スーパーFJ地方選手権鈴鹿シリーズ第4戦は13日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、5番グリッドからスタートした吉田馨(TAKE FIRST KKS-II)が赤旗で一時中断する荒れたレースを制して、今季2勝目を飾った。
12周の決勝は午後4時40分、この日の最終レースとしてフォーメーションラップが始まった。いくぶん暑さは和らいだが、まだまだ蒸し蒸しするなか、28台(内3台がジェントルマンクラス)がコースを1周してグリッドに着いた。
ポールポジションの土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)はトップを守って1コーナーへ向かう。2番グリッドの永原蒼翔(ピットワークながはら/MYST)と3番グリッドの五十嵐文太郎(Drago CORSE)の間に割り込んできたのは、好スタートを切った4番グリッドの八巻渉(中日本自動車短期大学MSE学科KK-SII)で、1コーナーで永原にアウトからかぶせて2位に浮上した。4位に落ちた五十嵐は、2コーナーでアウトから永原をパスし、スタートポジションの3位まで回復した。
2位八巻のペースが上がらないためトップに立った土橋は逃げる。シケインでは五十嵐が、インから八巻をパスして2位に上がった。
1周目の順位は、トップ土橋、0秒7差で2位に五十嵐、3位八巻。永原はペースが上がらずずるずると後退。4位には吉田馨(TAKE FIRST KKS-II)が、5位には酒井翔太(ファーストガレージ制動屋S2)が続き、永原は6位まで落ちた。
2周目、3位の八巻は苦しい。S字で吉田にパスされ4位に落ちると、130Rでは酒井にも攻略され5位まで後退した。6位にはデビュー戦の伊藤聖七(eagle sprots)が10番グリッドから上がってきた。
3周目、トップ土橋に後続が追いついてきた。1コーナーでは2位の五十嵐がアウトから土橋をパスしてトップに立つ。土橋は焦ったか、続く2コーナーでアウトの芝生にマシンを落とし失速。この間、吉田にもパスされ3位まで順位を落とした。ここで後方スタートから追い上げていた杉田悠真(LAPS with REV RACING GARAGE)がデグナーでクラッシュ。セーフティーカーが導入された。
SC中の順位は、トップ五十嵐、2位吉田、3位酒井、4位八巻、5位伊藤、6位土橋だ。SCは4周を回って退き、レースは5周目から再開される。
トップ五十嵐はシケインからアクセルオン、しかし加速で伸びず後続は1列縦隊。それでも五十嵐は1~2コーナーで並びかける吉田を制し、S字ではトップを守った。
6周目、トップ五十嵐と2位吉田のサイドバイサイドの争いが激しくなる。逆バンクからNIPPOコーナーで並走。デグナーコーナー出口で五十嵐が若干はらんだところを吉田がぴたりと後ろにつけ、ヘアピンでインからトップに浮上した。しかし、まだまだ争いは続く。130R手前では、トップ吉田、2位五十嵐、3位酒井、4位八巻がワンパック。シケインでは、五十嵐が吉田を攻略しトップを奪い返した。
7周目に入ったストレートでは、インから五十嵐、吉田、酒井の3人がスリーワイド。1コーナーではアウトから飛び込んだ酒井が2人をまとめてパスし、ついにトップに躍り出た。2位に吉田、3位に五十嵐が続く。
その後方、デビューレースで7位と健闘していた小野原悠(レヴレーシングガレージwith LAPS)と鈴木七瀬(ネッツトヨタ三重with FORM)が1コーナーから2コーナーにかけて接触し、コースアウト。小野原がコース復帰する際、後続のハンゼヒ(Eagle Sports KKS-2)と接触。ハンが横転したため、SCが導入された。その後、コースに散乱したハン車の破片回収とオイル処理のため赤旗に切り替えられ、各車ピットに戻ってきた。
赤旗中の順位は、トップ酒井、2位吉田、3位五十嵐、4位八巻。5位に土橋と伊藤をパスしてきた藤井翔太(Drago CORSE)、6位伊藤、7位土橋、8位永原、そして9位には最後尾から19台をパスしてきた箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)が上がってきた。
レースは5時19分に再開。各車ピットアウトし、SCに先導され8周目を周回。レースは9周目から残り4周での戦いが始まった。
9周目の1コーナーでは、トップ酒井の背後につけた吉田が、1コーナー手前でアウトに振り、2コーナ手前でオーバーテーク。ついに吉田がトップに浮上した。
10周目、トップに立った吉田は後続を引き離しにかかる。2位の酒井はペースが上がらない。3位の五十嵐に徐々に接近を許すと、130Rでアウトから五十嵐に攻略され3位に落ちた。
SCと赤旗で荒れたレースは12周を回って終了。トップの吉田は後続を2秒1離して開幕戦以来の2勝目を飾った。2位には五十嵐が、3位には酒井が入った。
八巻はベテランの味を発揮し、ペースの上がらないクルマを4位に持ち込んだ。箕浦は驚異的なスピードで赤旗後、永原、土橋、伊藤を攻略し6位に上がると、最終ラップにはこのレースのファステストラップを記録。藤井をも抜き去り5位に入った。6位には藤井が入った。
ジェントルマンクラスは総合17位に入った山根一人(光精工TK-Sport MYST)が優勝。2位には総合19位の上吹越哲也(FTK・レヴレーシングガレージ)が、3位には総合23位の古里拓(FLEETレブレーシングガレージ)が入った。
この結果、選手権ポイントでは酒井が67ポイントでリーダー、吉田は55ポイントで2位、3位には五十嵐が31ポイント、4位には土橋が29ポイントでつけている。
全6戦で行われるシリーズは残り2戦。6戦中5戦(レース数×80%の四捨五入)の有効ポイント制となるため、酒井と吉田は12ポイント差だが、2勝ずつでほぼ並んでいるとみていい。第5戦は10月5日にここ鈴鹿サーキットで決勝が行われる。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinoir OHNISHI










