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SGT:第4戦SUGO決勝 ウイダーHSV-010が7位入賞、GT300デビューのMUGEN CR-Z GTは16位完走 (HONDA)

  • 2012年7月29日(日)・決勝  会場:スポーツランドSUGO(3.704km)  天候:晴れ  気温:32℃(13:50時点) 路面温度:42℃(13:50時点)  コースコンディション:ドライ  観客:2万7500人

 7月29日(日)、宮城県仙台市郊外のスポーツランドSUGOにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。

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 猛暑に見舞われた昨日の予選では、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)がHonda勢のトップとなる8番グリッドを獲得。開幕戦に続く今シーズン2度目の表彰台を目指して決勝レースに挑むことになりました。また、現在ランキング2位の#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)は10番グリッドを手に入れ、ポイントリーダー奪還をかけてこの一戦に臨みます。そのほか、前戦マレーシアラウンドで優勝を飾った#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)は11番グリッド、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)は12番グリッド、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/小林崇志組)は15番グリッドから、シーズンの折り返しとなる第4戦SUGO大会に出走します。

 曇天になるとの天気予報とは裏腹に、決勝レースが開かれるこの日もスポーツランドSUGO周辺には強い日差しが照りつけ、午前9時には気温が30℃を超えました。その後も上空には青空が広がっていましたが、スタートまで1時間ほどとなった午後1時ごろ、ほんの数分だけ激しいにわか雨が降りました。ただし、この雨が上がると再び真夏の太陽が現れ、一度はウエットとなった路面を急速に乾かしていき、スタートが切られる午後2時には完全にドライコンディションとなりました。

 今回、スタートドライバーを務めるのは、#17 KEIHIN HSV-010は金石選手、#100 RAYBRIG HSV-010は伊沢選手、#18 ウイダー HSV-010はヴァン・ダム選手、#32 EPSON HSV-010は道上選手、#8 ARTA HSV-010は小林選手となります。

 午後2時、GT500クラスにエントリーする15台のマシンはセーフティカーに先導されてフォーメーションラップを開始。そして1周を走り終えたところでグリーンランプが点灯し、81周で競われる決勝レースが幕を開けました。

 スタート直後の1コーナーでは、ライバルチームの2台がアクシデントによりリタイアを喫します。さらに、金石選手はライバルの1台を攻略し、#17 KEIHIN HSV-010は5番手となってオープニングラップを終えました。また、伊沢選手が乗る#100 RAYBRIG HSV-010は8番手、ヴァン・ダム選手が乗る#18 ウイダー HSV-010は9番手、道上選手が乗る#32 EPSON HSV-010は10番手、小林選手が乗る#8 ARTA HSV-010は13番手と、5台のHSV-010 GTはそろって順位を上げて1周目を走りきりました。

 5人のHondaドライバーはさらに順位を上げようと懸命のドライビングを続けましたが、コーナーが連続するSUGOでGT300クラスの車両を次々と追い越すことは容易ではなく、これらバックマーカーの処理によって前走車に近づくときもあれば、逆に遠ざかることもあるといった具合で、一進一退を繰り返していました。そうした中、#17 KEIHIN HSV-010は一瞬の隙をつかれて2台のライバルに追い越され、6周目には7番手となります。11周目には#32 EPSON HSV-010も10番手から12番手へと後退しました。#32 EPSON HSV-010は15周目に#8 ARTA HSV-010に追い越され、#8 ARTA HSV-010は12番手、#32 EPSON HSV-010は13番手とポジションを入れ替えました。

 その後、大きな波乱もなくレースは中盤戦に突入し、ピットストップが始まりました。5台のHSV-010 GTの中で最初にピットストップを行ったのは#8 ARTA HSV-010。昨日はセッティングを仕上げられずに苦しんでいた#8 ARTA HSV-010は、この日のフリー走行までにトラブルの原因を究明。その対策を施して挑んだ決勝レースでは好ペースで周回を重ね、レース後半に向けての追い上げに期待がかかっていました。ところが、小林選手からステアリングを引き継いだファーマン選手は最終コーナーでコースアウトをしてクラッシュを喫したため、残念ながらリタイアに終わってしまいました。

 この後、#32 EPSON HSV-010は35周目、#100 RAYBRIG HSV-010は36周目、#17 KEIHIN HSV-010は37周目、#18 ウイダー HSV-010は38周目にピットストップを実施。タイヤ交換、給油、ドライバー交代を行いました。レース後半を受け持つのは、#17 KEIHIN HSV-010は塚越選手、#100 RAYBRIG HSV-010は山本選手、#18 ウイダー HSV-010は小暮選手、#32 EPSON HSV-010は中山選手です。また、ピットストップを終えた段階で、#17 KEIHIN HSV-010は7番手、#100 RAYBRIG HSV-010は8番手、#18 ウイダー HSV-010は9番手、#32 EPSON HSV-010は2つポジションを上げて11番手となりました。

 その後、#17 KEIHIN HSV-010は給油装置の不具合により、所定の量の燃料が給油されていないことが判明。45周目にもう一度、給油を行ったことで10番手に後退しました。

 50周目、小暮選手の懸命の追走により、#18 ウイダー HSV-010は#100 RAYBRIG HSV-010の0.3秒後方まで接近。その後、2台は20周近くにわたりバトルを繰り返しましたが、70周目に#18 ウイダー HSV-010が#100 RAYBRIG HSV-010を攻略し、#18 ウイダー HSV-010は7番手、#100 RAYBRIG HSV-010は8番手となりました。また、いったんは10番手に後退した塚越選手も50周目にはライバルの1台をオーバーテイクし、#17 KEIHIN HSV-010は9番手に浮上します。その後も53周目には今大会のベストラップをたたき出すなど、HSV-010 GTは戦いを続けますが、このままのポジションを保って81周のレースを走りきり、#18 ウイダー HSV-010は7位、#100 RAYBRIG HSV-010は8位、#17 KEIHIN HSV-010は9位、そして#32 EPSON HSV-010は11位で完走を果たしました。

 この結果、シリーズポイント争いはドライバー部門において、今大会で3点を獲得して合計38点となった#100 伊沢/山本組(RAYBRIG HSV-010)が3番手となったほか、#18 小暮/ヴァン・ダム組(ウイダー HSV-010)は計30点で5番手、#17 金石/塚越組(KEIHIN HSV-010)は計22点で8番手、#8 ファーマン/小林組(ARTA HSV-010)は計5点で14番手となっています。

 なお、優勝は#6 ENEOS SUSTINA SC430でした。

 一方、今回がデビュー戦となったGT300クラスの#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、前半を受け持った武藤選手が10番手となってオープニングラップを終えた後、2周目にライバルの1台を攻略して9番手に浮上。その後はコンスタントに周回を重ねるなかで次第に順位を上げていき、クラス2番手となった44周目にピット作業を行いました。ところが、左フロントタイヤの脱着に手間取り、エンジンの再始動にも時間を要したため、17番手となってコースに復帰します。しかし、中嶋選手は最後まであきらめずに力走。レース終盤になっても気温31℃、路面温度46℃という過酷な環境のなかで戦い、初戦ながら最終的に16番手まで追い上げて、完走を果たしました。

 次戦は8月18日(土)、19日(日)に鈴鹿サーキットで開催されます。2010年にARTA HSV-010が、2011年にはウイダー HSV-010が優勝している相性のいい大会で、HSV-010は3連覇を目指して戦います。

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
 「今回は、各車ともコーナー半ばでアンダーステアが発生する症状が発生したため、本来の実力を発揮することが難しい展開となってしまいました。#18 ウイダー HSV-010は、想定通りにもう少し前方のグリッドからスタートできていたならば、決勝でもより上位の成績が得られたと思います。#17 KEIHIN HSV-010は給油のトラブルで遅れたほか、#100 RAYBRIG HSV-010は重いハンディウエイトが足かせとなって、最終コーナーからの立ち上がりが伸び悩んでしまいました。いずれにせよ、今週末は歯車がかみ合わず、もどかしい思いをしました。次戦の第5戦鈴鹿大会までにマシンの状況を全面的に見直し、また新たな気持ちで戦いに挑みたいと思います。今後とも5台のHSV-010 GTに熱い声援をお願い申し上げます」
小暮卓史選手(7位 #18 ウイダー HSV-010)
 「マシンの状態は悪くありませんでしたが、GT300のマシンやライバルのマシンを抜くのに時間を要してしまうなど、なかなか自分たちの思うようなレースができませんでした。そこがスムーズにいけば、もう少し順位を上げられたので、残念です。次戦の鈴鹿ラウンドは昨年に優勝していますし、HSV-010が相性のいいコースですので、積極的に攻め続けて優勝を狙いたいと思います」
カルロ・ヴァン・ダム選手(7位 #18 ウイダー HSV-010)
 「とてもタフな週末になりました。予選ではタイムアタックでの失敗によりスーパーラップに進出できず、申し訳ないことをしてしまいました。決勝ではコンスタントに走っていくつか順位を上げましたが、パフォーマンスは十分とはいえず、苦しいレースでした。ただし、トラブルなく決勝を走りきれたことに加え、チームのスタッフが最大限の努力をしてくれた結果、4ポイントを手に入れられたことはよかったと思います。次戦が行われる鈴鹿サーキットはHSV-010 GTが得意なコースなので、よりよい成績を目指してがんばります」
Text & Photo: HONDA


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