8月23日、2025FIA-F4選手権シリーズの第6戦が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、最後の再スタートで大逆転を演じた佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が優勝。インディペンデントクラスは、ポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が今季4勝目を飾った。
両クラス合わせて出走49台と大盛況のFIA-F4だが、それだけにアクシデントでセーフティカー(SC)が入る可能性も高くなる。今回はそのSCランが勝負の明暗を分けることになった。
■チャンピオンクラス
スタートでは、ポールスタートの新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)に、2番グリッドの佐藤が並びかけるが、新原が抑えきってトップを死守。新原、佐藤、5番グリッドから好スタートの鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)のオーダーで進む。
しかし、後方集団で混乱があり、インディペンデントクラスの三浦和貴(B-MAX RACING F4)がS字でストップ。1周目からSCが導入される。
11周レースの最初の3周がSCランとなり、残り8周でリスタート。
ここではトップの新原が、シケインから上手くリスタートを決めてレースは進んだ。後方では、予選のトラブルで最後尾スタートとなったランキング3位の森山冬星(JMS RACING with B-MAX)が26位まで順位を上げている。
トップ新原のペースが良く、2位佐藤に1秒強の差を保ったまま、レースは後半へ。3位以下は、鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)、百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)と続く。
やや縦に長い展開となりつつあり、このまま終わるかに思えた7周目。中団を走行していた落合蓮音(TGM Grand Prix F4)が130Rでバランスを崩してスピン状態になり、これに巻き込まれる形で鈴木悠太(Drago CORSE)がグラベルに飛び出してストップしてしまう。
これで、2度目のSCランとなり、残り1周でリスタートとなるが、ここで狙っていた2位の佐藤は、シケインの立ち上がりでトップ新原の背後にピタリとつけると、1コーナーの飛び込みでアウトから並び前に出ることに成功。新原も食い下がるが、引くしかなく、ここまで守ってきたトップの座を、最後の最後で明け渡すことになってしまった。
佐藤は、この勝利で第3戦から負け無しの4連勝。ランキングでも2位以下との差を開いて独走に持ち込みそうな気配だ。一方の新原は、3連続で佐藤の後塵を拝しての2位。
最後尾スタートの森山は、12ポジションアップの18位フィニッシュ。さらに、レース後、ペナルティで2台が降格になり、正式結果は16位。ポイント獲得はならなかったが、このレースのファステストラップ2分8秒478を記録する走りを見せた。
■インディペンデントクラス
クラスポールスタートのDRAGONがトップを守り、5番グリッドから好スタートの植田正幸(Rn-sports MCS4)、4番グリッドの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が続いた。
このベテラン3人によるトップ3は、SCランを挟んでも順位が変わることはなく、DRAGONが1分11秒前半、植田が1分11秒半ば、今田が1分12秒というラップタイムで周回を続け、レースが進むにつれ三者の差は徐々に開いていった。
結局このままの状態でフィニッシュを迎え、DRAGONは前大会の富士から3連勝。今季4勝目のチェッカーを受けた。
第7戦の決勝は、明日、日曜日の午前10時40分から11周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI










