全日本GT選手権

JGTC_Rd.1:鈴鹿 無限×童夢Pリリース

                                                        1999年 3月22日
                                                無限×童夢プロジェクト

 '99 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP ROUND 1 "SUZUKA GT 300km"

                       TAKATA 童夢 NSX
            ポール・トゥ・フィニッシュで開幕戦を飾る!

○開催日   :1999年 3月20(土)~21(日)
○開催地   :三重県 鈴鹿サーキット(コース全長:5.86403km)
○決勝レース :51周(約299.066km)
○天 候   :予選日/雨      決勝日/雨
○コースコンディション :予選日/ウェット   決勝日/ウェット
○気温    :予選日/3.5℃(15時)  決勝日/6.6℃(15時)
○観客数   :39,000人(決勝日/主催者発表)

 1999年国内ビッグレースのトップを切って「SUZUKA GT 300km」が、
3月20~21日、三重県鈴鹿サーキットにおいて開催された。
 3月4~5日の公開テストでも好タイムをマークしたNSX勢は、ビッグレ
ースの開幕を待ちわびるファンの待つ鈴鹿サーキットに3チーム4台が勢揃い
した。
 20日(土)の公式予選では、小雨が煙る中TAKATA 童夢 NSXがスーパーラップ
をマークし、ポールポジションを獲得。他のNSX勢もMobil 1 NSXが3番手、
RAYBRIG NSXが5番手、Castrol 無限 NSXが6番手と、それぞれ好位置につけ、
翌日の決勝レースを待つこととなった。
 21日(日)の決勝レースは、TAKATA 童夢 NSXがポール・トゥ・フィニッシュ
で初優勝、昨年の雪辱を見事に果たした。他のNSX勢は残念な結果であったが、
ファーステストラップを記録するなど、それぞれに見せ場を造り、悪天候の中
観戦に訪れていただいた39,000人のお客様には、波瀾万丈の劇的なレース
展開であった。

●SUZUKA GT 300km 出場チームと戦績
No.マシン名             エントラント名      ドライバー     予選/決勝
------------------------------------------------------------------------
16 Castrol 無限 NSX 無限×童夢プロジェクト  中子 修       6位/17位
                                             道上 龍
------------------------------------------------------------------------
18 TAKATA 童夢 NSX  無限×童夢プロジェクト  金石勝智       PP/優勝
                                          脇阪寿一
------------------------------------------------------------------------
64 Mobil 1 NSX     Mobil1 Nakajima Racing  トム・コロネル 3位/12位
                                             山西康司
------------------------------------------------------------------------
100 RAYBRIG NSX      チーム国光              高橋国光       5位/R
                     with MOONCRAFT          飯田 章
------------------------------------------------------------------------

 昨シーズン、全レースのポールポジションを獲得し、後半戦4連勝(GTオール
スターを入れ5連勝)を飾り韋駄天ぶりを発揮したN-GT仕様ホンダNSXは、本年、
チーム体制を一部変更し3チーム4台の新体制で、1999年国内ビッグレースの緒
戦、「SUZUAKA GT 300km」に勢揃いした。
 金曜日のフリー走行では、午前中降りしきる雨の中NSX勢は各車2~4周程度の
確認走行にとどめタイム的にも見るべきものはなかったが、幾分雨足の弱まっ
た午後の走行ではCastrol 無限 NSXの道上選手がトップタイムをマーク。この
タイムがフリー走行のトップタイムとなり、変わらぬ韋駄天ぶりを発揮し、冷
たい雨の中で観戦する熱心なファンの期待に応えていた。

○公式予選第1回[3月20日(土) 10:50~11:50 出走:35台]
 いよいよ、大勢のファンの待ちわびた1999年全日本GT選手権第1戦の公式予選
が開始される。雨は降り続き、コースコンディションはウェット、気温は昨日
よりさらに下がりピット計測で7℃、気象台発表で3.5℃と、この時期とは思え
ない寒さの中、各チームともスタートしていった。
 予選開始とともにGT500クラスの各チームともコースイン、水煙の中一斉にタ
イムアタックが開始された。
 NSX勢では、TAKATA 童夢 NSXの脇坂寿一選手がインターミディエイト・タイ
ヤを装着してコースイン。スタート早々のスピンにもめげずに懸命のタイムア
タック。雨足が弱まり幾分コースコンディションが回復した15分過ぎ前後に、
2分13秒565、2分13秒037、2分13秒321と13秒台のタイムを連続してマーク。2番
手を1秒661引き離して最初の20分を終了した。
 Mobil 1 NSXのトム・コロネル選手はレインタイヤを装着。果敢にタイムア
タックを行い、終始2番手をキープしていたが、17分頃ペンズオイル・ニスモGTR
にかわされ3番手で最初の20分を終了した。
 RAYBRIG NSXは飯田章選手のドライブでスタート。途中ピットインしマシンの
動きがピーキー過ぎると、インターミディエイトからレインタイヤに交換し再
スタートしていった。ところがこの頃からコースコンディションが回復しだし
ため、タイヤ交換が裏目となりポールポジション争いに加わることができずに、
5番手で最初の20分を終了した。
 Castrol 無限 NSXは、昨日のフリー走行に引き続きトップタイムを狙い、道
上龍選手のドライブでレインタイヤを装着してスタート。コンディションの回
復を見て飯田選手に続きピットインし、スリックタイヤを装着してコースに復
帰したが、スリックタイヤがマッチするほどには天候が回復せず、6番手で20分
を終了した。
 GT300クラスとの混走となる最後の20分でも、TAKATA 童夢 NSXは快調さを維
持し、金石勝智選手が2分14秒107をマーク。二人のドライバーのどちらのタイ
ムでも暫定ポールポジションを獲得するという俊足ぶりを発揮した。
 Mobil 1 NSXは、最初の20分を走行していない山西康司選手がハンドルを握り
スタート。2分19秒449を記録し予選基準タイムをクリアすると、おりから強ま
りだした雨足もありそれ以上にタイムアップはできず終了した。
 RAYBRIG NSXは、飯田選手が再度アタックにスタートしたが、最初の20分ほど
にはコースコンディションが良くなく、ヘアピン・コーナーでスピンを喫し、
高橋国光監督兼選手と交代。予選基準タイムをクリアして予選第1回を終了し
た。
 Castrol 無限 NSXも道上選手がアタックに出走したが、シケインでスピン。
タイムアップはならず、中子修選手と交代。中子選手は3ラップし基準タイム
をクリアさせ走行を終了した。
 この結果、暫定ポールポジションは、TAKATA 童夢 NSX、3番手にMobil 1 
NSX、5番手にRAYBRIG NSX、6番手にCastrol 無限 NSXがつけることとなった。

○公式予選第2回[3月20日(土) 14:50~15:50 出走:29台]
 インターバルの間に雨は激しくなり、GT500クラスの20分が始まっても
NSX勢に動きは見られず、全車ピットで待機したまま最初の20分が終了した。
混走となった最後の20分では、明日の決勝レースが雨だった場合に備え、決
勝用ウェットセッティングの確認のためコースインはしたが、タイムアップは
望める状況ではなく、上位陣は公式予選第1回のタイムで決勝グリッドが決定
した。この決勝グリッドは、「2名のドライバーともが基準タイムをクリアし
なければならない」というレギュレーションに抵触するチームがあり、上位に
GT500クラス、次にGT300クラスが並びその後ろに救済処置を受けたGT500クラス、
そしてGT300クラスが並ぶという変則的なものとなった。
 ポールポジションを獲得したTAKATA 童夢 NSXの脇坂選手は、「インターミ
ディエイトでスタートした最初は、リアがピーキーで乗りづらく怖い思いもし
てピットインしようかと思いましたが、恵二さん(松本前監督)がいたら怒られ
ると思い、20分間を攻めて走りました。チームにはずいぶんわがままも聞いて
もらったし、イコールコンディション(ウェイトハンディがない)のこのレース
で、まずポールをとれたことが素直に嬉しく思います。朝起きたら雨が降って
いたので、金石さんと相談してセッティングを決めたように、チームとのコミュ
ニケーションによるポールポジションだと思っています。決勝はまだどちらか
らいくか決めてませんが、ドライでもウェットでもいけると思います。」と語
った。
 僚友の金石選手は、「チームの作戦が的中してのポールだと思います。僕自
身は混走の20分に乗ることになっていたのですが、脇坂が頑張ったのに逆転さ
れたらシャレにならんと思って、必死でプッシュしていたんです。そしたらピ
ットから無線で戻れといわれて、もう少しプッシュしたいといったら『誰もそ
んなタイム(2分14秒台)で走ってないからもういい』といわれてやめたんです。」
と語った。

○決勝レース[14時15分スタート 51周 出走:34台]
 昨日からの雨は一時は上がったものの、コースコンディションはウェットで
朝のフリー走行が開始された。NSXの各チームはウェット・セッティングの確認
のため積極的に走り込み、RAYBRIG NSXとTAKATA 童夢NSXが1-2位、Mobil 1
 NSXが4番手、Castrol 無限 NSXが6番手と、午後の決勝レースを戦うに充分
なタイムと順位でフリー走行を終了した。
 午後14時17分、フォーメーションラップがスタート、SUZUKAのフルコー
スを1周してペースカーがピットロードへ退避、悪天候の中観戦に訪れた熱心
なファンが待ちわびる1999年全日本GT選手権のスタートの幕が切って落と
された。
 ポールポジションのTAKATA 童夢NSXを先頭に、上位陣はきれいにスタート。
第1コーナーへと向かっていった。
 トップを快走するTAKATA 童夢NSXは脇坂選手が第1ドライバーを担当し、2
番手以下を引き離しにかかる。3周終了時に4.213秒、6周終了時に4.947秒と、
快調に差を開いたいったが、8周目、スピンし3番手に後退してしまう。ここ
から追い上げを開始した脇坂選手は、13周目2番手に復帰、さらにトップを
行くペンズオイル・ニスモGTRを追っていった。17周目、その差3.156秒にま
で追い上げたが、18周目再びスピン、7.927秒に開いてしまう。重なるスピン
にも負けずに追い上げをはかる脇坂選手は、22周目その差1.943秒、23周目
にヘアピン・コーナーでアウト側に膨らんだコマス選手の隙をつきトップに浮
上。さらにチャージをかけ、約3秒引き離した26周目、ルーチンのピットイ
ンを行った。タイヤ交換、ガス補給、ドライバーは金石選手がハンドルを握り
コースインに復帰していった。ピットタイムは36.7秒であった。
 このピットインの間に先行したペンズオイル・ニスモGTRも27周目ピットイ
ン、金石選手の前でコースに戻ったが、タイヤも幾分暖まり勢いに勝る金石選
手はあっさりとパス。29周目、カストロール・トムス・スープラのピットイ
ンの隙をつき、トップに浮上。
 トップに立った金石選手は快調にとばし、2番手以下を引き離す。30周目
に10.269秒、35周目には23.175秒、40周目には30.601秒と差を広げ独走態
勢に持ち込んでいった。その後も金石選手は危なげなく走り、51周目、2番
手に39.792秒の差を付けトップでチェッカーフラッグを受け、昨年の雪辱を果
たし念願の初優勝を飾った。

 予選3位からスタートしたMobil 1 NSXは、山西康司選手がドライブ。予選
順位通りの3番手で1周目を終了したが、2周目2車にパスされ5番手に下が
り、3周目にシケインでスピンしてしまった。グラベルにストップしたMobil 1
 NSXは、オフィシャルに押してもらいコースに復帰したが大きく順位を落とし
てしまった。山西選手は22周を走行してピットイン。替わったコロネル選手
はコンスタントに追い上げるが、結局12番手でチェッカーフラッグを受けた。

 予選5位からスタートしたRAYBRIG NSXは、高橋国光監督兼選手がドライブ。
4周目にデグナーカーブでスピンしたものの直ちに復帰、順位は変わらない。
しかし、6周目第2コーナーで大きくスピンし、グラベルベッドに捕まってし
まった。オフィシャルの助けを借りコースに復帰したが、その後西コースピッ
トにマシンを止めリタイヤしてしまう。

 予選6番手からスタートの道上選手がハンドルを握るCastrol 無限 NSXは、
スタートで順位を一つ上げ5番手でグランドスタンド前に戻ってきた。さらに
2周目には4番手と順位を上げていったが、7周目にスプーンコーナーでコー
スアウト。大きく順位を落としてしまった。コースに復帰した道上選手は、遅
れを取り戻すべく猛チャージを開始。2分18秒台でラップを重ね、19周目、
20周目とファーステストラップを更新していく。さらに24周目このレース
でただ一人2分18秒を切る2分17秒903でファーステストラップを更新し
た。その後も追い上げの手を緩めず、33周目3番手でピットイン、中子選手
に交代する。タイヤ交換を行わずガス補給のみでコースに復帰した中子選手は、
6番手を走行。ポジションをキープするが、45周目に2コーナーで痛恨のス
ピン。タイヤバリアまで飛び出し、ピットには戻ったもののリタイヤしてしま
った。

 この結果、優勝はTAKATA 童夢 NSXで、幻の優勝に終わった'98年最終戦の雪
辱を見事に果たすこととなった。

○永長真(無限×童夢プロジェクト プロジェクトリーダー)のコメント
「まず、あいにくの天候の中を鈴鹿サーキットまで足を運んでいただいたファ
ンの皆様にお礼を申し上げます。'99シーズン開幕のレースを、できれば良いコ
ンディションの下で楽しんでいただきたかったのですが……… これに懲りず
に次回もぜひサーキットでの応援をお願いいたします。
次に(株)童夢の皆様に『本当にご苦労さまでした。おめでとうございます』と
申し上げます。二人のドライバーも本当に良くやってくれました。待望のGT
初優勝を手に入れたので、これからは次にステップに向かって進んでいただき
たいと思います。
我々無限×童夢プロジェクトは、昨シーズンの終了時点から直ぐに今シーズン
に向けての開発を進めてきたわけですが、それが今回の結果に反映されたのだ
と思います。ただ現状に満足するのではなく、また明日からNSX-GTの熟成に向
けて頑張りますので、今後とも変わらぬご支援、ご声援のほど、よろしくお願
いいたします。ありがとうございました。」

○脇坂寿一選手(TAKATA 童夢NSX)のコメント
「イコールコンディションのこのレースで優勝できて本当に嬉しい。スピンし
て遅れましたが、何とかトップで金石さんに渡せてホッとしました。トップに
戻ったときはコマス選手がはらんでくれたので、楽に前に出られましたが、も
っと安定して走ることが今後の課題ですね。次の富士ではウェイトハンディが
70kgになるのでブレーキがきつくなると思いますが、頑張って上位入賞した
いですね。」

○金石勝智選手(TAKATA 童夢NSX)のコメント
「変わった1周目は、こんなにヘタクソだったかと思うほど、グリップがなく
てスピードが上げられませんでした。でも、本山君に追いついたらやはり振ら
れて苦労しているので、みんなこんなものなんだとホッとしましたし、あっさ
り前に出られました。昨年あんなことがあったので、優勝できて本当に嬉しい。
次の富士は重くなりますが問題はないと思います。昨年のチャンピオンチーム
の作戦を見習って、走りますよ。」

資料提供:無限×童夢プロジェクト

                            *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685)***



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース