スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は第4戦「富士GT350kmレース」が開催された静岡県小山町で8月4日におこなった定例会見の中で、来年6月に予定されているマレーシア大会について記者の質問に答えた。
タイのブリラムでのシリーズ戦がコロナ禍で途絶えて以降、5年間開催されてこなかった海外でのレース開催だが、GTAはこれまでも各国のプロモーターと話し合いを行って実現の可能性を探ってきた。
実はコロナ禍以前、2019年にはブリラムとセパンの連戦という構想があり、ロジスティクスについての具体的な話し合いを行っており、マレーシアサイドからは契約の内金を受け取るところまで話は進んでいたのだという。
GTAとしてはインターナショナルなレースシリーズとして東南アジアでの地位を確立し、日本の量産車のマーケティングにも役立てたいとの考えは現在もあり、マレーシアサイドも「ビジットマレーシア」というキャンペーンを行なってインバウンドの誘致を積極的に働きかけていう現状があって、マレーシア政府や観光省の協力も得られる見込みだという。
そして何といっても注目なのがこのマレーシア大会はナイトレースであるということだ。
実は2019年の時点でもナイトレースで計画されていたという。近年のセパンでは夏の暑さを考慮して一般の走行会なども夕方から夜間に行なっており、GTAも今年1月に現地に赴いてナイター設備を視察している。
実現すれば全日本GT選手権(JGTC)時代の2004年にアメリカのカリフォルニア・スピードウェイで開催されたGTオールスター以来、21年ぶりのナイトレースとなる。しかも今回は2013年以来12年ぶりに復活するセパンでのシリーズ戦での開催。予定では金曜予選、土曜決勝になるという。
また、以前から坂東代表はシーズンオフに東南アジアを転戦するウィンターシリーズの構想を定例会見の中で話してきたが、それとの整合性を問われると、「あの時期にセパン1戦だけ開催しても仕方がない。マレーシア政府の意向も考慮して今回は6月開催とした。ウィンターレースはシリーズ戦としての見込みが立ってから進めたい」と坂東代表は答えた。
2025年のマレーシアでのシリーズ戦開催について、GTAは早ければ次戦鈴鹿大会において観光副大臣を招いて契約調印式を行いたいとしている。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum