7月20~21日、2013スーパー耐久シリーズ第3戦「もてぎスーパー耐久」が栃木県ツインリンクもてぎで開催されました。#333 オートバックス.GLORY-R.FN2は予選ST4クラス4位、決勝ST4クラス10位となりました。
■レース概要■
- 大会名 スーパー耐久シリーズ第3戦 スーパー耐久もてぎ
- 日時 2013年 7月 20日(土),21日(日)
- 場所 ツインリンクもてぎロードコース(栃木県)
- 入場者数 7月20日(土)5000人/7月21日(日)6000人
■レース結果概要■
- 車名 333号車 オートバックス.GLORY-R.FN2
- ドライバー A:北川剛 B:野間一 C:藤田弘幸 D:下山和寿
- 予選 ST4クラス4位(14台中)
- 決勝 ST4クラス10位(14台中)
■レースに向けて■
第3戦の舞台となるのは栃木県にあるツインリンクもてぎロードコースです。このサーキットはシリーズで最もブレーキや駆動系に負担の大きいサーキットとしても知られています。さらに真夏の5時間という長丁場でありマシンとドライバーの耐久性や信頼性が試される過酷な耐久レースが予想されていました。
今回はいつもより長い5時間レースであることからDドライバーの登録が認められており、ARTA with TEAM A-ONEは下山和寿選手を起用することとしました。下山選手は昨シーズン73号車A-ONEインテグラのドライバーを務めており、2010年S耐富士では北川選手、藤田選手とともにA-ONEインテグラでST4クラス2位表彰台を獲得しておりチームとの意思疎通も万全です。
また、今回のレースに向けて7月9日(火)10日(水)にはツインリンクもてぎでブレーキ開発テストを実施し、「mountain」西岡可鍛工業様のご協力で大きな進化が得られました。
■7月20日 ウォームアップ走行・ピットウォーク■
予選の行われる土曜日は1時間のウォームアップ走行から始まりました。#333オートバックス.GLORY-R.FN2は北川選手がコースインし数ラップの確認走行を行った後、下山選手がマシンとコースになれることを中心に周回を重ねました。
- P1 #93 SKR ENGINEERING S2000 浜野彰彦/伊橋勲/鈴木優/中村嘉宏
- P2 #58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5 小林康一/関豊/ピストン西澤
- P3 #41 TRACY SPORTS ings S2000 植松忠雄/筒井克彦/井入宏之
- P11 #333 オートバックス.GLORY-R.FN2北川剛/野間一/藤田弘幸/下山和寿
予選を前にピットウォークとキッズウォークが行われ多くのファンがピットを訪れました。ARTA wit TEAM A-ONEは「mountainレーシングブレーキディスク」、「KWサスペンション」、「エンドレスブレーキパッド」、「Q STARZ LT-Q6000 GPS Lap Timer」のPRを実施し多くのファンの注目を集めました。
■7月20日 予選■
7月20日(土)13:55から15分間のAドライバー予選2グループがスタート。#333オートバックスFN2は北川選手がアタック。2周目に#41 TRACY S2000の後方でアタックを開始しますが、前車が5コーナーでコースオフした影響でアタックを中止。3周目に#58 KRPインテグラ、#93 SKR S2000の後方で再度アタックし2’11.943を記録し4番手につけました。クラストップは2'10.660を記録した#95 リジカラS2000 松井選手となりました。
- P1 #95 リジカラ S2000 松井猛敏
- P2 #41 TRACY SPORTS ings S2000 植松忠雄
- P3 #58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5 小林康一
- P4 #333 オートバックス.GLORY-R.FN2 北川剛
続いて14:40からBドライバー予選2グループがスタート。野間選手は#48 DIJONインテグラ 太田選手の後方でアタックを開始。2周目には2’11.532を記録し4番手につけました。クラストップは2’10.372を記録した#95 リジカラS2000 中島選手となりました。
- P1 #95 リジカラ S2000 中島保典
- P2 #58 ウィンマックスTEINワコーズKRP☆DC5 関豊
- P3 #48 DIJON IS WAKO’S ED DC5 太田侑弥
- P4 #333 オートバックス.GLORY-R.FN2 野間一
■7月21日 ウォームアップ走行・ピットウォーク■
7月21日(日)は8:00から30分間のフリー走行が行われました。#333オートバックス.GLORY-R.FN2は下山選手が走行しマシンとコースの習熟を重ねながら2’14.483を記録し5番手につけました。
- P1 #86 GAZOO Racing TOYOTA 86 影山正彦/蒲生尚弥
- P2 #48 DIJON IS WAKO’S ED DC5 鶴田和弥/太田侑弥/井上恵一
- P3 #41 TRACY SPORTS ings S2000 植松忠雄/筒井克彦/井入宏之
- P5 #333 オートバックス.GLORY-R.FN2北川剛/野間一/藤田弘幸/下山和寿
10:35からのピットウォークは、夏休み最初の休日ということもあり多くのファンがピットを訪れました。ARTA wit TEAM A-ONEは、「mountainレーシングブレーキディスク」、「KWサスペンション」、「エンドレスブレーキパッド」、「Q STARZ LT-Q6000 GPS Lap Timer」のPRを実施するとともに、キャンギャルオンステージでは3名のレースクィーンが各社の商品のPRを行いました。
■7月21日 決勝レース■
今回のレースはいつもより長い5時間という長丁場の決勝レースとなります。これに伴い義務ピットストップ回数も通常の2回から3回となっています。また今回からレギュレーションが変更され、GT3,ST1/2/3クラスが1グループ、ST4/5クラスが2グループという形でローリング隊列を二つに分割し、より安全なスタートができるよう配慮され、さらにスタート前のローリングも2周以上となりました。
#333オートバックスFN2は北川選手がスタートを担当します。1周目は5番手#93 SKR S2000が好スタートを決めて前に行かれて5番手となります。2周目には8番手スタートから追い上げてきたチームメイトの#73 mountain DC5が後ろに迫ってきます。#333オートバックスFN2はタイヤの摩耗に不安を抱えていたため、無駄にバトルをすることを避けて#73 mountain DC5を前に出して6番手となります。そして4周目の5コーナーでGT3クラスとST4クラスの接触がありGT3クラスがコース上にストップしてしまい、5周目からセーフティーカー(SC)が導入されます。
このSC導入時に#41 TRACY S2000、#13 ENDLESS 86、#18 浅野レーシング86などがピットインしドライバー交代を済ませます。ここで義務ピットインを消化したか否かがのちのレース展開を大きく分ける一つの要素となりました。
2周にわたって導入されたSCが解除され、レースがリスタートします。ここから北川選手はタイヤをかばいながらのロングドライブを強いられます。スタートから1時間10分を経過したころからフロントタイヤから振動が出はじめてきたため、31周目にピットインして野間選手へとバトンを渡します。
もてぎインテグラレースのコースレコードを持ち、もてぎを得意とする野間選手はタイヤとマシンをケアしながらもハイペースで走行を続け、スタートから2時間30分経過後にはピットタイミングの都合もあり3番手まで順位を上げます。野間選手は暑い中もクールスーツなしで41周を走破して下山選手へ5番手でマシンを渡します。
久々にシビックRユーロを駆る下山選手もフリー走行での経験を活かして安定したペースを刻み26周を走り切り、ラストスティントを再び野間選手に託します。
野間選手はチェッカーまでの1時間15分を全力で追い上げるべく再びコースイン。2'13秒台のハイペースで序盤を走り、さらにペースアップかと思われた矢先、2コーナーでエンジンの回転が上がらないトラブルに襲われます。アクセルに対してエンジンが反応しなくなったためやむを得ず3コーナー付近のショートカットからピットロードに戻り、ピットボックスへ入ります。
トラブルの症状を聞いた監督とメカニックは、原因が電子スロットルであることを即座に判断。迅速な作業で交換し12分ほどのタイムロスで再びコースへとマシンを戻します。
すでに4周以上の遅れとなっており上位進出は望めませんが、あきらめることなく2'12秒台のベストラップを更新しながら追い上げます。同じST4クラスのマシンを次々とオーバーテイクするものの周回の遅れを戻すには至らず10位でチェッカーを受けました。その後、マシントラブルの際にやむを得ずショートカットを経由したため4周減算のペナルティを受けましたが、順位に変動はありませんでした。
■まとめ■
- チーム代表 大河原一裕
- 「今回のもてぎはシビックタイプRユーロ(FN2型)にとって最もハンデの少ないコースなのですが、コース特性と5時間耐久であることからブレーキがとても重要なコースとなります。そのためmountain様のご協力でブレーキローターの新規開発を行い、ENDLESS様もそれに合わせたブレーキパッドを製作してくださり、スピードと耐久性を大きく向上させることができました。実際、予選ではFN2としてはいままでで最上位となる4位を獲得し、決勝においてもブレーキの繊細なコントロール性と大きなストッピングパワーを最後までキープするという無類のタフネスを確認することができました。決勝では最終的に電子スロットルを制御するモーターが故障するという、極めてまれなトラブルに見舞われてしまいました。このトラブルは決勝全体のペースにも影響していた可能性がありとても残念です。第4戦富士は7時間とさらに過酷なレースとなります。FR勢に対してタイヤの面などでビハインドもありますが、さらにスピードと信頼性、レース戦略に磨きをかけてトップ争いをお見せしたいと思います。」
今回もご支援いただき大変ありがとうございました。次戦以降もご期待に応えられるようチーム一同全力を尽くします。これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。
ARTA with TEAM A-ONE S耐第3戦もてぎレポート