SUPER GT

SGT:HSV-010 GTのデビューレースで#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が3位表彰台 (HONDA)

 3月21日(日)、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットにおいて2010 オートバックス SUPER GT第1戦「SUZUKA GT 300km」の決勝が行われた。

 Hondaはニューマシン「HSV-010 GT」を開幕戦に投入し、昨日の予選にて#18 小暮卓史/ロイック・デュバル組(ウイダー HSV-010)が見事にポールポジションを獲得している。

 また、#100 伊沢拓也/山本尚貴組(RAYBRIG HSV-010)が7番手、#17 金石年弘/塚越広大組(KEIHIN HSV-010)が9番手、#32 道上龍/中山友貴組(EPSON HSV-010)が11番手、#8 ラルフ・ファーマン/井出有治組(ARTA HSV-010)が12番手の決勝グリッドからスタートを迎える。

 決勝日の21日(日)は、曇り空で強風が吹き荒れ、スタート直前には小雨が降り始める難しいコンディションとなった。14時4分にローリングスタートが切られ、ポールポジションスタートの#18 ウイダー HSV-010を駆る小暮選手は、確実なスタートでトップを守った。しかし、濡れた路面の影響により、オープニングラップの130Rコーナーでオーバーランを喫して9位まで後退してしまう。コースの場所によっては一時的に大粒の雨が降ったため、多くのマシンは激しいスライドやコースアウトを喫しながら大きく順位を入れ替える展開となった。

 3周終了時には、#32 EPSON HSV-010の道上選手が7位、#8 ARTA HSV-010のR.ファーマン選手が10位、#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手が11位、#18 ウイダー HSV-010の小暮選手はさらに12位に後退し、13位に#17 KEIHIN HSV-010の金石選手が続く。

 スタート直後に降り出した雨は序盤で止んだため、路面は完全にドライコンディションとなった。各マシンのバトルが激しさを増していく中、11周目のホームストレートで9位の道上選手と10位のR.ファーマン選手と11位の小暮選手3台が横並びのまま接触し、R.ファーマン選手の#8 ARTA HSV-010と小暮選手の#18 ウイダー HSV-010の2台が激しくクラッシュをして1コーナー手前で左側のウォールにヒットした。2台のマシンは大きなダメージを受けてリタイアとなったが、 2人のドライバーに大きなケガはなかった。また、道上選手の#32 EPSON HSV-010もクラッシュは免れたものの、車体にダメージを負ったためにピットでの修復作業を要することとなった。

 このアクシデントでセーフティカーが入り、16周目にレースは再開された。この時点で、再び小雨が降り始めている。17周目では、#17 KEIHIN HSV-010が7位、#100 RAYBRIG HSV-010が9位、#32 EPSON HSV-010が10位を走行する。

 レース中盤には雨が止み、再びドライコンディションとなった。25周終了時に#17 KEIHIN HSV-010がピットインを敢行して塚越選手に交代した。リアタイヤの2本のみを交換してピット作業を短縮した#17 KEIHIN HSV-010は、塚越選手の勢いのある走りで順位を上げていく。33周目終了時に#100 RAYBRIG HSV-010がドライバー交代を敢行。タイヤ交換をせずに山本選手がコースに戻り、3位まで順位を上げた。

gt100321005L.jpg  ほぼ全車がドライバー交代を終えた35周終了時では、#100 RAYBRIG HSV-010の山本選手が3位、#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手が5位、#32 EPSON HSV-010の中山選手が10位を走行する。その後、#32 EPSON HSV-010はセーフティカー出走中のピットイン違反により60秒のペナルティストップが科せられている。

 山本選手は、タイヤ無交換ながらも他車と同等のペースで走行を重ねる。塚越選手も、4位グループで3台の激しいバトルを繰り広げていく。

 レース終盤は天候が回復して、強い日差しが照りつけるコンディションとなった。残り7周となった時点で、3位の山本選手は48周目に2位の#6 ENEOS SC430と1秒192の差まで接近するが、最後まで抜くことはできずに3位で52周目のチェッカーフラッグを受けた。5位を走行していた塚越選手は、 50周目のシケインで4位の#38 ZENT CERUMO SC430と接触し、そのまま5位でゴールしたものの、27秒加算のペナルティを受けたために最終順位は7位となった。#32 EPSON HSV-010の中山選手は10位で完走を果たした。優勝は#24 HIS ADVAN KONDO GT-Rだった。

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー
 「HSV-010 GTのデビューウインを期待していただいた皆さんの声援に応えられず、非常に悔しく思っています。レース序盤に絶対にしてはいけないアクシデントで2台がリタイアしてしまったのが残念でなりません。思うようにならないのがレースですから仕方がないですね。そのような状況で100号車の伊沢選手、山本選手の若い2人が堅実に走ってくれて、3位表彰台を獲得できたことは大きな収穫です。伊沢選手がタイヤをうまく使ってくれたことで無交換作戦ができましたが、山本選手も難しいドライビングに対応し、GT500のデビュー戦ながら、よくがんばってくれたと思います。また17号車の塚越選手も、今後につながるいい走りをしてくれたと思います。次戦の岡山はテストで手応えを感じていますので、HSV-010 GTの初優勝を飾りたいと思います。次戦もご声援をお願いします」
伊沢拓也選手(3位、#100 RAYBRIG HSV-010)
 「Honda ファンの皆さんのためにデビューレースを優勝で飾りたかったのですが、荒れたレースの中で何とかしぶとく3位表彰台を獲得できたことはうれしく思います。優勝には一歩届かなかったので、マシンとドライバーの力をつけていきたいと思います。スタート直後はハードタイヤを選んでいたので、ドライビングが難しい状況でしたが、タイヤが温まってからはペースがとてもよくなりました。タイヤ無交換の作戦はレース中盤くらいで考えたので、ピット作業で順位を上げようと無理をせず安定したペースを保つことに集中しました。予選では18号車に負けましたし、決勝は3位表彰台に立ちましたがシリーズチャンピオンを目指しているので、もう一歩ステップを踏んでいきたいと思います。今回、いい流れで結果を残せたので次戦は優勝を目指してがんばります」
山本尚貴選手(3位、#100 RAYBRIG HSV-010)
 「楽しかったです。タイヤ交換をせずに走りましたが気にはなりませんでした。伊沢さんとチームスタッフが緻密な作戦を練ってくれたので、与えられた環境でベストを尽くすのが僕の仕事だと思っていましたので気合いで走りました。後ろに38号車が迫っているのは分かっていましたが、頭の中は目の前の6号車を抜くことでいっぱいでした。本当に集中してドライビングをすることができ、クルマも速かったので、優勝すること以外に喜べない気持ちはあったのですが、この3位はすごい価値があると思います。皆様のおかげです。これまでも、F3などで鈴鹿の表彰台に何度も立ったことはありましたが、多くの皆様の前で立ったこの景色は一生忘れられないですし、決して忘れてはならないと思います。次は優勝目指してがんばりたいと思います」
Text & Photo: HONDA


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