スーパー耐久

S耐:第1戦鈴鹿 新導入されたフルコースイエローを巧みに活用。ドライバー力とチーム戦略を最大限に駆使して3位入賞を果たす! (Le Beausset)

ル・ボーセ モータースポーツはFIA-F4、スーパーFJと併せ挑む、ピレリスーパー耐久シリーズで、今シーズンも「DENSO Le Beausset RC350」でST-3クラスを戦う。その開幕戦が3月31日(土)、4月1日(日)に鈴鹿サーキット(三重県)で開催された。

 マシンやチーム体制に大きな変化はないものの、継続参戦の嵯峨宏紀と山下健太の新たなパートナーとして、FIA-F4を2年連続で制した実力派であり、高校を卒業したての若手ドライバーの宮田莉朋を加え、今シーズンに挑む。

 今回のレースは全クラス混走の5時間で争われ、ピットストップの義務づけは3回。また、アクシデント発生時に国内レースとして初めて、コース上の全てが追い抜き禁止となるフルコースイエロー(FCY)も実施されることとなり、セーフティカー(SC)ランでは禁じられている、その間のピットストップは可能とあって、FCYをどう活用すべきかが勝敗のカギを握る重要なポイントになった。

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予選 3月31日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ

 今シーズンからスーパー耐久はコントロールタイヤがピレリに改められ、オフシーズンのテストでは、従来のタイヤとの違いに対するセッティングの合わせ込み、そして新加入の宮田の習熟に重点が置かれていた。

 金曜日までの練習走行においては、コンスタントラップの磨き上げに注力されて、マシンは着実に仕上げられ、土曜日午前のフリー走行は、相次いだ赤旗中断によって、予定どおりの周回をこなすことはできなかったものの、最終チェックは完了されて、いよいよ予選を迎えることとなった。

 Aドライバーとして最初に予選に挑んだ嵯峨は、20分間のセッション折り返しからの、よりクリアラップが取りやすい状況からの走行開始とし、終了間際でのアタックで2分18秒913をマークして、まずは6番手につける。

 Bドライバーセッションに挑んだ山下は、嵯峨からのインフォーメイションを受け、セッション開始からコースイン、より果敢にコースを攻め立てていった結果、2分17秒311にまで短縮を果たして3番手につけ、合算タイムでは6番手となる。

 決勝レースは5時間の長丁場とあって、それまで重視されてきた安定感が大いに活かされるのは間違いない。Cドライバーセッションで宮田は、ユーズドタイヤを装着し燃料も多く積んだ、決勝を見越したマシンの状態を確かめることに専念。チームへのフィードバックを行い、決勝へと臨むこととなった。

 なお、前につけていた車両が予選中の違反行為でグリッド降格処分となり、決勝のグリッドは繰り上がり5番手からのスタートとなった。

決勝 4月1日(日)天候/晴れ コース状況/ドライ

 スタートを担当した山下は、オープニングラップのうちにひとつ順位を上げて4番手に、まずは上々の滑り出しを見せるも、レースそのものはシケインでのアクシデントにより、いきなりFCYが出される波乱の幕開けとなっていた。その後、山下は安定したラップを刻み続け、間もなく1時間半を経過しようという36周目に嵯峨と交代する。

 今回の決勝レースでは、SCランにまで至らぬ小さなアクシデントが続いたこともあり、頻繁にFCYボードが提示されるが、67周目には嵯峨から山下にチェンジする。FCYの都度、ドライバー交代を柔軟に行い、ロスを最小限にしたこともあって終盤には前車に迫るところまで追い上げ、81周目のヘアピン立ち上がりから前車の背後にピタリとつくと、次のスプーンカーブでインをついて3番手に浮上。87周目に再びFCYが出された周にも直ぐさまピットインすると、嵯峨が再び乗り込み1時間20分後のチェッカーを目指す。

 ゴール間際には、後続車と3番手を争う一進一退の攻防が続くも、嵯峨は自分の走りに集中して、背後につけることを許さず。トラブルに見舞われることなく5時間を走り抜いて、3位でフィニッシュ! ピットで見守っていた宮田も加えて表彰台に上がり、3人のドライバーたちは力強くシャンパンを振りまいた。

 次回のレースは4月28日(土)、29日(日)にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催される。

チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 練習走行の段階からライバルに差をつけられ、厳しいレースになることは覚悟していたが、長丁場のレースでもエンジニアの的確な判断とミスのないピットワークが機能して追い上げる展開に持ち込めた。そして何よりも、嵯峨と山下のラップタイムに助けられ価値ある表彰台を獲得できたことは、連日連夜のハードワークをこなしたチームスタッフ全員にとって大変喜ばしいことである。
Driver 嵯峨宏紀(koki Saga)COMMENT
 表彰台に上がれたのは嬉しいですが、正直いっぱいいっぱいでした。今週の僕らが持っているペースではベストなレースができました。次のレースまでにベースを作り直す必要があるのが分かりましたので、しっかりと準備して表彰台の頂点に常に近づけるようにしていきたいと思います。
Driver 山下健太(Kenta Yamashita)COMMENT
 クルマは今週末、速さという点ではずっと厳しい感じで、その状態から3位まで来られたのは、みんなノーミスだったこと、チーム力の高さゆえだと思います。これにもう少しクルマをうまく作れれば、チャンスはあると思うので、そこを目指して頑張ります。
Driver 宮田莉朋(Ritomo Miyata)COMMENT
 決勝は追い上げる形で3位になって、この3位というのはすごく大きいものだと思います。ただ、ライバルとは予想以上にタイム差がありましたから、次のSUGOまでにチームが対策を見つけてくれると思います。次のレースは僕も走ると思うので、足を引っ張らないように、優勝目指して頑張りたいと思います。
Le Beausset Motorsports


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