JAF F4選手権

第2戦SUGO公式予選 オリジナルマシンを駆るハンマー伊澤がポールポジション獲得

 JAF-F4地方選手権シリーズ第2戦は5月14日(土)にスポーツランドSUGOで開催され、ハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)が金井亮忠(チームNATS・正義・001)に0.256秒差をつけてポールポジションを獲得した。

 もてぎでの開幕戦から約2か月のインターバルで開催された第2戦。そのブランクを埋めるためか前日にはスポーツ走行と占有走行で計5回、本日も朝に1回と走行機会が与えられていたがほとんどが雨で完全なドライコンディションでは走れておらず、予選前のコメントではセッティングの確認が不十分という声も聞かれた。

 エントリーは16台。その中で石川賢志(HMRハンマーR☆ハヤテ)は前日のスポーツ走行でクラッシュ。マシンのダメージは修復なったものの石川自身が足を負傷。急遽スーパーFJもてぎ・SUGOシリーズ戦を戦う大川烈弥を代役に立てた。大川は初めてのJAF-F4ドライブだが前日はまったく走れておらず、朝のスポーツ走行でウエット路面を走ったのみで予選から戦うことになった。

ポールポジションはハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

予選2位は金井亮忠(チームNATS・正義・001)

予選3位は佐藤樹(MARUSAN★ミスト)

予選4位は黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

予選5位は河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)

予選6位は佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)

 20分間の予選は午後1時にコースオープン。朝まで雨が降っていたスポーツランドSUGOは気温上昇で路面コンデションは改善しつつあるがモニターで見ると一部湿っているように見えるコーナーもあった。それでも全車スリックタイヤを装着してコースインした。しかし計測ラップが始まる前に開幕戦でポール・ツー・ウィンを飾った佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)と安井和明(NAVY★RK-01)の2台が相次いでピットインする。トラブルか?

 各車ウォームアップを終えて残り15分ごろからタイムアタックを開始する。まずは伊澤が1分24秒831を出してトップ、続いて前回デビュー戦で佐々木とポールポジションを争った佐藤樹(MARUSAN★ミスト)が25秒363で2番手につける。3番手は25秒626で金井亮忠(チームNATS・正義・001)。金井は今回からピットクルーをつとめる日本自動車大学校の生徒が代替わりし、全員初めてのレース参加という状態。新品のツナギに身を包んだ生徒はまだぎこちなさが残るがテキパキと動く。

 残り13分、伊澤は24秒202、佐藤も24秒463と1分24秒台に入れる。3番手には黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)が24秒577で上がってくる。昨年ここSUGOのレースでは魔物に付きまとわれたのかマシントラブルに起因するジャンプスタートやそれに対するドライブスルーペナルティ消化時の速度違反などなど散々な目にあった黒沼だけにリベンジしたいところだ。

 伊澤はさらにペースを上げて23秒745、23秒264とタイムを詰める。佐藤も23秒979と23秒台で追うがここで金井が23秒702を出して2番手に浮上。昨年ここSUGOでコースレコードを叩き出したマシンの素性の良さは変わらないようだ。黒沼は自己ベストを更新するも4番手、河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)が5番手へ浮上して残り10分と折り返し。ここで今回急遽デビューの大川が8番手までポジションを上げてくる。

 残り9分、佐藤が23秒678を出して金井を抜き再度2番手へ上がる。しかし金井はセクター1、セクター3で全体ベストを出すと23秒514でコントロールラインを通過。2番手を奪回し、さらにタイムを削り残り6分で23秒279と、23秒254を出した伊澤に0.025秒差まで迫る。開始直後にピットインしていた佐々木は残り8分でコースに復帰、すぐさま25秒818で6番手に上がってくるが、開幕戦のようなスピードがない状態でそこからが伸びない。

 残り3分を切り伊澤~金井~佐藤~黒沼~河野~佐々木の順は変わらず。残り2分。伊澤はセクター2で全体ベストとさらにタイムアップを目指す一方で金井はピットイン、ここで予選を終了する。伊澤は23秒093をマーク。

 20分間の予選が終了、チェッカー後の周回で伊澤はさらに23秒023までタイムを更新。予選開始後5分でトップに立って以来一度もその座を譲ることなくポールポジションを決めた。以下金井~佐藤~黒沼~河野~佐々木の順となった。

 9台が出走のジェントルマンクラスは伊澤~河野に続いて全体8位の武居義隆(CMSルノー)が3番手となった。

■予選後のコメント

ポールポジション 19号車・ハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)1分23秒023

ポールポジションのハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

 「コンディションが悪かったのか、タイムは伸びなかった。(ラップタイムの)電光掲示板も直射日光が当たって見えなくて、自分がトップだとは思っていなかったので意外だ。マシンの方も(路面の)コンディションが悪いせいかグリップ感がいまいちだった。ただ皆さんも苦労していたのだろうからこの結果になったとは思う。(決勝に向けては?)なんとかスタートを決められれば、と思う」

2位 72号車・金井亮忠(チームNATS・正義・001)1分23秒279 トップとの差0.256秒

予選2位の金井亮忠(チームNATS・正義・001)

 「(時間を残してピットに戻って来たが?)これ以上はタイム出ないと思った。前半は単独で走れていたが、あのままアタックしても次の周回あたりで前につかえてしまうし、クールダウンしてタイヤを冷やしてもタイムが出なくなってしまうので、決勝にタイヤ温存する意味でも(あれ以上は)厳しいかな、と思った。(走行後に話し込んでいたが、納得いかない部分が?)前回のもてぎ以降走っていなくて、昨日もドライでは実質1回しか走れていない、なのでセットも分からない状態で走っているので、いろいろアジャストしないとダメかな、と、そのあたりの話をしていた。ただ大きく外してはいないと思うので、フィーリングもそんなに悪くない。細かい部分を煮詰めていく」

3位 5号車・佐藤樹(MARUSAN★ミスト)1分23秒678 トップとの差0.655秒

予選3位の佐藤樹(佐藤製作所KKZS★TOMEI)

 「(路面コンデションで苦労した?)実はこのクルマ(前回もてぎ戦とは別の車両)ステアリングが重くて、FIA-F4よりも重い。それで手アンダー(ハンドル重くて回し切れない状態)になって走れなかった。(ドライでそれがより顕著に出た?)そんな状態だ。(決勝に向けては?)もう耐えるしかない(苦笑)。前回乗った車両と比べても全然重い。何が原因なのかわからないし、正直ヤバいが、頑張る」

4位 92号車・黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)1分24秒233 トップとの差1.210秒

予選4位の黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

 「(途中からタイムが伸び悩んだ?)タイヤ温まってからが、タイムが伸びなくて、周りもそうだったと思うが、空気圧をちょっと見直ししないといけない。ちょっとタイム差が離れているので(決勝に向けて)セッティングを考えないといけない。トップ集団について行けるように、頑張る」

5位 55号車・河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)1分24秒583 トップとの差1.406秒

予選5位の河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)

 「伊澤さんから1秒以内くらいを目指していたのだが。(路面)コンディションが途中から滑るようになってきて、後半もうダメかなと思ってしまうと、やっぱりダメだった。前半でタイムを出しておいてよかった。(タイヤの問題?)タレてハイポイントコーナーとか、かなりリヤ(のグリップ不足)が来ていた。みんなそうだとは思うが、終盤タイム上げて来たのは伊澤さんだけで、どこが違うのか。今日午後は気温が上がってきて夏みたいな感じになりそうなので、結構大変かもしれない」

6位 6号車・佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)1分24秒429 トップとの差1.560秒

予選6位の佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)

 「1周目にちょっと当たってしまってピットインした。タイロッドが曲がったのかと思ったのだが、ステアリングのギアがずれてしまって、センター(の位置)が変な場所に行ってしまっていた。ピットで応急処置をしたが、それがやりすぎで、今度は反対になって、右コーナーでロックまで回しても曲がれない状態になってしまった。残念だけど仕方ない。決勝までにはなおるし、何とか追い上げて行ければいいなと思う。(前からスタートで独走されるより見ている方は楽しいかと?)(笑)抜くのは中々大変だと思うが、ちょっとはいいレースできるように頑張る」

10位 16号車・大川烈弥(HMRハンマーR☆ハヤテ)1分25秒993 トップとの差2.970秒

予選10位の大川烈弥(HMRハンマーR☆ハヤテ)

 「(JAF-F4初レースだが?)まず単純に嬉しいとういかありがたい話を頂けた。何が起きるか分からないが、スーパーFJにも乗っているので、その感覚をどちらにもフィードバックできるようにしたいと思う。SUGOがいままで一番走ったサーキットなので、いつもの感じをベースに、ただ同じフォーミュラとは言え別物のクルマなのでそこを自分なりにアジャストしてやっていければ、と思う。なにしろ今日の朝走ったのが初めてで、朝はウエットだったので(今の予選が)初のドライでの走行だった。なのでいきなり(自分の)調整から入った。JAF-F4がどういうクルマか知るというのも含めて、まずは準備よりきちんと完走する事が目標だ」

 決勝は午後3時45分開始予定。前回圧勝の佐々木が6番手スタートからどう追い上げるかに注目が集まる。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
 


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