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SUPER GT

第7戦オートポリス 急きょ参戦の根本悠生、apr LC500h GTに初表彰台をもたらす(BORDERLESS)

■Introduction

 10/14(土)〜10/15(日)に根本が今年スポット参戦するオートバックス・スーパーGT 2023の7戦が、大分県に位置するオートポリスにて開催された。

 本来根本はザントフォールトにて開催されるGTワールドチャレンジヨーロッパへ参戦予定のため、本大会へは参戦する予定はなく、前大会の鈴鹿戦で今シーズンのスーパーGTへの参戦は終了となっていた。しかしapr金曽監督からの依頼を受け、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセそしてVSRからの承諾を頂き、今大会への参戦が実現した。

 今大会はシーズン5回目、そしてオートポリスでは初の450kmロングレースとなり、レギュラードライバーの嵯峨宏紀/小高一斗に加え根本を加えた3名で戦った。

■Qualify:Q1-2nd Q2-3rd

 現地時間14日15時00分、決勝のスターティンググリッドを決する公式予選が行われた。スーパーGTでは参戦台数が多いことからグループA・グループBに分けられた上で予選1回目、Q1を実施。それぞれのグループの各上位8台が、決勝のスターティンググリッドを決めるQ2へ進出しポールポジションを争うレギュレーションとなっている。

 今大会は急遽AP戦へ参加することになった根本の走行マイレージを稼ぐことを目標に、練習走行での走行プログラムを組んでいたが、菅生戦決勝でのダメージを受け今大会に向けて載せ替えたエンジンから、微量だがオイル漏れを確認。トラブルの原因究明と対策のため40分ほど時間を失うこととなった。これにより、十分な走行時間を確保できないまま予選へと挑むこととなった。

 Q1は根本が担当。ここオートポリスは2020年に参戦したスーパー耐久での走行経験があったが、スーパーGT車両では初となる。今年のこれまでの走行経験や、小高選手、嵯峨選手からのアドバイスを受け、入念にタイヤをウォームアップし、アタックを2周かけるという作戦に出る。計測1周目に1分43秒192をマークし2番手に立つと、更にタイムアップを目指し引き続きプッシュ。セクター2まではQ1トップタイムを目指せるペースで走行していたが、第3セクターに入ったところでタイヤのピークグリップを使い切ってしまい、惜しくもタイムアップならず。しかし従来の目標であったQ1突破という目標を見事クリアし、小高選手が担当するQ2へとコマを進めた。

 Q2でも根本と同様、計測3周目と4周目にアタックをかけるという戦略をとった小高選手。車両セットアップもQ1とほぼ変えることなく挑んだ。セクター1で全体ベストタイムを記録し、セクター2では他車とほぼ同タイムを刻むと、LC500hが苦手とする第3セクターで少しタイムを失い、コースレコードを記録した2号車muta Racingから0.326秒遅れの1分42秒342を記録。これが小高のベストタイムとなり、決勝に向けてセカンドローの3番手を獲得した。

 またこの予選での両者のフィードバックをもとに、決勝日朝に行われたウォームアップ走行で更なるセットアップ変更を実施。これはクルマのキャラクターを大きく変える大胆な変更だったが、久しぶりの前方からのスタートということもあり、優勝のチャンスをものにすべく、決勝に向けこの変更を採用した。

■Race:3rd

 現地時間13時30分、オートポリスでは初となる450kmで争われるスーパーGT第7戦がスタートした。今大会ではスタートドライバーは小高、そして後半のスティントを根本が担当するという戦略を採択。ここオートポリスはタイヤへの攻撃性の高いコースということで知られており、今大会での各車タイヤの摩耗に苦しんでいた模様。しかし31号車はこういった状況下でも高いパフォーマンスを発揮するブリヂストンタイヤ、そしてロングホイールベースであるLC500h GTの特性から、タイヤ交換を1度しか行わないロングスティント作戦が可能であると考えていた。ブリヂストンタイヤさんとの綿密なコミュニケーションを経て、5周目に2回の義務ピットストップのうちの1回目をスプラッシュ(短時間の燃料給油のみ)にて消化、そして2回目のピットストップでドライバー交代をするという戦略をとることとなった。これにより小高・根本はそれぞれ45周をこなすこととなった。

 予定通り5周目にピットインを敢行すると、一時的にグリッドの後方へと順位を落とした小高だったが、持ち前の速さと安定感で着々と順位を上げていく。しかし第5戦の鈴鹿で見せたような大きなジャンプアップとはならず、オートポリスのコース特性との相性か、ラップタイムの遅い車両を追い抜くことができないもどかしい時間を過ごすことになってしまう。ここで同じブリヂストンタイヤを履くトップ2台と若干差を広げられることとなったが、この時点でタイヤ1回交換という戦略を採ったのは31号車だけだろうという予想をもとに、できる限り順位を上げることに集中し引き続きレースを戦った。

 13周目に18号車UPGARAGEと96号車K-tunesが接触、コース上で停車してしまった車両を回収するためにフルコースイエロー(FCY)が導入される。また27周目には27号車Yogiboから脱輪してしまった左フロントタイヤを回収するために再度FCYが導入される。

 レースが45周目に入ると、小高は予定通りピットイン。根本にドライバー交代をすると、後半の45周というロングスティントへと繰り出した。

 アウトラップで1分46秒台を記録し速さを見せた根本だったが、そのハイペースを維持することができず、1分48秒台~49秒台を行き来しつつ周回をこなすことに。ここオートポリスならではの難しさであるピックアップとの闘いに苦戦していた。ピックアップとはコース上に散乱したタイヤカスが走行中のタイヤに付着してしまうことで、本来のタイヤのパフォーマンスを発揮することができない状況に陥ってしまっていたのだ。他サーキットでも当然ピックアップとの闘いになることはあるのだが、ここオートポリスはその影響が大きく出ることで知られており、根本は初参戦ということもあり苦しめられていた。

 レース残り25周となったころ、4番手を走る61号車SUBARUが根本へ急接近。お互い2回のピットイン義務を消化しており、事実上の表彰台争いとなった。純粋なペースでは61号車に分があるように見えたが、根本も今シーズン初の表彰台を逃すまいと懸命なディフェンスを見せる。ダンロップタイヤを履く61号車とブリヂストンタイヤを履く31号車という戦いとなったが、戦略上61号車は根本よりも11周後にピットインしており、より若いタイヤで追い上げてきていた。コーナーで速いBRZ、ストレートが速いLC500hという2台は、フィニッシュラインまで熾烈な攻防を繰り広げた。61号車井口選手の猛攻を凌ぎきった根本が3番手でゴール、今シーズン初の表彰台をチームへもたらした。

根本コメント:

 「元々はザントフォールトへ参戦予定だったのですが、163号車の相方だったロルフ選手が不参加ということ、そしてランボルギーニ・スクアドラ・コルセの判断により最終戦への不参加が決まりました。それとほぼ同時に、apr金曽監督からオートポリス戦への参戦ができないかという打診があり、大会主催者様、ランボルギーニ、VSRなど様々な関係者の方々のご協力のもと、今回のスーパーGTオートポリス戦への参戦が叶うこととなりました」

 「これまでクルマのパフォーマンスはありつつも、結果に繋げられていないレースが続いており、チーム関係者もファンの皆様にもフラストレーションがかなり溜まっていたと思います。そんな中で、こうしてLC500hの初表彰台獲得へ貢献できたこと、良いリザルトをみんなで獲得できたことを嬉しく思いますし、何よりほっとした気持ちでいっぱいです」

 「とはいえ、レース序盤の小高選手のペースを考えると、後半も同じペースで走ることができればトップ争いを展開することもできたはずだと思いますし、オートポリス初参戦とはいえピックアップとの付き合い方をもっと上手にしていかなければいけなかったという意味では非常に悔しいです。自分のスティントの序盤と終盤では全く別のクルマに感じるほど、ピックアップに苦戦してしまったので、どうすれば改善することができたのかを、次に向けてしっかり研究していきたいと思います」

 「最終戦茂木での采配はどうなるかまだ分かりませんが、いずれにせよ現場で精一杯チームのサポートをしたいなと思っております。まずは嬉しい報告ができたことを嬉しく思いますが、次回チャンスがあれば、今度はいよいよ優勝に貢献できるよう頑張ります。スーパーGTファンの皆さんにまた茂木でお会いできるのを楽しみにしております」

合同会社BORDERLESS/根本悠生


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