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SGT:第2戦富士公式予選 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)がポールポジションを獲得 (HONDA)

  • 2012年5月3日(木)・予選 会場:富士スピードウェイ(4.563km) 天候:雨のち曇り 気温:18℃(15:00現在) 路面温度:21℃(15:00現在) コースコンディション:ウエット

 5月3日(木)、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」が開幕し、公式予選が行われました。

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 全長約1.5kmの長いメインストレートを持つ富士スピードウェイでは、ストレートスピードの伸びが勝負の行方を大きく左右します。一方、コースの後半部分には中低速コーナーの続くテクニカルセクションがあり、ラップタイムを削り取るにはこの部分をいかに速く駆け抜けるかが重要となります。つまり、ストレートスピードの伸びとコーナリングスピードの速さを高い次元でバランスさせることが、富士スピードウェイで好成績を収めるうえで極めて重要になります。そこでHondaは空気抵抗を最小限に抑えながら必要なダウンフォースを発生する専用の空力パッケージを用意し、今大会に臨みました。

 ゴールデンウイーク後半の初日にあたるこの日、東日本は広い範囲で強い雨が降るあいにくの空模様となりました。富士スピードウェイのある小山町にも朝から大雨警報が発令されましたが、幸いなことにサーキット周辺はさほど雨脚が強くならず、予定どおり午前9時に公式練習が始まりました。もっとも、コース上の水量は多く、これに足をすくわれる形でスピンが相次いだ結果、2時間にわたるセッションは計4回にわたり赤旗中断となりました。

 5台のHSV-010 GTは大きなトラブルやアクシデントに見舞われることなくこのセッションを走りきり、1分45秒935を記録して4番手につけた#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)がHonda勢のトップとなりました。そして#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)が9番手でこれに続き、以下、#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)が10番手、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/小林崇志組)が13番手、#32 EPSON HSV-010(道上 龍/中山友貴組)が14番手という結果になりました。

 午後に入ると雨脚は弱まり、これにともなってコース上の水量も減りましたが、雨が降り続ける状況に変わりはありませんでした。

 今回の公式予選は「スーパーラップ方式」で実施されました。これは、予選1回目の走行タイム上位10台が、予選2回目として行われる「スーパーラップ」に出場する権利が与えられるもので、スーパーラップでは各車が1台ずつタイムアタックを行い、決勝グリッドを決定します。なお、スーパーラップに進出できなかった車両は予選1回目の順位がそのまま決勝のスターティンググリッドとなります。

 午後1時15分に始まった予選1回目に5台のHSV-010 GTはそろって出走。このセッションでは、路面コンディションにぴったりあったタイヤをチョイスした#32 EPSON HSV-010が好調で、道上選手は1分44秒435をマークして3番手となり、スーパーラップ進出を決めました。また、#100 RAYBRIG HSV-010の山本選手は1分45秒046のタイムで7番手、#18 ウイダー HSV-010のヴァン・ダム選手は1分45秒339で10番手となり、こちらもそろってスーパーラップに進出できることとなりました。一方、#17 KEIHIN HSV-010の塚越選手は1分45秒413で11番手、#8 ARTA HSV-010のファーマン選手は1分46秒399で14番手となったため、残念ながら予選1回目を突破することはできず、この時点で決勝のスターティンググリッドが決定しました。

 午後3時2分に始まるスーパーラップには予選1回目の上位10台が出走する予定でしたが、ここで2番手につけたライバルがマシントラブルを理由に棄権したため、計9台がタイムアタックを行いました。この頃になると雨はほとんどやんでおり、路面は依然として濡れているもののコース上の水量は次第に減っていきます。スーパーラップの出走順は予選1回目の逆順となるため、予選1回目に10番手となった#18 ウイダー HSV-010の小暮選手が最初にコースインしました。しかし、1コーナーの進入で限界までブレーキングを遅らせた小暮選手は本来のラインから外れ、わずかにコースアウト。ルール上、コースアウトと認定された車両のタイムは無効とされるため、#18 ウイダー HSV-010はスーパーラップに出走した9台の中で最下位にあたる9位が確定しました。

 続いて4番手で出走した#100 RAYBRIG HSV-010の伊沢選手は1分45秒264を記録して8番手となりましたが、8番目にアタックした#32 EPSON HSV-010の中山選手が1分43秒699をマークしてその時点のトップに浮上。そして最後にアタックしたライバルがこのタイムに及ばなかったため、#32 EPSON HSV-010のポールポジション獲得が確定しました。マシンを走らせるEPSON NAKAJIMA RACINGにとっては2009年第7戦以来のポールポジションとなり、また、中山選手がアタックしてのポールポジション獲得はこれが初めてとなりました。

 明日の5月4日(金)は午前8時30分から30分間にわたりフリー走行を行った後、500km(110ラップ)の決勝レースは午後2時にスタートする予定です。

松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
「どちらかというと苦手とされてきた富士でポールポジションを取れて、とてもうれしく思っています。アタックを担当した中山選手にとっても、初めてのスーパーラップで初めてのポールポジションを取れたので、大きな自信に結びついたことでしょう。雨量の多かった午前中は溝の深いレインタイヤで走行しましたが、このときはタイヤとのマッチングを含めて満足のできる状態までマシンを仕上げることができず、期待するような結果を残せませんでした。予選1回目は#32 EPSON HSV-010のみ浅溝のレインタイヤ、それ以外の4台は深溝のレインタイヤを使用しましたが、コンディションの回復が予想以上に早く、深溝タイヤを履いた4台は上位進出を果たせませんでした。明日は、#32 EPSON HSV-010はとにかく前半から攻めて走り、タイヤの状況を見ながらレース戦略を立てることになるでしょう。残る4台にとっては追い上げのレースとなりますが、500kmと長いレースなので、なんとかトップを目指して戦っていきたいと考えています」
道上龍(ポールポジション #32 EPSON HSV-010)
「フリー走行時は雨が強く、厳しい戦いになると思っていましたが、公式予選が始まる頃には徐々に小降りになり、自分たちの得意としているコンディションになったので、自信を持って走ることができました。公式予選では、とくに後半にタイムが伸ばせたことがスーパーラップ進出へとつながりました。自分の役割をしっかりと果たせたので安心しています。明日は今大会ではまだ一度も走っていないドライコンディションになる予報なので、不安もありますが、決勝の500kmという長丁場を考えると、マシンとタイヤともに好条件がそろっていると思います。少しでも上位でゴールできるようがんばります」
中山友貴(ポールポジション #32 EPSON HSV-010)
「自身としては2009年以来のポールポジション獲得ですが、自分のアタックでの獲得は初めてなので、素直にうれしいです。朝の時点では雨が強く降っており、マシンのフィーリングもあまりよくありませんでした。ただ、雨が小降りになればチャンスがあることは分かっていましたし、道上選手が公式予選で好タイムを出していたので、ミスさえ無ければポールポジションが狙えると思い、集中して走りました。明日は500kmと長いレースですが、昨シーズンから長距離レースでいいパフォーマンスを見せているので、ポールポジションだけでなく、優勝という結果を求めて明日の決勝もがんばります」
Text & Photo: HONDA


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