Formula Nippon

FN第8戦もてぎ決勝 本山が3勝目を挙げ、王座も獲得

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 全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の決勝が10月23日、ツインリンクもてぎで行われ、#23本山哲(インパル)が見事ポール・トゥ・フィニッシュを決めて優勝。ポイントランキング2位の井出有治が4位に終わったために最終戦を待たずして2005年のシリーズチャンピオンを手中にした。

051023_14 予選、フリー走行とウェットコンディションでの走行となったが、決勝は秋晴れの下、ドライコンディションで行われることとなった。このため、決勝に先立って10分間の特別フリー走行が行われることになり、レースは当初の予定よりも10分遅れでスタートすることとなった。
 スタートでトップに立ったのはポールの本山。ロッテラー、山本が続く。さらに1コーナーでトレルイエと並んで行き場をなくした井出を土屋武士がパス。更に90度コーナーで片岡も井出を抜き去っていった。

 2周目、4周目、5周目と、ロッテラーは1コーナーで果敢に本山のインを突いていくが、本山必死で押さえ込む。その後もロッテラーはぴったり本山の背後につけ、虎視眈々を隙をうかがっている。そうしている間に3位山本、4位トレルイエらも追いついてきた。
 後方からは12番手スタートの小暮卓史がハイペースで先行するクルマを次々と攻略し、8周目には井出をも抜き去って7位に進出してきた。
 小暮は更に6位片岡を執拗に追いかけ、11周目のダウンヒルストレートで並びかけていく。90度コーナーでの激しいブレーキング競争の結果、小暮は遂に6位を奪い取り、敗れた片岡は堪らずオーバーランしてしまった。

 トップ争いに異変が起きたのは13周目。それまで1秒以内の差を保って執拗に本山を追いかけていたロッテラーが、V字コーナーで痛恨の単独スピン。戦列を離れてしまった。
 これでチームメイトの小暮は5位に繰り上がり、なおも前を走る土屋を攻め立て、14周目の90度コーナーで今度はアウトからかぶせて土屋をねじ伏せた。続いて17周目の3コーナーでトレルイエのインに飛び込んで3位、さらに19周目の90度コーナーで山本を仕留めて2位に上がってきた。トップ本山との差は2秒279だ。
 21周終了時点で本山と小暮の差は1秒146に縮まってきた。22周目には本山のテールに張り付くが、この周回の終わりでピットイン。なんと23秒もの給油時間でたっぷり燃料を積み込んだ。小暮は高木の後ろ、9位でコースに復帰した。
 24周終わりで高木がピット。停止時間は16秒6だった。
 これで8位に上がった小暮がここで立て続けにファステストラップを更新。24周目1分40秒467、25周目40秒179、26周目は1分40秒124だ。
 小暮はその後も40秒台を連発、ついに前を走る松田のテールに張り付いた。

 35周終わりで5位の土屋がピットへ。22秒の停止時間でクインタレッリの前でコース復帰。これで6位に上がった小暮は36周目の90度で松田のインを狙っていく。二人揃ってハードブレーキングを敢行して姿勢を乱す中、立ち上がりをうまくまとめた小暮が前に。
 36周終わりでトレルイエがピットインするが、給油ノズルが付いたまま発進してしまって大きくタイムロス。14位に後退してしまった。
 これにより小暮は4位に繰り上がった。次のターゲットは井出有治だ。

 41周終了時点で本山にピットインの指示が出た。42周終わりで本山がピットへ。続いて山本もこの周回でピットインだ。
 小暮も43周終わりで2度目のピット作業。25秒6の作業時間でコースへ。しかしこのときに野田英樹の後ろに入ってしまい、野田の執拗なブロックに行く手を阻まれて順位を上げられず、小暮はこのレースを9位で終えることになってしまった。
 この結果、1位井出、2位本山、3位松田、4位山本のオーダーとなった。
 井出と本山の間隔は21秒479だ。
 井出は45周終わりでピットイン。15秒7の作業時間でコースに復帰。戻った位置はライアンの前、4位だったが、5コーナーでライアンがインに並びかけ、両者がハードブレーキングの末にアウトにはらんだ隙を突いて、土屋が一気に4位に上がった。
 井出は47周目のヘアピン進入でライアンのインに飛び込むが、立ち上がりで大きくアウトにはらんでしまう。この二人はその後も激しいドッグファイトを展開するが、50周目の90度コーナーで井出がライアンのアウトに並びかけた際に接触。井出はフロントウィングを痛め、ライアンはリヤタイヤをバーストさせてしまった。ライアンは堪らずピットイン。井出はそのまま4位で走行を続ける。

051023_16 レース序盤を盛り上げたのが小暮なら、終盤を沸かせたのは山本左近だろう。
 山本は残り周回が10周を切った辺りから一気にペースを上げ、次々にファステストラップを更新して先行する本山を追い上げる。その結果、一時は5秒以上あった両者の差は見る見るうちに縮まっていき、ファイナルラップを迎えるときにはコンマ925差まで追い上げてきた。
 懸命に本山に食らいついていく山本。しかしあと一歩届かず、わずかコンマ607差で本山が逃げ切り、今季3勝目を挙げた。
 3位に土屋、ランキング2位の井出は結局4位に終わったため、最終戦を待たずして本山が4度目のシリーズチャンピオンを獲得することとなった。



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