開幕戦の鈴鹿ではスタートでトップに立ち、独走状態でレースを制した野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。しかしながら今大会では状況が一転。予選5番手、決勝はポジションを落として9位と今一つの結果に終わっている。野尻とチーム無限に何が起きていたのか。レース後に話を聞いた。
「去年、一昨年と予選で前に行って決勝を戦うレーススタイルを貫いてきましたが、いよいよ昨年あたりから(そのスタイルが)タイヤとクルマにマッチしなくなってきた感じで、冬の間は予選よりも決勝でちゃんと走れるようなクルマ作りをターゲットにおいてやってきました」
「鈴鹿は予選をしっかりペースを上げられて、意外とフィーリングが良かったんですが、ここにきたら全然そうじゃなくて『これはやばいなあ』という感じで。想定のバランスとも違っていましたし、エンジニアが想定してきたクルマでもなかった。去年ベースのセッティングの方が良かった状態でした。そのせいで予選日の走り出しから後手後手に回ってしまいましたね。時間が短い中でリカバリーしきれなかった部分もあったかなと」
「それでもなんとか予選で5番手まで辿り着けて、決勝もそれなりのポジションで走れていたのかなと思っていたんですが、自分のミスなどもあってポジションを二つくらい失ってしまったので、そこは課題として残ります」
「色々あった週末ですが、色々あっちゃダメなんですよね。勝った牧野選手はそこをうまくやったからこその優勝だと思うので、そこに早く戻らないといけませんね」
「オートポリスの決勝がずっと苦手でしたが、クルマが変わり、タイヤが変わり、ダンパーが変わっても、何も変わらなかったなと。セットアップもだいぶ変わったんですが、あまり感度がないなあという感じで。コース特性に結果が左右されている感が否めないので、今一度よく考えないといけないなあという感じです」
「チームと協力してやる部分と、自分の反省点。これを切り分けて積み上げていかないとタイトルには届かないと思うので、そこをしっかり切り分けて、準備していきたいです」
そして次戦は2014年9月に初優勝を遂げたスポーツランドSUGO。その思い出の地での戦いに向けての抱負を最後に尋ねた。
「ここからまたハードワークですね。ダンパーが変わった今年のクルマで完全に合わせ込めているチームはなかなかないと思うんで、その辺を含めてもう一度見直さないといけないかなあと。ただSUGOは例年そんなに悪くないはずなので。もう10年も前ですが、初優勝したのもSUGOなので、また東北の皆さんの前で優勝できるように準備だけは怠らずに頑張っていきたいと思います」
野尻智紀の巻き返しに期待しよう。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum