難コンディションのレースを見事走り抜き、
初表彰台を獲得した石浦宏明(#8)
5月30日(土)、31日(日)の両日、フォーミュラ・ニッポン第3戦が栃木県のツインリンクもてぎで開催された。
今季のフォーミュラ・ニッポンには、シリーズ2年目の平手晃平(ahead TEAM IMPUL)と石浦宏明(Team LeMans)、そして今季フォーミュラ・ニッポンにステップアップを果たした大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)と国本京佑(Team LeMans)4名のTDPドライバーが参戦している。
30日(土)、天候が心配されたが、曇り空の下、ドライコンディションで午後1時からノックアウト方式の予選が行われた。
Q1では、石浦がトヨタ勢トップの3番手タイムをマーク。平手5番手、国本9番手、大嶋も10番手につけ、今季初めて4名のTDPドライバー全員がQ2進出を決めた。
続くQ2でも石浦が4人のうちベストとなる5番手。平手が6番手、大嶋は8番手で初めてQ3進出を果たした。国本は惜しくも9番手でQ2敗退となった。
最終Q3では、完全にセッティングが詰め切れなかったという石浦が、それでもトヨタ勢最上位の2列目4番手グリッドを獲得。ブレーキのフェードに見舞われた平手はQ2のタイムを上回ることが出来ず6番手、大嶋は変わっていく路面コンディションにあわせきれず8番手となった。
31日(日)、前夜からの雨は止み、午前中のフリー走行後半にはスリックで走行出来るまでに路面は回復。決勝前のコースインの時点で再び小雨に見舞われたが、全車スリックのまま午後2時にレースがスタート。
9番手グリッドの国本は、グリッドに付いたところでマシントラブルに見舞われ、そのままピットへ。懸命の修復を行ったが叶わず、スタートを切ることなくレースを終えた。
4番手スタートの石浦はアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)にかわされたものの、ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)のコースアウトにより4位へ。しかし、濡れ始めていた路面に足をすくわれ、 90度コーナーでコースオフ。7位で1周目を終えた。
6番手から順当なスタートを切った平手は、デュバル、石浦の後退により4位に浮上。8番手グリッドの大嶋は1つポジションを落として9位で序盤戦に突入。
7位に落ちた石浦は、2周目にブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)をパスすると、その後も見事な追い上げで4周目には5位浮上。 12周目にレインタイヤへ交換するためにピットインすると、同時にピットインした平手の前でコースへ復帰し、4位へ。
大嶋は、前を行くトレルイエを激しく攻め、何度か前には出かけたが、完全にパスするまでには至らず。各車がタイヤ交換を始めた12周目に、アタックを繰り返していた90度コーナーでスピン。無念のリタイアとなってしまった。
5位の平手は16周目に立川祐路(CERUMO/INGING)と接触し、コースアウト。6位へとポジションを落としてしまう。22周目には、松田次生(LAWSON TEAM IMPUL)とも接触し、フロントウィングを破損。そのまま走行を続けたが、ヘアピンで単独スピンからコースオフ。グラベルに捕まり、レースを終えた。
リタイアが続出する波乱のレースで、TDPドライバーとして唯一残った石浦は、21周目にトレルイエにかわされ一つポジションダウン。終盤、レインタイヤ交換後にロッテラーの追撃を受けながらもこれを凌ぎきり、ファイナルラップには塚越広大(HFDP RACING)をパス。3位でチェッカーを受け、フォーミュラ・ニッポンで初の表彰台を獲得した。
※一部内容が5月31日付フォーミュラ・ニッポンのリリースと重複しています
Text & Photo: トヨタ自動車株式会社/TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)