オムロン・レーシングチーム・プレスリリース 1991年10月2日 全日本F3000選手権 第9戦 “ミリオンカードカップ ROUND3 鈴鹿” オムロン・レーシングチーム 序盤健闘すれど無念のリタイヤ ~11周目,エンジントラブル~ 1991年全日本F3000選手権シリーズ第9戦「ミリオンカードカップレース ROUND3鈴鹿」が、三重県:鈴鹿サーキット(1周:5.86403 km)において、9月 28~29日に開催された。 現在ポイントランキング第9位につけるオムロン・レーシングチームのヤン・ラマー ス選手は、新たに組み上げた「オムロン・ダンロップF102」4号シャーシに万全の セッティングを施し、このレースに臨んだ。 28日(土)の公式予選ではB組で出走。1~2回を通した公式予選の結果はB組 第8位、グリッド順は15番手となり、決勝レースは、8列目外側からのスタートと なった。 29日の決勝レースは、定刻の14時、全車きれいにスタート。15位からスタート したヤン・ラマースは、ナイス・スタートを見せ、序盤、次々に先行車を抜き去る健闘 を見せたが、11周目、無念のエンジントラブルによりヘアピンコーナー立ち上がりで ストップ、残念ながらリタイヤとなってしまった。 ◎レースウィーク ◎9月28日(土) ○公式予選第1回B組(11:30~12:10) 台風一過できれいな晴天となり、気温は29度、路面温度は36度に上がっていた。 コースコンディションはドライではあったが、前夜の雨と大風のためほこりが多く、 特にA組は多少の影響を受けたかと思われた。 予選開始10分後、オムロン・レーシングチームのヤン・ラマースも、11時40分、勇躍スタート。1分48秒701をマークしてピットイン。マシンは好調で、ヤン・ ラマースのフィーリングも上々であった。タイムも予想より良く、午後は気温も上が ると予想されるため、チームではこのセッションで2セットを投入することを決定。 ヤン・ラマースは、2セット目の予選用タイヤを装着してコースイン。タイムアタッ クを開始したが、第1コーナーでアタックを中止。そのままピットへ戻り、第1回の 走行を中止してしまった。 ヤン・ラマース談: 「2セット目ではオーバーステアが出てしまったので、タイヤを温存するためにアタッ クを中止した。午後の予選に賭けたい。」 ○公式予選第2回B組(14:35~15:15) コースは、砂が飛ばされ午前の第1回よりも良いコンディションとなっていた。 ヤン・ラマースは1回目に使用したセット1タイヤで、セッティングの確認を兼ねて スタート。数周してピットイン。タイヤをセット2へ交換し、タイムアタックに飛び 出していったが、タイムアップはできなかった。結局、公式予選第1回のタイムで グリッドが決まり、B組の#3片山右京選手がポールポジションを獲得したため、B組 からポジションが与えられ、8列目、15番手からのスタートとなった。 岸本雅義チーフエンジニア: 「今回の予選は、午前,午後とに分けてQタイヤを使用したチームはタイムを上げて いますが、うちのように、午前中に2セットとも使ってしまったチームはタイムアップ できませんでした。 ヤンは午後になってもオーバーステアだといっているようですが、たぶんに心理的 なものでしょう。マシンは、オーバーステア対策としてウィングを前後とも1スロット 上げ、リアサスペンションを柔らかくするなど、ヤンのリクエスト 通りにセッティン グしましたが、あまり効果はなかったようですね。」 ◎9月29日(日) ○決勝レース 14:00→35Lap 8列目、15位のスタート位置からナイス・スタートを見せたオムロン・レーシング チームのヤン・ラマースは、1ラップ目のグランドスタンド前に戻ってきたときには、 10位のポジションへジャンプアップしていた。 早朝のウォームアップ・ランでも、5番手のタイムをマークし、決勝レースでのス ピードが期待されたヤン・ラマースは、その後も猛追撃を見せたが、11周目、ヘア ピン・コーナーを立ち上がった地点で、突然油圧が下がりエンジンが止まり、痛恨の リタイヤとなってしまった。 優勝は、予選2位フロントローからスタートした#25ロス・チーバーで今期2勝目、 2位はランキング・トップを行く#3片山右京選手、3位は#9T.ダニエルソン選手だっ た。 ◎レース後,岸本雅義チーフエンジニア: 「今回は、4号車と呼んでいるニューシャーシを用意しました。このシャーシは、構造 的には2,3号車と同じですが、モノコックの組立を全て童夢で行い、アッセンブリ ー化しました。そういった意味では、ポイント,ポイントを細かくバランスをとった 仕上げに組み立てられていると思います。 さらに今回はエア・ショックを採用しています。これはドライバーの好みで、ギャッ プ通過時のフィーリングが良いようです。 今後の改良点としては、シャーシ剛性を 下げる方向にもってゆくつもりです。シャーシ剛性が高すぎて予選用のハイグリップ タイヤを生かしきれない点があるようです。 このあたりはドライバーは、気が付かない部分ですが、コーナリング時のタイヤ への抵抗がローラ等に比べると大きいようです。具体的には、エンジンハンガーで 調整してよいところを見つけ出そうと思います。 ヤンに望むことは、もっとタイヤを信じてコーナーに入って行き、アタック途中 で中止しないことです。決勝は速く走れるんですから、予選順位さえ上げられれば ね。」 ◎レース後,ヤン・ラマース: 「ウォームアップ・ランのタイムも良かったし、決勝レースでは自信があった。スター トもうまくいったし、オープニングラップで10位にまでジャンプアップできた。 その後11周目までは快調だったが、11周目のデグナー・カーブで#4ジェフ・リー スに抜かれたときに、一瞬コンセントレーションを失ったようで、シフトミスを犯し てしまった。そして、ヘアピンを抜けたところで、油圧が急に落ちエンジンが止まっ てしまった。 我々が勝つためには、まだまだやることがたくさんある。レースタイヤでのマシン バランスは良いが、Qタイヤでのバランスに問題があるようだ。」 提供:オムロン・レーシングチーム広報デスク (担当:永田 TBE00015)