全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦の決勝が、9月6日、富士スピードウェイスで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、オープニングラップで遅れたものの、最後は運も味方に優勝を飾った。野村はこれで8連勝。
マスタークラスも、ペナルティあり、トラブルありのレースとなり、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が、今季2度目のクラスウィンを遂げた。
気温は30度近いが少し秋の気配も感じるなか、予定より少し遅れて午後1時25分に、21周のレースがスタート。
2番グリッドの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が抜群のスタートで、トップを奪い、その後方で佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と野村が競り合うという形で幕を開けたレースは、1周目から波乱の展開となった。
オープニングラップのダンロップコーナーで、トップ小林に、2位に浮上した佐野が接触して小林がスピン。直後にいた野村は、コース外に逃げるしかなく、大きく遅れてしまった。
1周目を終えた順位は、佐野、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、そして6位に野村。
しかし、ここから野村は諦めることなく追い続け、2周目5位、3周目4位、6周目には3位と着実に順位を挽回していく。
この周に、1周目の接触は佐野に非があるとして、結果にプラス5秒のペナルティの裁定が下る。
これで、佐野は2位を5秒以上引き離さなければ優勝を手に入れられなくなり、ここから全力でプッシュし続ける。2位マッソンに対するリードは、8周目3.1秒、10周目3.5秒と開き、13周目にはマッソンと野村が競り合う間にさらに差を広げる。
13周目、野村がマッソンを捕らえて2位に上がるが、この周の佐野と野村の差4.8秒。そして15周目には5秒となり、このままフィニッシュすれば佐野が優勝し、野村とのポイント差を縮めることになった。
ところが、15周目のダンロップコーナーでマスタークラスの清水康弘(GNSY RACING 324)が、駆動系のトラブルからコース上にストップ。セーフティカー(SC)が入ってしまう。
このSCランで、佐野の努力は水の泡となり、余裕を持って2番手でチェッカーを受けた野村が優勝。自身の連勝記録を8に伸ばした。
佐野はペナルティ加算により、2位マッソン、3位古谷、4位三井に次ぐ5位。これでシリーズポイントは、野村106ポイント、佐野83ポイントとなり23点差。今大会の残る2レースでチャンピオンが決定する可能性も出てきた。
なお、好スタートの小林もフライングの判定で、プラス10秒のペナルティ。7位まで挽回したが、結果は11位だった。
マスタークラスは、レース中盤からは、清水と今田信宏(JMS RACING TEAM)が、トップを競り合ったが、清水のリタイア後は、今田の独走。しかし、今田にはフライングスタートの裁定(プラス5秒)が出ており、DRAGONがすっきりしない形ではあるものの、今季2勝目を上げることとなった。
第14、15戦の決勝は、明日の午前9時5分、午後1時5分から、それぞれ15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Kazuhiro NOINE







