全日本F3000

F3000:プロミス&レイナードRT

1992年8月3日
      -1992年全日本F3000選手権シリーズ第6戦-
辛抱のレースを3位で終える
プロミス&レイナード・レーシングチームのスタッフおよび、ドライバーのロス・チ
ーバーは、不本意な結果に終わった前回のレースから気持ちを切り替えてスポーツラ
ンドSUGOへ入った。昨年のこのレースでチーバーはポール・トゥ・ウインを飾っ
ており、今季2勝目ヘ向けチームの士気もおおいに高まった。
[8月1日:予選]前日までの好天から一転して、曇り空に覆われたスポーツランド
SUGO上空。気温も昨日に比べ10℃近くも低い状況となった。また、天候も不安
定であり、午後には雨が降るかもしれないという懸念があったため、ほとんどのチー
ムが午前中の予選で予選用タイヤ2セットを使いきった。25番ロス・チーバーは、
予選開始まもなく、まず1セット目の予選用タイヤでタイムアタックを行ったが、オ
ーバーステアが出て納得のいくタイムを出せずに終わった。チームは、さっそくオー
バーステア解消のためセッティングの見直しを開始した。エンジニアの指示に従い、
メカニックがスタビライザーの調整、スプリングの交換、ウイングの調整などポイン
トとなる箇所の修正を行い、その後チーバーは操縦性を確認するため一度コースへ出
る。そして予選時間の終了間際、2セット目の予選用タイヤで1分8秒466のコー
スレコード(従来のタイムは1分9秒658)を叩き出し、暫定ポールを獲得する。
このタイムは午後の予選でも破られることなく、正式にポールポジションが決まる。
「素晴らしいチームワークの成果だ」と、チーバーは笑顔でスタッフに感謝した。
[8月2日:決勝]朝のうちは曇り空だったスポーツランドSUGOの上空も、決勝
レースのスタート時刻が迫る頃には晴れ間がのぞくようになった。路面温度は32℃
まで上昇し、54周の周回数を考慮してミディアム・コンパウンドのレースタイヤを
選択して決勝に臨んだ。ポールポジションからスタートの25番ロス・チーバーは、
ダッシュ良くトップで1コーナーを回りレースをリードする。ところが2周目のバッ
クストレッチ手前、ハイポイントコーナーで、後ろにつけたバイドラー選手がチーバ
ーをかわしてトップに立った。他の選手がミディアム・ソフトのタイヤを選択したの
に対してワンランク硬めのタイヤを履くチーバーのマシンは、序盤ペースが上がりに
くかったが、10周を過ぎたころからペースアップし、バイドラー選手との間隔を詰
めはじめた。だが、チーバーのペースアップを知ったバイドラー選手は巧みに間合い
を計る走りを見せる。また、レース終盤に入ってハンドリングに苦しみだしたチーバ
ーの後方から鈴木利男選手が迫り、馬の背コーナーでチーバーをかわして行ったので
あった。さらにローランド・ラッツェンバーガー選手が追い上げてきたが、チーバー
は3位を死守し、ゴールのチェッカーを受けたのである。
ド  ラ  イ  バ  ー  &  チ  ー  ム  監  督  コ  メ  ン  ト
●ドライバー/ロス・チーバー(Ross Cheever)ストレートのスピードは速かった
けれど、今日の決勝レースでのハンドリングはなかなか難しい状況だった。とくにガ
ソリンが満タン状態と減ってからとではかなり操縦性に違いが出てしまった。他のド
ライバーだったらとても3位には入れなかっただろうね。とてもハードに仕事をした
わりには3位で終わってしまったけど、次のレースでまた頑張るよ。
●チーム監督/本間勝久(Katsuhisa  Honma)金曜日の練習中に新しいセッティン
グをトライしたのがうまくゆかず、それでセッティングが後手後手になってしまいま
した。レース後半ではかなりオーバーステアが出ていたようです。残り3戦、富士で
のレースはレイナード向きだと思いますが、ローラも速くなってきていますし、安心
はしていられません。今回3位でシリーズポイントを4ポイント稼ぐことができ、ラ
ンキング2位に順位を上げることができました。これから先の後半戦もチャンピオン
獲得を目指して頑張りますので、応援してください。
レースデータ
●開催日/8月1日(予選)~2日(決勝)
●開催地/スポーツランドSUGO(宮城県):1周3.704KM
●主催者/ビクトリーサークルクラブ(VICIC)、奥州ビクトリーサークルクラ
ブ(奥州VICIC)、SUGOスポーツクラブ(SSC)、東日本放送(KHB)
●観客数/予選日:6,000人  決勝日:45,000人
●天  候/予選日:曇り、22℃  決勝日:曇り時々晴れ、25℃
[シリーズポイントランキング]
1位:フォルカー・ヴァイドラー          26点
2位:ロス・チーバー                    19点
3位:マウロ・マルティニ                18点
4位:エディ・アーヴァイン              12点
マルコ・アピチェラ                12点
6位:パウロ・カルカッシ                11点
7位:服部尚貴                          10点
8位:アンドリュー・ギルバート・スコット  7点
ローランド・ラッツェンバーガー      7点
10位:トーマス・ダニエルソン              6点
星野一義                            6点
鈴木利男                            6点
13位:ミカ・サロ                          3点
:和田 久                            2点
黒沢琢弥                            2点
小河 等                            2点
17位:リカルド・ライデル                  1点
提供/プロミス株式会社 営業企画部


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