
VITAもてぎSUGOシリーズ第4戦決勝が8月31日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、フロントロウから発進の兒島弘訓(ZR WINMAX VITA)が柿沼一峰(プラチナ恵比寿制動屋NUTECVITA)とスタートからゴールまでバトルを繰り広げて0.585秒差でフィニッシュ。優勝を遂げた。
午前中の予選に続いて行われた第4戦決勝は午後3時15分にコースイン開始。さすがも猛暑もすこしやわらいできたが気温31.9度、風が抜けるストレートの路面温度はやや下がったようだがまだ熱い。9台のVITA-01がグリッドに整列しレーススタート。10周または30分間の戦いが始まった。
ポールシッターの兒島がホールショットを奪い第1コーナーへ飛び込む、2番グリッド柿沼、3番グリッドカワモトとグリッド通りにスタートしたが、蹴り出しのよかったカワモトがアウトから柿沼に並びかけてターンインで接触。柿沼はイン側の縁石に乗って暴れるマシンを御して並走のままでコーナーを抜け、2位のポジションを守る。その後方では6番手スタートの窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)が第3コーナーへのブレーキングで5位志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)のインからオーバーテイク、その勢いのまま第4コーナーに向けて4位イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)のイン側にノーズをねじ込むが、ここで接触して両車スピン。イシカワはグラベルストップ。
オープニングラップを終えてトップ兒島と2位柿沼は0.631秒の差、3位カワモト1.559秒差。その後方には上位の混乱に乗じてポジションを上げた4位志賀、5位平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)、6位小松寛子(XCELL-LITEマーズ01)、7位山口心愛(FIRSTGARAGE大和設備工業VITA)と続く。接触があった窪田は再スタートするもそのままピットに戻りガレージイン。イシカワの方はオフィシャルの手でコースに戻され1周遅れでレースに復帰する。
2周目に入ると柿沼がペースアップ。2分14秒903とトップ兒島より0.3秒以上速いラップタイムを刻んで0.318秒差まで接近する。カワモトはこの2台のペースについていけないか2秒以上にギャップがひらいている。4位志賀は単独走行で、平川を小松が仕留めて5位に上がってメインストレートに戻ってくる。
3周目、柿沼が第1コーナーで兒島のリヤに張り付くと第3コーナーへのブレーキングでアウトからオーバーテイク、トップに浮上する。しかし兒島はテール・ツー・ノーズで追走。90度コーナーからの加速で柿沼のアウト側に出てセカンドアンダーブリッジを並走。ビクトリーコーナーで前に出てトップの座を奪い返す。平川が90度コーナーで単独スピン、山口が先行して6位に。しかし山口にはジャンピングスタートスタートの判定が下されフィニッシュタイムに5秒加算が課せられることになる。
コントロールライン上でトップ兒島と2位柿沼は0.094秒の差。兒島のスリップストリームから抜け出た柿沼が4周目の第1コーナーでイン側から前に出て再逆転。とはいえ兒島は今回も柿沼を逃がさない。0.116秒差でコントロールラインを通過すると続く5周目にお返しとばかりに第1コーナーでイン伺うが、ここは沼がブロックラインを通って首位を守る。3位カワモトはこの2台から2.6秒後方。4位以下に動きはなく、6位を走る山口と平川のギャップは6.036秒。山口は5秒加算ペナルティを抱えているがこの間合いなら順位を守れる。
5周目を終えてトップ柿沼と2位兒島は依然0.393秒の差、トップ2台だけが2分15秒台で3位以下をちぎる一騎打ちでレースは後半戦へ。兒島は勝負どころを変えて6周目のダウンヒルストレートでスリップストリームから抜け出してインかアウトにラインをスイッチ、90度コーナーへのブレーキングでチャンスを伺うがインを押さえた柿沼がポジションを守る。兒島は7周目のヘアピンで今度はアウト側から仕掛けるがここも柿沼がうまく抑え込む。オーバーテイクのチャンスを模索する兒島とそれを阻止する柿沼の息詰まる攻防が展開する。後方では5秒のペナルティをめぐる6位の山口と7位平川の間で続きがあり、7周目平川が山口とのギャップを3.743秒まで縮め実質6位に順位を戻す。
8周目のS字のアプローチでついに兒島が突破口を見出す。柿沼のインにノーズをねじ込むと、サイド・バイ・サイドで左~右と駆け抜けV字コーナーでインを奪ってオーバーテイクに成功する。トップを奪回された柿沼が逆襲を開始、6周目とは立場を入れ替えてダウンヒルストレートで兒島のスリップストリームから抜け出してインから90度コーナーへのレイトブレーキングでみたびトップに返り咲き。両車はテール・ツー・ノーズでコントロールラインを通過し9周目へ。ここで前の周のリプレイを見るかのように柿沼のインを差して兒島がS字で再びトップへ出る。ダウンヒルストレートで柿沼をうまく牽制してオーバーテイクのチャンスを与えずにメインストレートまで戻っていよいよレースはファイナルラップへ。2台の差は0.249秒だ。
第1コーナーから柿沼が兒島のスキを狙って激しくプレッシャーかける。第3コーナーへの加速でサイド・バイ・サイドになると、インから柿沼が先行してターンするが、アウトから進入した兒島がクロスラインでインに切れ込み柿沼の前に出る。S字でも柿沼がインを狙うが兒島が被せて守る。柿沼なおも諦めず90度コーナーで仕掛けにいくがここも兒島がラインを封じると勝負あり。ビクトリーコーナーを立ち上がるとそのままチェカードフラッグの下を駆け抜けて10周に渡ったドッグファイトを制して兒島が優勝を飾った。3位カワモト。トップグループからは7秒以上離されてしまったが、4位以下を寄せ付けずに表彰台を守った。以下4位志賀、5位小松とMARS RACING勢が入り、6位に平川、7位山口となり、オープニングラップの接触~スピンから再スタートを切ったイシカワも1周遅れながら8位完走となった。
VITAもてぎSUGOシリーズ第5戦は10月26日(日)にスポーツランドSUGOで行われる。






Photo: Asako SHIMA
