全日本GT選手権

RE:JGTC_Rd.3:SUGO 高木真一リリース

1999  AUTOBACKS CUP ALL JAPAN GT CHANPIONSHIP
 '99 全日本GT選手権第3戦
  SUGO  GT CHANPIONSHIP
sugo international racing course(3.704256km)

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●日時  1999/5/29~30
●場所  宮城県 スポーツランド菅生(1周 3.704256×81周)
●天候 晴れ(決勝日) ●レースコンディション  ドライ  ●気温21度
●観客数 40.600人 (公式発表)
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モモコルセ・アペックスMR2レースレポート
「優勝は逃すがポイントリーダに!」

年間7戦行なわれる全日本GT選手権は、ここスポーツランド菅生の3戦目で中盤を
迎える。
そして、モモコルセアペックスMR2は、現在ポイントランキング第2位。ランキン
グリーダーのウェッズスポーツセリカとの差は、12ポイントであり、この第3戦で
差を一気に縮めたいところである。
前回の富士での優勝によってウェイトハンディを50Kg背負う事になったMR2が、
ここのところ好調なシルビア勢、そしてセリカに対してどのような戦い方をするのか
が見所である。

●5月28日  公式練習
前日の列島全体で被害を受けた強風は、ここ宮城県にはなにも爪痕は残さなかった。
厚い雲に覆われて雨が心配されたが、コンディションに影響は出ないまま、公式練習
は行なわれた。
まず、午前中のセッションではいつものように新田選手が乗り込み、車の状態と路面
状況を読みながら周回を重ねていった。
開始15分ほどに、トップタイムの1分28秒218をたたき出す。先日行なわれた公式
練習では1分27秒6までタイムは出ているので、ピットでモニターを眺める高木真一選
手は首をかしげる。
何回かセッティング調整を繰り返し、新田守男選手は最終的に1分27秒595までタイム
をつめた。
次に乗り込んだ、高木選手もまずまずのタイムを残して午後のセッションをむかえる
ことになる。

午前に比べると、幾分体感温度が低く感じられる中、午後のセッションははじまっ
た。
足回りのセッティングを変更し、決勝タイヤの選択を兼ねて新田選手から周回を重ね
ていく。
数周ラップを重ねてピットイン。入念に空気圧の調整と、コンパウンドのちがうタイ
ヤを試していく。
新田選手の走行したタイヤを見て「これで12周? このタイヤじゃ、さすがに決勝は
もたないね」と、高木選手。次に高木選手も車に乗り込み周回を重ねていく。
タイムは、午前中を若干上回る1分27秒364。しかし、他車が大幅なタイムアップをし
ている中けして、満足できるものではなかった。事実、No15 ザナヴィシルビアが、
0.210差で2番手のタイムを出して来ていた。「直線がもう少し伸びればね」とメカニ
ックは語る。前回の富士でも参加車両の中でも、最高速では上位陣のなかでは大きな
差を付けられていた。

新田守男選手
「午前中はウェイトのせいか、おもったよりしっくりこなかった。午後は足まわりの
セットを変えたらそこそこのバランスは出たけど、これだなっていう所まではきてい
ない。明日の予選1回目でもうちょっとつめて、2回目で決まればいいな、と思ってま
す。今日のトップタイムはあまり意味がありませんね」


●公式予選
前日とはうって変わって、気温はかなり上がり路面コンディションはややきついもの
になった。
まず、新田選手からアタックを開始する。3周ほどタイヤを温めるために1分30秒前後
で走行。
その後、1分27秒317をマーク。予選終盤にザナヴィーシルビアが、なんと1000分の2
秒さでMR2のタイムを上回られてしまった。一方高木選手も、1分27秒750をマーク。
「ウェイト? あぁ、挙動はワンテンポ遅れる感じがするけど慣れたから大丈夫。ブ
レーキは心配ないからぎりぎりまで踏んでいきます」 と、高木選手。

2回目の予選は、路面温度が約40度というコンディションの中行なわれた。
全車が、午前中のタイムを更新してくる中、モモコルセ・アペックスMR2も例外で
はない。
新田選手が、1分27秒126をマークしトップに躍り出る。それに続いて、No.19
ウェッズスポーツセリカ、No.7RE雨宮RX-7も、27秒台をたたき出し上位に食い込ん
でくる。
続く高木選手はまずまずのタイムをマークし、セッションは順調に経過しこのままい
けると思っていた。しかし、No.15ザナヴィーシルビアの土屋武士選手に、1分26秒
999をたたき出され、ポールポジションは、またしてもお預けとなった。
「車の状態は、全然悪くない。でも、あれ以上のタイムを出すのは、タイヤを考える
とちょっと・・・。いけないわけでは無かったのですが。」と、両ドライバーは不満
顔。
「セカンドドライバーのタイム差がカギ」と、土屋春雄監督が話すようにアペックス
MR2は両ドライバーが、ほぼ同等のものであるため決勝のレース展開を優位に進めら
れる事は、間違いないであろう。

新田守男選手
「予選トップじゃないから、そりゃ不満はありますよ。目一杯いったけどけっこう厳
しい。
  明日はいつになく暑いコンディションになるんじゃない? 作戦はこれといったこと
はないですタイヤをたらさないようにいくしかないかな」


●決勝レース
レースウィークで、一番暑い一日となった。朝8時半現在で気温は21度、路面温度も
時間が経過する毎に、上昇していった。
まず、朝のフリー走行ではトップタイムは、No.81ダイシンシルビア、それに続くは
ポールポジションのザナヴィーシルビア。アペックスMR2は、全くといって精彩を欠
いていた。
「とにかく車が重い」と、新田選手。タイムも1分29秒306で、300クラス6番手であった。
土屋監督が、タイヤを眺めセッティングの若干変更を指示、そして積載燃料もメカ
ニックが入念な計算を繰り返し、少しでも車を軽い方向に持っていった。

そして、午後13時53分3秒ローリングスタートで決勝の火蓋は落とされた。
この時路面温度は50度弱。どの車にとっても、厳しいものになっていたであろう。
スタートドライバーの新田選手は、前を走るNo.15ザナヴィーシルビアとほぼ同じタ
イムで追っていった。それに続くNo.19ウェッズスポーツセリカ、No.7RE雨宮RX-7、
No.77クスコインプレッサとは一周1秒弱のタイムマージンを稼ぎ、シルビアとの
一騎打ちでレースは進んでいく。
8週目に、タイム差を1秒0まで縮めるとその後17周目には0秒3と肉迫!トップが入れ
替わるのも時間の問題と思われた。しかし、後ろからくる500クラス、そして300クラスの
周回遅れの影響で28周目には2秒2と、大幅に差を付けられる格好となった。
最終コーナーから立ち上がりホームストレートの勾配は10%。やはり、15Km/hのトッ
プスピードの差は明白で、ストレートでは離されコーナリングで若干詰めるという、
すこし厳しい展開は続く。
レースも中盤に差し掛かる32周目No.7 雨宮RX-7がディファレンシャルにトラブルを
抱えリタイヤ。
38周目には、現在ポイントリーダのNo.19ウェッズスポーツセリカもピットインす
るが、エンジンがかからず、大きく順位を落としていった。これで、モモコルセ・
アペックスMR2はポイント差を縮めるには有利な展開になる。有力チームが続々ド
ライバー交換を行なうなか、46周目にモモコルセ・アペックスMR2もピットイン。
前日までのタイヤの摩耗度から右リアを残し3本のタイヤを交換。しかし、手間取り
シルビアとの差は8秒4まで広げられてしまった。
一方48周目には、No.19ウェッズスポーツセリカが、オルタネータートラブルによ
り、戦線離脱。
ポイント圏外でのリタイヤとなった。その後、セカンドドライバーの高木選手が、
No.61テイボンFTOのR・ファーマンとをパスする際に接触。タイムロスを強いられ、
シルビアとの差は15秒1になっていた。しかし、61周目に、No,6エッソタイガースー
プラが、SPインコーナーで炎上し始め、最終コーナーまでオイルを撒き散らし、黄色
信号が掲示、セーフティーカーの導入となった。
セーフティーカーの影響で、その時点でのタイム差は縮まったが間には500クラス、300ク
ラスの5台を挟んでいたため、「これじゃ、差はたいして変わらない」と、土屋監督。
隊列走行に入って4周目、「右リアがバースト!」と高木選手からの無線が入りそのま
ま緊急ピットイン。リアタイア2本を交換してなんとか同一周回のまま、隊列最後方
に戻る事はでき、次の周回にはレース再開。「2位で戻れた事で、良しとしなきゃね」
と新田選手。
しかしこのスローパンクは、手痛いタイムロスとなってしまった。そして、レースは
そのままチェッカーフラッグが振られ、モモコルセ・アペックスMR2はクラス2位の成
績で、GT第3戦を終える事になった。

優勝は逃したものの、セリカがノーポイントでおわったおかげでとうとうポイントラ
ンキングリーダーに立つ事になった。2位との差は3ポイントと、まだまだ油断できな
いものではあるが、この調子でトップを維持していって欲しい。

新田守男選手
「周回遅れのパスに失敗してしまった。それにタイヤもけっこうきつかった」

高木真一選手
「とにかく走りはじめから、オーバーステアが強く出てしまっていた。踏みたいけれ
どそれができなくてどうしてもペースアップはできなかったです。でもバースト後の
交換で若干は良くなりましたけどね。
 欲求不満のままおわってしまったのが、すごく悔やしいです。」


次のレースは、山口県 CP MINEサーキットで行なわれる。
80Kgのフルウェイトのハンディーを積む事になり、ブレーキには厳しいものになる
がそれは、上位チームならどこにとっても悩みの種になることはまちがいない。
ウェイトハンディーをどう克服するか、両ドライバーに期待したい。

☆バイオニックレーサーShin高木☆


  提供:高木真一選手



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