ミニッツ・エンデュアランス・チャレンジ(MEC120)第1戦は16日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、v.Granzクラスは大阪八郎/猪爪杏奈/荒川麟組(86号車・DrDry☆vGranz)が、VITA Pro-Amaクラスは斎藤愛未/三浦愛組(117号車・Team M岡部自動車D.D.R)が、VITA Ama-Amaクラスは中里紀夫/大賀裕介組(5号車・SHINSEI MiDLAND C72)が優勝した。
レースは午後3時25分に太陽が容赦なく照りつける酷暑のなか2時間先のゴールを目指して、ローリングラップが始まった。レース中、2回の200秒間のドライバー交代を伴うピットストップが義務づけられている。
スタートから飛ばしたのはポールシッター、山口礼/渡会太一組(777号車・seven×seven with KF MOTORSPORT)の渡会。予選5位から1周目に2位に上がってきた杉本雄作/三島優輝/塩津佑介組(12号車・KF MOTORSPORT v.Granz)の塩津を4周目までに8秒8ちぎり大量リードを築く。
5周目に12号車に代わって2位に上がってきたのが林寛樹/兒島弘訓/木村偉織組(71号車・ZENKAIRACING vGranz)の兒島。トップ渡会と兒島のタイム差は9秒4だが、ここからこの2台は同じペースで周回を始めタイム差は開かなくなった。
7周目にはコースアウト車両があり、1回目のセーフーティーカー(SC)が導入されると、777号車渡会のリードはご破算となった。10周目にはSCが解除されるが、直後、コース上でVITAクラスの車両のフロントカウルが脱落したため2回目のSCが導入された。
この時点でトップは777号車渡会、2位に71号車兒島、3位に12号車塩津、4位に大阪八郎/猪爪杏奈/荒川麟組(86号車・DrDry☆vGranz)の猪爪が続く。
17周目に777号車渡会がピットインしてドライバーを山口に交代すると、各チーム1回目のピットストップを始める。
19周目にはデグナーでコースアウトした車両があり3回目のSCが導入されると、解除直後にまだ1回目のピットストップを行っていなかったチームも続々とピットイン。
26周目には4位を走っていた、777号車山口がヘアピン立ち上がりから続くコーナーでVITAをパスしようと片足をコース外に落としてクラッシュ。ドライバーは無事だったがマシンが横転するほどの激しいクラッシュで、4度目のSCが導入された。
この時点でトップは、71号車木村、2位坂直純/下野璃央組(87号車・DrDry☆vGranz)の下野、3位BANKCY/藤波清斗組(666号車・seven×seven with KF MOTORSPORT)の藤波だが、この3台を含め上位陣は2回目のピットストップを残している。
この4度目のSCはマシンの破片の回収、クラッシュパッドの修復などで24分もの時間を要した。この時間帯に最終スティントのドライバー交代を行う予定だったチームはコースにとどまり、これが勝敗の明暗を分けることとなる。
SCが退きレースは33周目から残り19分で再開された。各チームが最後のドライバー交代を行うと、38周目、残り10分を切ったところでトップに立ったのはOOKA/佐藤公哉組(31号車・G-TECH)のOOKAだった。そしてその背後、1秒9差にはやはり早めのピットインを行った86号車荒川が迫る。
この混乱のなか、OOKAも荒川も自身のポジションは分かっていない。39周目に荒川がスプーンでOOKAをパスしてホームストレートに戻ってきたとき、自身がトップだというのを初めて知ることとなる。
レースは40周で2時間が経過し終了。ファイナルラップ1周前にトップに立った大阪八郎/猪爪杏奈/荒川麟組(86号車・DrDry☆vGranz)が優勝。2位にOOKA/佐藤公哉組(31号車・G-TECH)が、3位に坂直純/下野璃央組(87号車・DrDry☆vGranz)が入った。
VITAクラスは、序盤でポールシッターの富田栄造/富田竜一郎組(47号車・CPホールディングスNILZZ VITA)がリタイア。中盤はPro-AMAクラス藤原大輝/奥住慈英組(66号車・seven×seven VITA)とAma-Amaクラス中里紀夫/大賀裕介組(5号車・SHINSEI MiDLAND C72)の争いとなるが、Pro-Amaクラスに先行して中里紀夫/大賀裕介組(5号車・SHINSEI MiDLAND C72)が優勝を飾った。
Pro-Amaクラスは、終止上位で争っていた女性コンビの斎藤愛未/三浦愛組(117号車・Team M岡部自動車D.D.R)が優勝した。
このレース、2時間中、4回のSCで、SCランは55分以上にも及んだ。このためピット戦略が明暗を分け、悲喜こもごものなか、各チーム鈴鹿を後にした。第2戦はモビリティリゾートもてぎに舞台を移し、8月11日に決勝が行われる。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI


















