スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は9月21日、シリーズ第6戦が開催されている宮城県村田町のスポーツランドSUGOにて定例会見を行った。
その席上で、坂東正明代表は来年以降のGT500車両について言及。2024年から2025年の最終戦まで凍結されていた空力開発を、来年の3月末を期限として解禁とすることを明らかにした。具体的には来年3月に富士スピードウェイで予定されている公式テストでの結果を受けて各メーカーが来季以降の仕様の登録を行い、2029シーズンまではその空力仕様でシーズンを戦う。ただし参戦している3メーカーでベース車の変更などがあった場合は、他のメーカーについても性能が均衡するように調整を行う可能性はあるとのことだ。
併せて、エンジンの年間使用数も1基までに制限したいという。
一方、レース距離については世界耐久選手権(WEC)の半分を目安とし、実施可能なサーキットでは距離を延したいとしており、より長く走れるタイヤ、エンジンを目指す。
次世代の車両についても、コストダウンと環境対策を目標に設計開発を行い、2027年にはプロトタイプを完成させ、2030年以降のシーズンで使用していく方針だ。
また2022年11月に発表された"SUPER GT Green Project 2030"では国産e-Fuelの採用を謳っていたが、日本国内で製造されているものという点においては来季からスーパーフォーミュラで使用される予定の国産E10燃料(植物由来のエタノールを10%混合した低炭素ガソリン)の使用も視野に検討しているとのこと。ただし現状では製造を担当するエネオスの生産能力の制約があり、スーパーGTで継続的に使用していくには各方面との調整が必要になるようだ。
Text:Kazuhisa SUEHIROPhoto: Yoshinori OHNISHI

