全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)は7日、8日の2日間、鈴鹿サーキットで合同テスト・ルーキーテストを行った。2日間、4セッションが行われ総合トップタイムは佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)が記録した。
合同テスト・ルーキーテスト(以下、テスト)は、7日、8日とも午前、午後2時間、合計4セッション・8時間で行われた。今シーズン参戦したドライバーが17人、ルーキードライバーが3人、外国人ドライバーが4人の計24人だ。
7日午前の最初のセッションは、路面温度が10度を下回ったためか、コースアウト、スピンするマシンが続出。4回の赤旗が提示され、終了前にクラッシュした佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)の5回目の赤旗をもって終了となった。トップタイムを記録したのはその佐藤。2位に平川亮(TEAM IMPUL)、3位に大嶋和也(ROOKIE Racing)が入った。
午後のセッションは今シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)のチャンピオン・小高一斗(KONDO RACING)のコースアウト、赤旗で始まった。中盤には佐藤が午前に続きクラッシュしたため2度目の赤旗が提示された。このセッションでは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)がトップタイム、2位に山下健太(KONDO RACING)、3位に平川亮(TEAM IMPUL)が付けた。
翌8日午前のセッションは、開始早々にラウル・ハイマン(B-MAX RACING TEAM)がストップしたため赤旗が提示される。その後は順調にスケジュールを消化し、終了間際にはタイムアタック合戦となった。トップタイムを記録したのは宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)で、2位に山本が、3位に山下が付けた。
このテスト最後、午後のセッションは序盤、この日からマシンを互いに乗り換えた、佐藤、山本とナカジマレーシングの1-2で始まる。終盤にはやはりアタック合戦となり、ここでも佐藤がトップタイムを記録。2位に宮田が、3位に山本とこのテスト好調の2人が続いた。
4セッション総合でのトップタイムは最後のセッションに記録した1分35秒332で佐藤。今シーズンがルーキーイヤーだった佐藤は、最終戦第10戦で3位に入りルーキーオブザイヤーも獲得した。初日に2回のクラッシュを喫するも、65号車、交換した64号車と2台のマシンでともにセッションでのトップタイムを記録した。恐らく移籍すると思われるナカジマで、来シーズンのさらなる飛躍に期待した。
総合2位に入ったのは佐藤に0秒018差で宮田。トヨタエンジンユーザーで1人気を吐いた。宮田はSFLのテストにもベンチマークとして参加しており忙しい3日間となった。
総合3位は山本でベテラン健在を見せつけた。ナカジマレーシングも1位と3位に入り、テストで好感触を得たようだ。
総合4位に入ったのはルーキーの太田。初日に2度コースアウトするなど、不安な滑り出しとなったが、対応力の高さで2日目にはきっちりとまとめてきた。今シーズンからSFLに参戦を果たした太田は、小高と最終大会までチャンピオンを争った。1年でSFLを卒業してSFにステップアップとなれば大抜擢だが、果たして……。
太田の後ろ総合5位から同14位まではレギュラードライバーが入った。ようやく総合15位に顔を出したのは野中誠太(KCMG)だ。野中は来シーズンのSFL参戦が確定しており、SFLテストでは3セッションともトップタイムを記録、SFは文字通りテストでの参加となった。
総合18位には笹原右京(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が入った。今シーズンSFで2勝を飾ったものの、ホンダ陣営からは離脱する模様だ。トムスの評価も高いようで、移籍の可能性は高そうだ。
このテストには4人の外国人ドライバーが参加した。最上位の総合19位に入ったのはリアム・ローソン(TEAM MUGEN)。レッドブルがSFに送り込んできた刺客だ。レッドブルF1のリザーブドライバーを務めるなど、将来性を買われている。来シーズンは2年連続チャンピオン・野尻智紀のチームメートとしての参戦が濃厚だ。
総合21位はイゴール・フラガ(TEAM IMPUL)。バーチャルのグランツーリスモのチャンピオンで、ブラジルF3とトヨタ・レーシング・シリーズのリアルレーシングでもチャンピオンを獲得している。SFLのテストにも参加しており、参戦するとなればSFLだろう。
総合21位はトルコ人ドライバーのジェム・ボリュクバシ(TEAM TBD)。参加はテスト直前に決まったという。来シーズンの参戦は不透明だ。
総合23位はラウル・ハイマン(B-MAX RACING TEAM)。こちらはフォーミュラ・リージョナル・アメリカ(FRA)チャンピオンでスカラシップを勝ち取ってのテスト参加となった。順調なら、松下信治(B-MAX RACING TEAM)のチームメートして参戦がかないそうだ。来シーズンのSFは、富士スピードウェイで開幕。4月8日、9日に第1戦、第2戦の決勝が行われる。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum