もてぎ・菅生S-FJ選手権

第1戦もてぎ公式予選 チーム移籍の池内比悠が0.005秒差でポールポジションを獲得

 2023年スーパーFJもてぎ・SUGOシリーズ開幕戦公式予選はモビリティリゾートもてぎで3月4日(土)に開催され、今シーズンからRiNoA Racing projectに移籍した池内比悠(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)がもてきで初レースの椎橋祐介(FGウインズNMSPKKSII)を0.005秒に退けて初のポールポジションを獲得した。

 いよいよ2023年シーズンを迎えたスーパーFJもてぎ・SUGOシリーズ。今シーズンもモビリティーリゾートもてぎとスポーツランドSUGOで以下の大会が開催される。

  • 第1戦/第2戦 3月4日/5日  モビティリゾートもてぎ
  • 第3戦/第4戦 5月13日/14日 スポーツランドSUGO
  • 第5戦    7月23日    モビティリゾートもてぎ
  • 第6戦    8月6日    スポーツランドSUGO
  • 第7戦    11月19日   モビティリゾートもてぎ

 そして12月9日~10日にかけて毎年恒例の「S-FJ日本一決定戦(今年はS-FJ MASTERSと仮称)」がもてぎで開催される予定となっており、シリーズ戦でもエントラント増加が期待される。

 エントリーは16台。昨シーズンチャンピオンを獲得した田上蒼竜はS-FJを卒業、今シーズンはFIA-F4へのステップアップを狙っている。

 今回S-FJデビュー戦が3名、青木諒太(Albirex with GIA ED)は学生ドライバー、佐藤賢一(ABBEY RACING)、松下正人(ABBEY RACING)は共にジェントルマンクラスの参戦だ。

 さらにもてぎ初参戦となるのが、昨年S-FJ日本一決定戦でデビューした椎橋で、筑波・富士シリーズで活躍のFirst Garageがもてぎに参戦という事で注目される。さらに2021年にはシリーズを制圧した感のあった里見乃亜監督率いるRiNoA Racing projectが今年は2台体制に拡大、昨年シリーズ2位の内田涼風に加えて昨年はALBIREXチームから前半4戦だけ出場でシリーズ7位に食い込んだ池内を起用と充実したラインナップを誇っている。

 またもうひとつ注目されるのがワンメイクで供給されるダンロップタイヤの特性だ。昨シーズンから久しぶりのサプライヤーとなったダンロップだったが、開幕当初はタイムは出やすいがデグラデーションが顕著でセッション後半急激にタイムが落ちる、という声が多く、各選手シーズンを通じてタイヤの使い方に苦慮する様子があった。それだけに今年投入の新スペックの素性に注目が集まっていたが、練習走行での感触はおおむね良好で、昨年のタイヤよりグリップが長持ちして安定していると両方のタイヤを経験している選手は語っていた。

 レースの合間にダンロップタイヤの方にも話を聞いたが、やはり昨年のタイヤに比べて持ちをよくする方向に振っているとの事で、その分タイムが落ちるかと思いきやそちらも改善しているそうだ。このあたりはタイヤの特性に自信が持てたドライバーの心理面ではないかと言うチームもいた。

 予選開始時刻は午前10時5分。朝は0度近くまで冷え込んだモビリティリゾートもてぎだが初春のうららかな陽気で気温は10度まで上昇。風も弱く好コンデションの中、ルーキー松下を先頭に16台がコースインして20分間の予選が開始された。

 まずは各車ウオームアップを続け、残り13分あたりから本格的な走行が開始。昨年シリーズ6位の池田拓馬(テイクファースト&アメロイド)が2分4秒804でトップ、2番手には内田が5秒033と0.229秒差でつける。続く周回で池内が4秒449で首位に立つが直後に椎橋が4秒078と3秒台に迫るタイムでトップに立ち、池内2番手へ。しかし池田が4秒154と両者の間に割り込む。トップ椎橋とは0.076秒差だ。さらに先週の鈴鹿で5位に入った小川涼介(HIROTEX MS KK-SII)が4秒238と3番手へ、これで池内は4番手へ後退。さらに内田が4秒301と0.148秒の差で池内を5番手に追いやる。

 残り7分、ここでなんと2番手池田のマシンがスローダウン、グランドスタンド正面でマシンをピットウォールに寄せて止まってしまう。池田はここでマシンを降りた、ドライブシャフトが壊れたとの事だ。

 この段階でトップは椎橋の2分4秒078で変わらず、以下2番手池田、3番手小川は池田と0.084秒差、4番手内田は小川と0.063秒差、5番手池内、さらに6番手には磐上隼斗(アルビ 富士吟景 10V ED)がつけている。磐上は昨年もALBIREX RACINGから参戦していたが今年から36号車の東京R&D 10Vにマシンをチェンジ、これが速さを引き出すことになったか。

 残り5分、小川が2分3秒983と3秒台に入れてトップに立ち、ここから各車一段ギアを上げてタイムアタックに入りだす。池内が4秒095で3番手にアップし、停止した池田は4番手にドロップ。

 残り3分、今度は椎橋が第1、第2セクターと全体ベストを刻んでコントロールラインを通過すると3秒560をマーク、小川に0.3秒以上の差をつけてトップに立つ。そしていったん5番手に落ちた内田が4秒098で4番手へ。3番手のチームメイト池内に0.003秒まで肉薄する。

 チェッカードフラッグが振られる中で最後のアタックを行った池内がセクター2で全体ベストを刻んでコントロールラインを通過すると0.005秒椎橋を上回る2分3秒555を叩き出してポールポジションを獲得、椎橋は2番手へ。同じく最後の周回で3秒838を出した内田が3番手へ上がり、小川は4番手。そしてこちらも最後に自己ベストの4秒043を出した中澤凌(ZAP NAKs 10VED)が5番手に入り、途中ストップの池田はそれでも6番手に踏みとどまった。

 もてぎ/SUGOシリーズ第1戦決勝は午後1時20分コースイン予定。勝てる体制を得た池内が初優勝を飾るか、勝負のかかったシーズンでチームメイトには負けられない内田が巻き返すか。初のもてぎから速さを見せた椎葉か、既に鈴鹿で新しいダンロップタイヤで戦い特性に長じている小川が有利か、注目だ。

Text: Junichi SEKINE


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