2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第3戦決勝が7月19日(土)にスポーツランドSUGOで開催され、ポールポジションから発進の吉田馨(TAKE first kks-2)がスタートでトップに立つと、12周のレースでそのまま首位を守って優勝した。
午前中の予選に続いて行われる第3戦決勝は午後1時40分にフォーメーションラップ開始。土用の丑の日らしく気温はうなぎ上りで32度。路面温度58度という真夏のドライコンディション。第1コーナー側からスターティンググリッドに並ぶ14台のS-FJを眺めると、陽炎が立ってゆらいで見えるという。
14台すべてのマシンがグリッドに並び、12周もしくは30分間の決勝がスタート。ポールポジションの吉田に対して2番グリッドの酒井翔太(ファーストガレージ制動屋)の蹴り出しがよく、吉田と並走で加速していく。吉田は酒井をけん制するように進路をやや右に寄せてから、一転ラインを左に変えて第1コーナーに向けてアウト側に位置取りする。そのままインに酒井、アウトに吉田で第1コーナーへ飛び込むとサイド・バイ・サイドで第2コーナーへ入り、酒井のノーズが僅かに前に出るが、吉田がアウトから抑え込んで、サイドが入れ替わる第3コーナーで一気に先行。ここで酒井がアウト側にラインを取ると3番手スタートの五十嵐文太郎(Drago CORSE)がインからノーズをねじ込んで第4コーナーへ飛び込む。酒井は姿勢を乱してアウト側の縁石を飛び出しそうになり、五十嵐の先行を許して3位にドロップ。
後方では4位争いが激しく、スタート直後に4番グリッドの中村ブンスーム(ファーストガレージKKSⅡ)、5番グリッドの松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)、6番手石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)、7番手三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)の4台が並んで加速。ここから三ツ井がアウト側に押しやられて遅れ、残る3台が3ワイドで第1コーナーへアプローチ。イン側の中村が前に出て石井~松原~三ツ井の順でターンイン。ここで松原がラインを乱してアウト側縁石まではらんで失速、三ツ井と小林留魁(るいさ)(アルビ新潟第一ホテルGIAED)に差される。9番手スタートだった小林は前を行く4位グループのバトルに割って入り、第4コーナーでは三ツ井のインからオーバーテイク、さらにS字手前で石井も仕留めて5位までポジションを上げる。S字を抜けてトップ吉田、2位五十嵐、3位酒井、4位中村、5位小林、6位石井の順でハイポイントコーナーへ。
2位のバトルに乗じてトップ吉田はリードを拡げ5車長ほどの差をつけてダウンヒルストレートを通過。五十嵐と酒井はテール・ツー・ノーズ状態で、そこから1車長離れて中村。5位小林はストレートの伸びを欠いているようで中村から離され石井にプレッシャーをかけられている。
オープニングラップを終えてトップ吉田と2位五十嵐の差は0.727秒。酒井は五十嵐のテールに張り付いて0.063秒差でコントロールラインを通過するとスリップストリームから抜け出しストレートエンドまでにオーバーテイクを完了。2位のポジションを奪い返す。4位中村は単独走行で、5位小林に石井が襲いかかり、コントロールラインまでに0.097秒差と並びかけると第1コーナーでインから仕留めて5位に浮上する。
2位を奪回した酒井だが吉田のペースにはついて行けないようで、2周目1.130秒、3周目1.825秒、4周目1.992秒とじわじわギャップが拡がっていく。3位五十嵐も酒井に0.361秒→0.506秒→0.816秒と少しずつ離されていく。トップ3が膠着状態なのに対し緊張が高まっているのが4位中村と5位石井のファーストガレージ勢同士で、2周目に0.903秒だった差が3周目0.300秒と接近。中村に焦りが出たかレインボーコーナーでの走路外走行が警告される。5周目には石井が0.042秒差とロックオン。テール・ツー・ノーズ状態でコントロールラインを通過するとストレートエンドまでにオーナーテイクを終えて石井4位、中村5位と入れ替わる。
オープニングラップに大立ち回りを演じた小林だがその後はやや苦しい戦いで、6位を守っているものの、7位KODAI YOSHIDA(T's TECHNO RF KKS 2)とは5周目で0.586秒の差、さらに序盤に順位を落とした松原もYOSHIDAと0.356秒差とすぐ背後につけている。6周目に小林とYOSHIDAの差は0.072秒となり7周目のセクター1で順位が入れ替わりYOSHIDAが6位に。
トップ吉田のリードは7周目に2.249秒まで拡がり、酒井と五十嵐も1.938秒、そこから石井2.417秒、中村1.054秒、YOSHIDA1.600秒と上位はややバラけた展開に。それでも吉田はペースを緩めることなく1分27秒台で周回。酒井も27秒台で追うがその差は縮まらない。
吉田は11周目に1分27秒504のファステストラップを出して、2位酒井に2.898秒の差をつけてファイナルラップに突入。ここでようやく吉田は僅かにペースを緩め、最後は28秒台でフィニッシュ。酒井はファイナルラップに自己ベストの27秒595を出し吉田との差を2秒以下に留めて2着でゴール。以下五十嵐3着、石井4着、中村5着、YOSHIDA6着という順にチェカードフラッグの下を通過した。
しかしその後判定で順位が入れ替わり、まず中村が走路外走行複数回でレースタイムに10秒加算で5位→8位へ降着。そしてレース後の車検で五十嵐のマシンの最低地上高規則違反があり失格に。これにより石井が4位→3位、YOSHIDA6位→4位、小林7位→5位、松原8位→6位、中村8位→7位へとそれぞれ繰り上がりになった。1台出走のジェントルマンクラスの畠山退三(Hobbybace&zap-ED)は10位から9位に繰り上がった。
なお第3戦の各選手の最速ラップで明日の第4戦のスターティンググリッドが決定され、吉田~酒井~石井~中村~YOSHIDA~松原というトップ6でスタートする。レーススタートは10時15分予定。吉田が再び逃げるか、酒井がそれを許さないか。いずれにしても厳しいレースが予想される。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE










