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もてぎ・菅生S-FJ選手権

第7戦もてぎ決勝 チームメイト同士のバトルを制してYUTA SUZUKIが歓喜の初優勝 ファイナルラップの激闘を制した樺木大河が2位

優勝した鈴木悠太(ZAP SPEED KK-S2)

 2024年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ最終第7戦決勝が11月23日にモビリティリゾートもてぎで開催され、2番手スタートのYUTA SUZUKI(ZAPSPEEDKK-S2)がポールシッターの樺木大河(ZAP SPEED 10V ED)をオープニングラップで仕留めてトップに立つとその後はトップを譲ることなく10周を走り切りS-FJでのキャリア初優勝を飾った。

 朝の予選に続いて第7戦決勝は12時45分コースイン開始。気温14度、路面温度18度のドライコンディション。予選のコースイン時にスピンを喫して計測タイムなしに終わった小田優(Drago CORSE TAKE)は最後尾からの出走が認められ、ガードレールに当たってダメージを受けたリヤセクションも応援を得て修復され、スターティンググリッドに並んだ。12時55分フォーメーションラップ開始。20台のマシンがグリッドにつくとレッドライトが消灯、最終戦のレースがスタートした。

10周の決勝がスタートした

 ロケットスタートを決めたのは3番グリッドから発進の豊島里空斗(C.S.I Racing)で、フロントロウの樺木、SUZUKIの間を狙うような動きから加速でSUZUKIの前に出て2位で第1コーナーへターンイン。トップは樺木が守っている。さらに後方では5番手スタートの落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)が第2コーナーでラインがワイドになった松原将也(ZAPMARUTOKU10VED)の前に出て4位へ。第3コーナーでは後方の8位グループで接触、9番手スタートの大川烈弥(群馬トヨペットTeam RINoA ED)と10番手スタートの小田部憲幸((株)フォースリンク銀座鮨あらいZAP ED)が接触、小田部がアウト側のダートまではみ出すが、かろうじてコースにとどまるものの大きくポジションダウン。大川は順位を守ったがフロントウイングが大きく曲がっている状態。一方最後尾スタートの小田はすでに5台を仕留めて順位を上げている。

 2位に進出した豊島は勢いのままにトップ樺木に第5コーナーでアウトから仕掛けるがここは樺木が抑える。続くS字の入り口ではSUZUKIが豊島に襲い掛かりアウトから並びかけてサイド・バイ・サイドでS字を通過、V字へのブレーキングでSUZUKIが前に出て2位の座を奪回すると樺木追撃に移りぐいぐいと間合いを詰めていく。

 ダウンヒルストレートでは豊島の背後に落合と酒井翔太(ファーストガレージ KK-SII)が背後につけると90度コーナーでは落合がインから豊島を差しに行く。豊島もアウトで粘るがラインが大きく膨らみグラベルに出そうになり失速、セカンドアンダーブリッジ内で酒井にもオーバーテイクを許してしまう。これで落合3位、酒井4位、豊島5位。4番グリッドからこの3台に次々とオーバーテイクを許した松原は6位にダウン。そして小田は1周目だけで10台を抜いて10位まで進出。一方接触があった小田部はピットイン、フロントウイングにダメージがあるようで、マシンを降りた。

 トップ樺木に対し0.088秒差とテール・ツー・ノーズ状態で2周目に入ったSUZUKIはスリップストリームを効かせて加速すると樺木のインから第1コーナーに飛び込みオーバーテイクに成功、トップに立つ。樺木はポジションを奪い返すべくSUZUKIを追うが、僅かずつ間合いがひろがっていく。後方では落合対酒井のファーストガレージ勢同士のバトルが展開、ダウンヒルストレートから90度コーナーにかけて酒井がチャンスを伺うが落合はスキを見せない。2周目を終えてトップSUZUKIと2位樺木は0.731秒の差。そこから0.672秒離れて3位落合、0.098秒差で4位酒井、0.525秒差で5位豊島に続いて6位松原が0.055秒差に迫る。さらに伊藤慎之典(群馬トヨペットTeam RINoA ED)、大川とTeam RINoA勢が続く後ろには2分5秒936とここまでの最速ラップで小田が9位に上がってきている。

 いったんはSUZUKIに突き放されそうになった樺木だが3周目は0.581秒差、4周目は0.329秒差と挽回、トップ奪回のチャンスを伺う態勢だ。一方落合対酒井の3位争いは第1コーナーでインを制した酒井が順位を上げる。樋島と松原の5位争いも4周目に入るとさらに厳しさを増し、S字からV字にかけての間で松原が豊島をオーバーテイク、5位に浮上する。そしてこの周も小田が最速ラップを刻んで8位に進出。

 この中でも特に勢いのあるのが序盤に順位を落とした松原で、落合と0.055秒差で5周目に入ると、ヘアピンでインを差してオーバーテイクに成功。スタート時のポジションの4位を取り戻した。

 レースの前半、5周目を終えての上位は

  • 1位 SUZUKI
  • 2位 樺木(+0.166秒)
  • 3位 酒井(+0.714秒)
  • 4位 松原(+2.895秒)
  • 5位 落合(+3.098秒)
  • 6位 豊島(+0.330秒)

 という順で、さらに7位には小田が2分4秒972のファステストラップを叩き出してトップから3.586秒差まで迫っている。6位豊島までは0.256秒しかない。

 6周目に入ると樺木がテール・ツー・ノーズ状態で第1コーナーから第2コーナーまでSUZUKIを追い回すが、SUZUKIが抑え込む。これで一瞬勢いの鈍った樺木に今度は酒井が襲い掛かり樺木はディフェンシブにならざるを得なくなり、第4コーナーからの立ち上がりでみるみるSUZUKIが離れていく。その後ろでは4位争いが激化。落合が第2コーナーで松原の前に出ると第3コーナーでは松原がインを差しかえす。このバトルに豊島、小田、伊藤も参戦し第4コーナー立ち上がりでは5台がワンパックになって加速。触れ合わんばかりの位置取りで第5コーナーに殺到するとターンイン。落合~松原~豊島~小田~伊藤、さらに中村ブンスーム(ファーストガレージ10V)までもが数珠つなぎでファーストアンダーブリッジを通過する。

 6周目を終えてトップSUZUKIと2位樺木の差は0.822秒に拡大。樺木と3位酒井は0.106秒の差。4位落合は大きく離されて3.7秒の差があり、そこから1.6秒の間に5台のマシンが連なっている。7周目も状況は変わらず、2位樺木の背後にはテール・ツー・ノーズ状態で酒井が食らいついており、一触即発の状況だ。90度コーナーでは酒井がインを差しに行くが、ここは樺木が封じ込む。4位を争う集団の中では松原と豊島が激しくポジションを奪い合い、そのスキを突いて小田が第4コーナー立ち上がりで豊島を攻略、6位に上がる。さらに中村も伊藤をかわして8番手へ。この間に4位グループはバラけて落合と松原の一騎打ちになる。

 迎えた8周目、第1コーナーに向けて酒井が樺木の右サイド、イン側に飛び込むと一気にオーバーテイク。2位のポジションを奪い取る。樺木は第2コーナー出口から第3コーナーへの加速で酒井に並びかけるが酒井が第3コーナーでインを守って第4コーナー立ち上がりで前に出る。これで勝負ありか。後方では激しくつばぜり合いを演じていた落合と松原が第4コーナーで接触、両車スピン。落合はグラベルにはまってストップ。松原は再スタートを切るが大きくポジションダウン。この混乱に乗じて小田が4位まで順位を上げ、5位中村、6位豊島という並びに。 

 酒井と樺木の2位争いは9周目も続き、この間にSUZUKIは1.7秒までマージンを稼いでファイナルラップに突入。酒井と樺木は0.255秒の差からさらに接近。第3コーナーから第5コーナー、ファーストアンダーブリッジを経て130Rまでサイド・バイ・サイドで駆け抜けるドッグファイトの末、S字の入り口で樺木が前に出る。しかしV字への進入で今度は酒井がインを差して2位を取り戻す。

 ダウンヒルストレートを再びサイド・バイ・サイドで駆け降りると、インに樺木、アウトに酒井と並んで90度コーナーへアプローチ、樺木が前でターンインすると酒井はクロスラインで樺木の右サイドへ。しかし樺木が酒井の動きを封じてセカンドアンダーブリッジを通過してビクトリーコーナーへ。酒井はそこからの立ち上がりで樺木をとらえようともがくように加速するが0.058秒届かず樺木2位、酒井3位。その2台の2.6秒前方でSUZUKIが右腕を大きく掲げてトップチェッカー。うれしい初優勝を遂げた。

 ポディウムにやってきたSUZUKIはマシンの上に仁王立ちになると空に向かって雄たけびをあげて感情を爆発された。そしてバトルを演じたチームメイトの樺木とがっちり握手をすると、表彰式に向かった。

 これで今シーズンのもてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズは終了。残るは11月30日~12月1日に鈴鹿で行われるスーパーFJ日本一決定戦だけだ。

落合蓮音と酒井翔太のチームメートバトル

中盤の4位争い

優勝は鈴木悠太(ZAP SPEED KK-S2)

決勝2位は樺木大河(ZAP SPEED 10V ED)

決勝3位は酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

決勝4位は小田優(Drago CORSE TAKE)

決勝5位は中村ブンスーム(ファーストガレージ10V)

決勝6位は豊島里空斗(C.S.I Racing)

表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE


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