Formula Nippon

FN第5戦鈴鹿決勝 波乱の展開を本山が制す!

 全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦の決勝が7月3日、小雨の降りしきる鈴鹿サーキットで行われた。
 視界の悪い難しいコンディションでアクシデントが相次ぎ、2度もセーフティーカーが入る荒れた展開の中、ポールポジションからスタートした#23本山哲(ArtingIMPUL)が今季2勝目をあげた。
 2位は#32小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)、3位には#1リチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION)が入った。
(観客動員数15,000人)

 F3のスタートディレイの影響もあり、フォーミュラニッポン第5戦の決勝は予定より15分遅れて午後2時45分にフォーメーションラップがスタートした。降りしきる雨のため、コースは完全なウェットコンディションだ。
 ポールシッターの本山がホイールスピンをさせて出遅れる中、ホールショットを決めたのは#20井出有治(mobilecastIMPUL)。その後方ではスピン状態に陥った#31アンドレ・ロッテラー(PIAA NAKAJIMA)が#5松田次生(TEAM 5ZIGEN)、#19ブノワ・トレルイエ(mobilecastIMPUL)に次々と接触、ロッテラーとトレルイエはイン側のガードレールに激突してその場でレースを終えた。松田もピットインしてノーズとタイヤを交換し、最後尾に後退。ここでコース上に停止したロッテラーの車両を排除するため、セーフティーカーが入った。

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 4周目にリスタート。井出、本山、小暮の順でコントロールラインを駆け抜けていく。
 井出は序盤から立て続けにファステストを更新しながら本山を突き放しに掛かり、一時はその差を15秒近くまで広げるが、20周を過ぎたあたりから本山もペースを上げ始め、28周終了時点では6.032にまで戻してきた。その頃井出はリヤタイヤがスローパンクチャーを起こしており、29周目に予定外のピットイン。給油とタイヤ交換を行って5位でレースに復帰した。
 フレッシュタイヤを得てコースに復帰した井出は、一気にペースを上げ、ファステストラップを更新しながら前を走る片岡との差を一気に詰めていく。盛んに仕掛けてくる井出を懸命に押さえ込んでいた片岡(LeMans)だったが、35周目にスピードリミッターがトラブルを起こしてスローダウン。ここでレースを終えることになった。
 これで井出は4位に繰り上がった。次のターゲットはルーキーの平中克幸(TEAM CERUMO)だ。
 平中もスタートから快調なペースで飛ばしていたが、ファストストを連発する井出のペースに次第に追い詰められ、40周消化した時点でその差は1秒あまりとなった。
 本山がトップで41周目に入った直後、#12高木虎之介(TAKAGI PLANNING)が最終コーナーでスピン。コースには復帰するが、ホームストレート上でフロントウィングが粉々に飛散してしまう。この周の終わりで本山はピットイン。給油のみを行い僅か4.5秒の作業時間で小暮の直後、2番手でコースへ復帰する。
 平中を激しく追い上げていた井出だったが、42周目のシケイン進入で勢い余って平中に追突、平中はここでエンジンを止め、レースを終えた。この件で、井出には10秒ストップのペナルティが課され、井出は完全にトップ争いから脱落してしまった。
 このタイミングで高木の撒き散らしたパーツを排除するために2度目のセーフティーカーが導入された。
 この時点での順位は、1位小暮、2位本山、3位には後方11番手スタートながらトップと変わらぬハイペースで着実に順位を上げていたライアンがきた。

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 レースは47周目からリスタート。ノーピット作戦が見事に当たってトップに立った小暮は、本山の猛追を懸命に防いでいたが、50周目のデグナーで痛恨のオーバーラン。なんとかコースには留まったものの本山の先行を許してしまった。給油もタイヤ交換もせずにコースに留まっていた小暮に本山を負う力は残っておらず、本山が51周の大荒れのレースをトップで走りぬけ、今季2勝目をあげることとなった。

Text: Kazuhisa SUEHIRO (FMOTOR) / Photo: FMOTOR



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