オートバックス スーパーGT第3戦「スーパーGTマレーシアフェスティバル2025」が6月29日、マレーシアのセパンサーキットで行われ、GT500クラスは予選4位からスタートした37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が今季初優勝を挙げた。
第3戦決勝は現地時間午後4時30分より55周で行われた。天候は曇り。スタート時の気温33℃、路面温度は42℃。
ところがここで予選13位の24号車リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)がプロペラシャフトの破損によりグリッドを離れることができず、マーシャルの手でピットレーンへ戻されることに。これによりレースは14台で争われることとなる。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)。しかし9周目に周回遅れに詰まったところを予選2位の松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)に捉えられてしまい、8号車がトップに浮上する。
その後方では笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)が7周目に予選3位の大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT)を抜いて3番手に浮上している。
トップの松下は2番手以下を3秒近く引き離して21周目にピットイン。野尻智紀に交代する。2番手の国本はその前の20周目にピット作業を済ませ、阪口晴南に後半を託した。
しかし3番手の笹原はここでピットインを引き伸ばす作戦を採り、32周目に漸くピットへ。この時点で暫定トップだった37号車はチームの迅速な作業と、少ない残り周回に応じた短い給油時間でそのままトップでコースに戻ることに成功する。
後半を担当したジュリアーノ・アレジはアウトラップで8号車の猛追に晒されるが、これをなんとか凌いでコントロールラインに戻ってくると、タイヤが作動領域に入ってからは逆に2番手以下を突き放しにかかった。
これにより37号車は34周終了時点で1秒446だったリードは40周目には3秒575、48周目には9秒013にまで広がり、最後は19秒046もの大差をつけてフィニッシュ、37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が昨年9月の第6戦SUGO大会以来9ヶ月ぶりの勝利をものにした。
2位は8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)。
3位には予選6位からスタートした12号車TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が入った。
12号車はバゲットがオープニングラップで小出峻(Astemo CIVIC TYPE R-GT)を捉えて5番手に浮上すると、その後も64号車を捉えて4番手でピットイン、ピットアウト後も平峰が阪口を捉えて3番手に浮上する。54周目には100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)の先行を許し、4番手でチェッカーを受けるが、100号車に対しては30周目の最終コーナーで38号車KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)を押し出したとして10秒のタイムペナルティが課せられており、最終順位は12号車が3位という結果になっている。
なお、ポイントリーダーの1号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は予選8位からスタート、1周目の2コーナーで39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)に追突され、一旦はクラス最後尾まで後退したが、その後はスタートドライバーの坪井、後半担当の山下がトップ集団と遜色のないハイペースで周回を重ねて7位でフィニッシュ。70kgのサクセスウェイトを抱えながらもしぶとく3ポイントを獲得し、依然としてチャンピオンシップをリードしている。
またランキング2位にはこのレースを勝利した37号車の二人がジャンプアップ、9ポイント差でチームメイトを追う展開となった。
次戦の舞台は富士スピードウェイ。2013年に開催された富士スプリントカップ以来の2レース制のスプリント戦が8月2−3日の両日にわたって行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO