Formula Nippon

FN第2戦鈴鹿 決勝レポート

 全日本選手権フォーミュラニッポン第2戦の決勝が、4月17日鈴鹿サーキットにて行われ、#20井出有治(mobilecast IMPUL)が10番手スタートながら驚異のジャンプアップを果たして優勝した。
 2位には#5松田次生(5ZIGEN)、3位には2ストップ作戦を選択しながらも派手なオーバーテイクを連発して観客を魅了した#32小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)が入った。
(天候:快晴 観客動員数:34,000人)

 第2戦の決勝は快晴のもと、予定通りスタート進行が開始された。
 ここでポールシッターのトレルイエが、なんとダミーグリッド上でギヤレシオを組み替えるという緊急事態が発生する。この、僅かな時間の中でこの作業を行ったことが、結果的には後のレース展開に大きく影響することとなった。
 スタートを決めたのは松田次生。2番グリッドから一気にトップを奪って1コーナーを立ち上がっていく。続いてトレルイエ、#7片岡龍也(Forum Engineering LeMans)、#31アンドレ・ロッテラー、#32小暮のNAKAJIMA勢が上がってきた。
 予選では10位に沈んだ井出も、スタートを決めて7位にジャンプアップ。さらに前方を行く#8土屋武士(Forum Engineering LeMans)を追う。
 上位集団の中では小暮のペースが飛びぬけている。
 2周目にヘアピン手前の200Rで僚友のロッテラーをインからパス、続いて3周目のシケインで片岡のインをこじ開け、あっという間に2位トレルイエの背後に迫り、5周目の1コーナーでインから並びかけて前に出て行くばかりか、同じ周のシケインでは早くも松田を攻略してトップに立ってしまった。小暮はその後もファステストラップを塗り替えながら快調なペースで飛ばしていく。
 ポールからスタートし、3位を走行していたトレルイエに異変が起きたのは7周目のことだった。ダミーグリッド上で作業した際に充分固定されていなかったのか、エンジンカウルが浮き上がってきたのだ。それでもトレルイエは2位の松田とほぼ同程度のペースを保ち、11周を走りきってピットイン。給油と同時にガムテープでカウルを補修しながらも16.5秒でコースに戻っていった。
 一方、トレルイエのチームメイトの井出は9周目の1コーナーで土屋を抜き去ると、前方で熾烈な4位争いを展開している片岡とロッテラーに接近していく。ロッテラーが14周目のシケインで片岡を捉えると、井出も16周目の1コーナーで片岡の前に出る。予選の不振が嘘のように、意では順位を着実に上げていく。
 16周終了時点で小暮がピットストップ。20秒近い給油時間から、スタート時の燃料搭載量が相当に少なかったことが伺える。この分だと2回ストップもありそうだ。
 これでトップは再び松田のものとなったが、20周目にピットストップしてコースに戻ったときには再び小暮の後方に位置することとなった。小暮はこの間も他の誰よりも早い49秒代後半のペースで、派手なオーバーテイクを繰り返しながら飛ばしていく。
 上位陣が相次いでピットストップをしはじめたレース中盤。井出有治だけがコースに留まって安定したペースで周回を重ねていく。遂に22周目にはトップに立った。後方からは小暮が猛烈な勢いで井出とのギャップを削り取っているが、33周終了時点で再びピットへ。それでもなお井出はコース上に留まっている。
 インパルのピットが動いたのは36周目。ここで漸くピットに入って来た井出を18.1秒で送り出す。井出はトップをキープしたままコース復帰を果たした。2位を走るのはトレルイエ。モバイルキャストインパルの1-2体制ができあがった。
 しかしレース序盤でピットストップを行ったトレルイエのタイヤは既に限界に来ており、ヘアピンでスピンを喫したうえ、44周目に立て続けに小暮と本山の先行を許すと、47周目には1コーナーで再びスピン。ここでレースを終えた。
 終始49秒後半から50秒前半のペースで飛ばしていた小暮であったが、2ストップで背負い込んだタイムロスを取り返すことは叶わず、3位表彰台を獲得するのが精一杯だった。
 2位の松田も井出との差を縮めることが出来ず、フォーミュラニッポン第2戦は井出有治の今季初優勝で幕を閉じた。


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