプーンコーナーの走り方も教えてもらえたし(笑)。
自分のほうがペースが少し速かったので、抜くチャンスは狙っていましたから、
最後に抜けてよかったです」


GT300クラス優勝

No.25 つちやMR2
土屋武士
「ターボは日曜日になってなんとか調整がついてくれて、結果オーライというと
ころですね。このペースだったら長島くんに貯金を残してあげられる状態でした。
今までが全然ダメで、ターボがついてるとスピードが全然違う。クルマは全然問
題ない。とりあえずタイヤはいいグリップで中段から抜けられた。ちょっと別の
問題があって(笑)。スポンサーがね…。ミッションがひとつしかなくて、壊れ
た時点でリタイヤになってしまうので壊せない。今回、タイヤ交換はなしで走り
きりました」
長島正興「土屋君がマージンを作ってくれたので、後ろを見ながらゴールを目指
して走りました」



以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                         古屋 知幸 = QYB04322 =


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