HIX FORMULA

HIX:第1戦筑波決勝 記念すべき初レースはベテラン対若手の接戦に

記念すべき開幕戦のスタートが切られた

 新シリーズ「HIX-Formula」の初の決勝レースが8月1日の「筑波チャンレンジクラブマンレース第3ラウンド」で開催され、1クラスは16号車・石川賢志(HMRハンマーR☆ハヤテ)、2クラスは22号車・高橋響太(ハンマーレーシング)がそれぞれ優勝を飾った。

 JAF-F4車両やフォーミュラ・ルノーなど様々な車両と、現役JAF-F4ドライバーから初レース組まで10名のエントラントが集まり、「スタンディングスタートから8周+SCラン後にローリングで再スタート後8周でフィニッシュして順位確定」というレースに挑んだ。

(規則概要やハンマー伊澤氏インタビューは https://www.fmotor.jp/2021-new-formula-series-hix-formula-is-launched

 11時50分の決勝スタート時点で気温は32度、路面温度も50度近い厳しいコンデションとなった中、10台がグリッドに着いた。

 後方でやや出遅れたマシンがあったものの全車クリーンスタート。ポールポジションから出た55号車・河野靖喜(CMS★RN2000)がトップで第1コーナーに進入する。その後方では9号車・KAMIKAZE(IPS/S-WINDS&花鳥)の蹴り出しが良く高橋を出し抜き2番手に浮上する。しかし後半セクションで高橋が2位の座を奪い返し、トップ河野靖喜、1.019秒差て高橋、以下KAMIKAZE、石川の順でオープニングラップを終えた。

 スタートから2位以下を突き放しにかかると見えた河野靖喜だが高橋が食い下がり、2周目0.817秒差、3周目0.597秒差、4周目0.406秒差とギャップを削り取り、5周目のコントロールライン上では0.282秒差とテール・ツー・ノーズ状態に持ち込みプレッシャーをかける。3位KAMIKAZEはこの2台から離され4秒以上後方で単独走行している。

 ここから河野靖喜と高橋の2台が57秒台のタイムで付かず離れずの神経戦となるが、現役JAF-F4ドライバーの河野靖喜がスキを見せずにトップを守り続けた状態で8周目を終えたところでセーフティカー投入が通知される。

 最後尾のマシンがピットロード出口前を通過した所でセーフティカー(SC)がコースイン、トップの頭を押さえた状態で2周に渡りSCランを行い隊列を整えさせると、10周目にSCアウトが宣言され、11周目のコントロールラインからレースが再開、このSCランによってバラけていた隊列が再度接近する事になり、トップ河野靖喜と高橋が0.416秒差、8周目に5秒近く離されていたKAMIKAZEが高橋に0.677秒差、その後方石川が0.691秒差とそれぞれ接近した状態でリスタート。

 レース再開後も高橋の猛攻は続き、左右にマシンを振って河野靖喜にプレッシャーをかけ続ける。14周目には第1コーナーの出口で並びかけるが、抜き去るには至らず、最終コーナーからの立ち上がりでもテールに張り付いた状態でそのまま0.197秒差でコントロールラインを通過、しかし今度の第1コーナーでは河野靖喜が絶妙なライン取りで高橋の攻撃を封じる。3位KAMIKAZEは2.3秒差で続き4位石川はそこから1.5秒差を保持している。

 結局高橋の猛攻を河野靖喜がベテランらしく応戦して0.388秒差にしのぎきり、トップでチェッカーフラッグを受けた。しかしながらJAF-F4表彰台経験者の河野靖喜はこのレース賞典外の為、2番手フィニッシュの高橋がHパターンの2クラスの優勝。3番手フィニッシュのKAMIKAZEも賞典外の為、4番手フィニッシュの石川が1クラスの優勝、というリザルトになった。

 5番手以下のグループではSCラン明け時点でグループの先頭に居た80号車・鳥羽昇一(アトリエSW006)がミッショントラブルで後退、15周目にピットイン。替わって6号車・酒井貞幸(ISP/S-WINDS.108)が5番手に立ちこれが1クラスの2位。以下賞典外の86号車・川原悠生(ファーストガレージ&Sウインズ)、1クラス3位の0号車・河野裕一(エクシズ冗談知らんぷりWXR2)、2クラス2位の富澤もぐら(松伏光運転代行ハンマーR★FW)、2クラス3位の5号車・稲野辺浩(ハンマーレーシング)という順でフィニッシュした。

レースは途中セーフティーかが導入されリセットされる 河野靖喜(手前)と高橋響太(奥)のトップ争い トップでゴールした河野靖喜(CMS★RN2000) 総合優勝の高橋響太(ハンマーレーシング) 総合2位、シーケンシャルクラス優勝の石川賢志(HMRハンマーR☆ハヤテ) 総合3位の酒井貞幸(ISP/S-WINDS.108)

■レース後のコメント

1クラス優勝 16号車・石川賢志(HMRハンマーR☆ハヤテ)
シーケンシャルクラス優勝の石川賢志(HMRハンマーR☆ハヤテ)  「懸念していたスタートもうまく出来て、何も問題なく走れたという感じで内容はよかった。来月のJAF-F4参戦に向けてはいいスタートが切れた」
2クラス優勝 22号車・高橋響太(ハンマーレーシング)
総合優勝の高橋響太(ハンマーレーシング)  「(前をずっと追い回していたが?)何回かチャンスができそうだったが追い越すには至らなかった。バックストレートで並びかけて前に出られそうだったが、ちょうど黄旗が出ていてダメだった。そこか一番のチャンスだったが、それ以降は同じ場所で接近しては離されるの繰り返しになってしまった。そこを冷静に対処できれば前に行けたかもしれないが、自分としては頑張れた。(途中でSC入って再スタートというのはどうだった?)後ろが離れていれば嫌な状況だけど、いい意味で緊張感があって面白かった。後ろがKAMIKAZEさんだったし(笑)」
総合トップフィニッシュ(賞典外) 55号車・河野靖喜(CMS★RN2000)
トップでゴールした河野靖喜(CMS★RN2000)  「(後ろと)タイム差があまりないのは分かっていたので、押さえるべき所を押さえていれば抜かれないと思い、このまま抑えきれればいいなと思っていた。(追い詰められなかったと高橋選手は言ってたが?)自分も引き離すことはできなかったが、抑える事はできた。筑波は抜きずらい事も頭にはあった。(途中でSC入って再スタートというのはどうだった?)ちょっと混乱したのか、8周目終了時に出ると聞いていたチェッカーフラッグが出なかったようだが、SCボードは見えた。かなりゆっくり走っいたが後ろの隊列が中々揃わなかったので、これはもう一周SCランだな、と思っていた。経験者の4台とその後ろという感じで差がついてしまったが、後方の選手たちがレースに慣れて、JAF-F4に上がって来てくれればいいと思う」

■レース後のハンマー伊澤氏コメント

 「レースが無事に終わってよかった。途中でSCランを入れて再スタートするのはレースを2度楽しめて狙い通りだった。あの手法は他のレースにはない面白さだったのではないかと思う。来年はできれば年間3戦程度を筑波で開催したい」

総合の表彰式 Hパターンクラスの表彰式

 無事レースイベントを終えたHIX-Formula。初のレースは現役JAF-F4選手たちが新人を引っ張るという期待された構図が随所で見られた。フォーミュラカーレースへの門戸を拡げるという目的に向けて、来年以降の展開が期待される。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA


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