SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿 ROCKSTAR 童夢 NSX(道上龍/小暮卓史組)が4位 (HONDA)

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  • 2009年8月23日(日)決勝
  • 会場:鈴鹿サーキット(5.807km)
  • 天候:予選/曇り、決勝/曇りのち晴れ
  • 気温:29.5℃(15:00現在)
  • 路面温度:31℃(15:00現在)
  • 湿度:42%
  • 決勝レース:121周(702.647km)
  • 観客:3万4000人(主催者発表)

 8月23日(日)、三重県にある鈴鹿サーキットにおいて2009 オートバックス SUPER GT第6戦「第38回インターナショナル Pokka GT サマースペシャル」の決勝レースが開催された。

 1966年に始まった真夏のスポーツカーレースの祭典である本大会は、今シーズンより走行距離が1000kmから700kmとなった。それでも、SUPER GTシリーズにおいて最も長く、過酷なレースであり、シリーズタイトル争いを占う上で重要なラウンドとなっている。

 また、今大会は第3ドライバーの登録が可能なため、今大会をもって現役引退を発表した金石勝智選手が#17 REAL NSXより参戦している。

 8月22日(土)に開催された公式予選では、曇り空ながら気温31.6℃、湿度60%と厳しい暑さの中でノックダウン方式の戦いが繰り広げられ、#8 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)が5番手、#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR 童夢 NSX)が6番手、#32 ロイック・デュバル/中山友貴組(EPSON NSX)が8番手、#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)が9番手、#17 金石年弘/塚越広大/金石勝智組(KEIHIN NSX)が14番手から決勝スタートを迎えることとなった。

 23日(日)の決勝レースは、曇り空のもと午後3時に34台(GT500クラス14台)のマシンがローリングスタートを切った。

 レースは順位の大きな変動も無く始まったが、1周目からポツポツと雨が見受けられるなど、今後のコンディション変化に対して気の抜けない展開が予想された。

 5周を終えて、5位に#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手、6位に#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの道上選手、9位に#32 EPSON NSXのL.デュバル選手、10位に#100 RAYBRIG NSXの井出選手、14位に#17 KEIHIN NSXの金石年弘選手が続いている。

 この時点で、雨は気になるレベルではなく、路面状況に変化は全くない。10周目のS字コーナーで、L.デュバル選手がGT300クラスのマシンと接触してオーバーランを喫してしまう。すぐにコースに復帰するが、コースアウト時の影響によるオーバーヒートのエンジントラブルのため12周終了時にピットに戻り、無念のリタイアとなった。

 その他のNSX-GT勢は、最初のスティントを安定して走ることに徹し、21周終了時に#17 KEIHIN NSXの金石年弘選手がGT500クラスの先陣を切って1回目のピットインを敢行。リアタイヤの交換と燃料補給に31秒の作業時間を要して塚越選手がコースに復帰した。

 23周終了時に#100 RAYBRIG NSX、25周終了時に#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが1回目のピットインを敢行する。27周目、R.ファーマン選手が逆バンクからダンロップコーナーで前車のイン側を果敢に攻めて4位に浮上し、#8 ARTA NSXは33周終了時に1回目のピットインを敢行した。

 心配された天候はレースが進むにつれて回復し、青空が見えるほどになった。1回目のピットインで前後4本のタイヤを交換した#8 ARTA NSXは、暫定2位にまで浮上するものの、第2スティントを担当した伊沢選手が、41周目のシケインでオーバーランを喫する。この結果、ポジションを2つ落とし、さらに53周目に5位へ後退してR.ファーマン選手にバトンタッチした。

 54周終了時に、伊沢選手と塚越選手が2回目となるピットイン時のピットロードで接触したが、大きなダメージは無くコースに復帰した。

 56周終了時、9位を走行していた#100 RAYBRIG NSXが2回目のピットインを敢行。58周終了時に#18 ROCKSTAR 童夢 NSXもドライバー交代を行った。

 64周目、R.ファーマン選手が第3スティントを担当する#8 ARTA NSXは、再び順位をばん回して2位に浮上。#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが6位、#17 KEIHIN NSXが7位、#100 RAYBRIG NSXが9位を走行する。

 80周終了時点で、トップのマシンと2位を走行する#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手とのタイム差は10秒013に縮まった。しかし、85周目の1コーナーで#8 ARTA NSXの左リアタイヤがスローパンクチャーを起こしたためにコースアウトを喫し、スローダウン走行をしてピットに向かった。しかし、130Rで左リア部分が炎上したためにコース脇に止めてリタイアとなった。

 #8 ARTA NSXのアクシデントによりセーフティカーが導入された。このタイミングで多くのマシンが3回目のピットインを敢行し、再スタートが行われた91周の終了時点で、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXの小暮選手が5位、#100 RAYBRIG NSXの細川選手が9位、#17 KEIHIN NSXの金石年弘選手が10位を走行する。

 レース終盤となった95周目、日が暮れてきたためにライトオンの指示が下され、全車がヘッドライトを点灯しての走行となった。5位を走行する#18 ROCKSTAR 童夢 NSXは、最後のスティントを担当した小暮選手が前車と激しいテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げた結果、相手のペナルティによって109周目に4位へ浮上した。

 10位の#17 KEIHIN NSXは、118周終了時に4回目のピットインを敢行し、塚越選手からラストランとなる金石勝智選手にゴールまでの走行を託した。

 121周、4時間16分の長きにわたり繰り広げられた第6戦Pokka GTラウンドは、午後7時21分にチェッカーフラッグが振られ、#18 ROCKSTAR 童夢 NSXが4位、#100 RAYBRIG NSXが9位、#17 KEIHIN NSXが10位で入賞を果たした。優勝は、#35 KRAFT SC430だった。

 この結果、ドライバー部門のシリーズチャンピオン争いにおいて計40ポイントの#18 道上龍/小暮卓史組(ROCKSTAR 童夢 NSX)が5位。チーム部門は、TEAM YOSHIKI&童夢PROJECTが計56ポイントでランキング3位につけている。

コメント
白井裕(Hiroshi Shirai)|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「表彰台の頂点を目指してPokka GTに挑みましたが、非常に厳しい結果になりました。走行時間が少ない中でも、各チームはレースセッティングを見つけ出し、クルマの仕上がりは順調でした。特に8号車は十分勝てるチャンスがありましたが、ファーマン選手からスローパンクチャーの無線が入り、次の周回でピットに入る時にアクシデントが起きてしまいました。これもレースだと、難しさを改めて感じました。そのような状況でも18号車は粘り強く走りきって4位で完走してくれ、貴重なポイントを獲得してくれたと思います。次戦の富士では、ウエイトも軽くなり、十分勝てるポテンシャルがあると思っていますので、皆様のご声援をお願いします。最後になりましたが、今回のレースで選手としての現役を引退する金石勝智選手には、長い間お疲れ様でしたと、これからも後進の指導を含め、引き続きがんばってくださいと伝えたいと思います」
道上龍選手(4位 #18 ROCKSTAR 童夢 NSX)
 「今回はウエイトハンディが64kgもあり、総合力が試される鈴鹿サーキットでは苦戦を予想していました。でも、予選はノックダウン方式が有利に働いて6番手を確保できました。決勝では、やはり不利な部分を感じることが多かったですが、自分たちができることを発揮して完走をすることができ、さらに4位という好結果で貴重なポイントを獲得することができて本当によかったと思います。残り3戦も粘り強くがんばります。たくさんの応援ありがとうございました」
小暮卓史選手(4位 #18 ROCKSTAR 童夢 NSX)
 「今回のレースで、タイヤを4本交換することは、トータル的にタイヤの消耗バランスを考えて選択しました。それでも、1回目のスティントでは消耗が激しくてコントロールが難しかったです。その状況で、17号車(KEIHIN NSX)と38号車(ZENT CERMO SC430)と一緒にペースを上げながら上位に追いつくことができました。最後のスティントは、セーフティカーが出ているときに交代して、コース上は混乱していましたが落ち着いて走ることを心掛けました。終盤は(4位の)36号車を追い抜くチャンスがあると攻めて走っていましたが、突然(ペナルティで)いなくなったのでラッキーでしたね。僕たちのマシンは着実によくなっていますし、終盤戦も全力を尽くしていい結果を残したいと思います」
金石勝智選手(#17 KEIHIN NSX)
 「今日はラストランとして最後にチェッカーフラッグを受けるチャンスをいただき、チームスタッフのみんなに感謝したいです。2周を走ったのですが、私にとって鈴鹿はホームコースのようなもので、走り始めたころの思い出が次々によみがえり、とても感慨深い気持ちになりました。今まで皆様に応援していただきありがとうございました。これからは、チームオーナーとしてHondaファンを増やすべく努力をしていきたいと思います。また、フォーミュラ・ニッポンやF3を目指す若いドライバーを支援して、将来のレース界を担う人材を育成していきたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします」
Text & Photo: HONDA


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