全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6戦の決勝が5月19日、大分県日田市のオートポリスで行われ、ポールポジションからスタートした野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が第4戦に続いて今季2勝目を挙げた。
第6戦決勝は午後0時35分より14周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
ポールシッターの野中がトップで1コーナーに飛び込むが、予選2番手の小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)はまたもスタートでもたつき、4番手スタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)の先行を許してしまった。4位には古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が浮上し、3番手スタートの荒川麟(TEAM DRAGON 324)は順位を二つ落とし、5位でコントロールラインに戻ってきた。
このレースでニュータイヤを投入したフレデリックは、そのアドバンテージを利用して2周目の1コーナーでアウトから野中に襲い掛かるが、野中も一歩も引かずにこれを押さえ込む。なおも3コーナー、第1ヘアピンと挑みかかるフレデリックを野中はことごとく退け、3周目には1秒522のリードを築き上げた。
レースが4周目に入ると、今度は小林がフレデリックの背後を脅かし始める。その差は4周目で0秒354、5周目には0秒366と完全にテール・トゥ・ノーズの状態だ。
この間に野中はそのリードを5周目で3秒094、6周目には3秒735と着実に広げていく。
その後方では、第4戦の0周リタイヤにより最後尾スタートとなった中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が着実に順位を挽回し、6周目までに6位を走る小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)のテールに食らいついた。さらに小出に対して、レースコントロールからはスタート手順違反により5秒のタイム加算というペナルティが宣告された。これにより中村は実質6位に浮上。さらに11周目の1コーナーでアウトから小出をパスして見かけ上も6位とした。
一方、トップの野中誠太は8周を終えて5秒982。9周目には7秒099の大差をつけ、最後は10秒708ものリードを築き上げて14周のレースを制した。これにより野中は第4戦に続いて今季2勝目を挙げるとともに、第5戦の3位と合わせて今大会全てのレースで表彰台を獲得する圧倒的な強さを見せつけた。
また、ケイレン・フレデリックと小林利徠斗は10周以上に渡ってテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げたが、ダウンフォースを削ってこのレースに臨んだフレデリックがストレートスピードの伸びを活かして最後まで小林の追撃を封じ込め、そのまま2位でフィニッシュ。小林はコンマ536差の3位でレースを終えた。
次戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。6月22-23日に第7戦、第8戦、第9戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Kazuhiro NOINE