今シーズン初となる合同公式テストが3月6、7日の両日、鈴鹿サーキットで行われた。今年はシーズン前のテストは今回のみ。例年行われる富士でのテストはなく、このまま開幕戦に突入する。
テスト日程前、週末に行われた鈴鹿ファン感謝デーの走行から、各チームは本気モード。レギュラードライバーから、ともにスーパーGTのテストでアクシデントに見舞われた2人、3号車山下健太は笹原右京にに、6号車太田格之進は大津弘樹に変更となっている。
ファン感謝デーの走行で、ニューカマー、リアム・ローソンが最速タイム1分36秒721をマークし、SF19に遜色ない速さを見せているSF23。ドライバーも、大きな変化はない、とコメントしている。
■セッション1(6日/11:00-13:18)
開始50分を過ぎて、笹原右京(REALIZE Corporation KONDO SF23)が逆バンクでコースアウト。タイヤバリアに接触し、車両回収のために走行は中断。大きなダメージはないようだ。
このセッションでトップタイムをマークしたのは、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF23)で1分37秒030。以下、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S SF23)、大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF23)、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と続いた。
■セッション2(6日/15:15-17:15)
アクシデントもなく、各車順調に周回を重ねたが、セッション1で4番手につけた松下は駆動系にトラブルを抱え長い間ピットに張り付いたままになっていた。
このセッションは、ディフェンディングチャンピオン野尻が1分35秒955と、今年の野尻も速いことを印象づけた。山本も1分36秒027で2番手につけ、ベテラン健在ぶりをアピールした。3位には佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING SF23)が付けている。
■セッション3(7日/9:45-11:45)
連日の好天に恵まれたなか、各車精力的に周回を重ねるが、意外にもタイムは伸びず。序盤に大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)がマークした1分36秒817は最後まで更新されなかった。
佐藤が残り15分にターン7(旧ダンロップコーナー)で飛び出してクラッシュしてしまった。ほとんどのドライバーは最後のアタックでベストタイムを叩き出し、2番手以下は、山本、国本雄資(Kids com KCMG Cayman SF23)、坪井翔(P. MU/CERUMO・INGING SF23)、佐藤、野尻となった。ここまでは山本が安定して速さを見せている。
■セッション4(7日/15:00-17:00)
セッション3でクラッシュした佐藤は出走せず。各車決勝を想定したセッティングを進めて順調に周回を重ねていたが、残り45分となったところで、1日目の笹原と同じような形で、チャンピオン野尻が逆バンクでクラッシュ。赤旗が提示され、走行は中断。
合同テスト最後のアタックを制したのは小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)。1分36秒183と2番手の大湯都史樹(TGM Grand Prix SF23)をコンマ4秒近く引き離した。3位には平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が入った。
総合では、最終セッションでクラッシュした野尻が初日午後にマークした1分35秒955でトップタイム。2位には山本、3位には佐藤、4位には小林、5位には平川、6位には大湯が続いた。
今シーズンから参戦する3人のルーキー外国人は、リアム・ローソン(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が10位、ラウル・ハイマン(BYOUBUGAURA B-MAX SF23)が21位、ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix SF23)は最下位の22位という結果となった。
開幕大会は、富士スピードウェイを舞台に、第1戦が4月8日、第2戦が9日に行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI