SUPER FORMULA

第7戦決勝 山本尚貴が雨のレースを制し地元もてぎで初優勝

優勝した山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が、8月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、雨のなかを冷静に走った山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が嬉しい地元初優勝を飾った。

 決勝スタート前になって、雨粒が落ちてきた。各チームスタッフは空を見上げているが、徐々に降りが強くなりコンディションが読めない状況となった。

 2番グリッドのサッシャ選手がグリッド上でスリックからレインタイヤに交換したのを皮切りに、各チーム続々と交換作業に入り、結局全車レインタイヤでのスタートとなった。

 さらに、スタートもスタンディングではなく、セーフティカー(SC)先導によるスタートに変更された。

雨の中37周の決勝がスタートした

 スタートはポールポジションの山本が無難にこなし、ポジションをキープして1コーナーをクリア。ほぼ予選順位どおりの隊列でレースは進む。

 5周目に8位松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)が、7周目に10位平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)がコースオフをして順位を落とすが、山本、サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)など、上位陣は安定して周回をこなす。

 12周目、レースの約3分の2を消化したところで、最後尾スタートの福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)が16位まで上がってきている。

 14周目、3位走行中の大湯がストレートでスピードダウンし9位まで順位を落とす。しかし、一時的にギヤが変わらなかったのか、その後は何事もなかったように走り続ける。

 15周を過ぎたあたりから、上位陣の中で最も速いラップタイムを刻み続ける3位野尻が2位サッシャを攻め立て始める。この攻防は4周続いたところで、野尻がOTSを温存するために意識的に引いたのか、両者の間隔が開く。

 20周目、大湯のマシンに再びトラブルが発生しスローダウン。そのままピット入るが、明日のレースを見据え修復をして終盤コースに復帰する。

 20周を過ぎて、トップ山本に、2位サッシャが僅かずつ迫る。

 27周目、強くなった雨に足をすくわれたのか、11位を走行していた平川がビクトリーコーナーでコースアウト。グラべルにはまって動けなくなり、撤去作業のためSCが導入された。逆転チャンピオンを目論んでいた平川にとっては痛いリタイアだ。

 30周終了したところで、SCランが解除され、リスタート。

 終盤、元気が良かったのがSCランの間にタイヤ交換をしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)。9位関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)を攻め36周目には前に出ることに成功。しかし、その直後に単独スピンをして順位を落としてしまう。

 また、福住と三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)が接触してリタイアするなど、上位陣とは対照的に中団以降は最後まで雨に翻弄されることになった。

 結局、レースはポールポジションスタートの山本が逃げ切って、2年ぶり、地元栃木での初優勝を飾った。2位サッシャ、3位野尻を含めトップ3は、雨のなか終始安定した走行を見せた。

 この結果、シリーズポイントではサッシャ(74P)が平川(64P)を逆転して2位に浮上。しかし、リーダー野尻(104P)のリードは大きく、明日の結果次第では今週末でチャンピオン決定の可能性もある。

優勝は山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

トップでゴールする山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

決勝2位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

決勝3位は野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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