JAF F4選手権

第2戦SUGO決勝 金井亮忠がホールショットを奪うもポールシッターのハンマー伊澤が逆転勝利

 JAF-F4地方選手権シリーズ第2戦決勝は5月14日(土)にスポーツランドSUGOで開催され、ポールポジションからスタートしたハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)がスタートで金井亮忠(チームNATS・正義・001)の先行を許すも2周目の第1コーナーでトップを奪い返し、その後はセーフティカー(SC)ランを挟んで一度も首位を譲らず、昨年9月のもてぎ戦以来の優勝を飾った。

 第2戦決勝は 予選に比べて気温、路面温度が上昇し完全にドライコンディション。ただし風がかなり強くメインストレートでは追い風となっている。コースインでは負傷欠場となった石川賢志の代役としてJAF-F4初出場を果たす事となった大川烈弥(HMRハンマーR☆ハヤテ)が、ピットロード出口でエンジンをストールさせてしまい、ぎりぎりピットロード閉鎖直前にコースに入り10番グリッドに到着。見守る石川をやきもきさせる一幕もあった。

 午後3時45分にフォーメーションラップ開始、全車グリッドに着くとレッドシグナルが消灯、スタートを切った。

決勝のスタートシーン

 ポールシッターの伊澤はややスタートの蹴り出しが弱く、対照的に抜群のスタートを切ったのがフロントロウに並ぶ金井で、第1コーナー進入で伊澤の前に出てトップへ、伊澤は2位。また予選6番手で3列目スタートの佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)も4位にジャンプアップ、3番手スタートの佐藤樹(MARUSAN★ミスト)のすぐ背後につける。

 オープニングラップを終えて金井が先頭だが、予選でもストレートスピードの速さがあった伊澤がスリップストリームから抜け出て0.019秒差とほぼ並びかけてコントロールラインを通過、その勢いのまま第1コーナー進入で前に出てトップを奪い返す。3位の佐藤は後方から迫る佐々木を牽制する為かこの2台から2.827秒離され、背後の佐々木には0.454秒差でプレッシャーをかけられる。

 2周目に伊澤は0.906秒まで金井を引き離し、さらに3周目にはそこまでの最速タイムを出し、1.646秒までギャップを拡げ独走態勢に入るかに見えたが4周目、SCランが宣言される。これはスタート後一度は9位に順位を上げていた大川が3周目に入るとスローダウン、ハイポイントコーナーのアウト側で停止してしまい、再スタートができない状態になったことによる措置だ。大川は予選でも燃料系のトラブルがあると訴えていたが、残念ながら決勝でもその症状が出てしまったとのこと。

 このSCランは5周に及び、8周目にSCがコースから外れて9周目のコントロールラインからレースは再開。隊列をコントロールする伊澤のタイミングを見計らった金井が0.269秒と背後に迫るも伊澤は隙を見せずに第1~第3コーナーまでを通過。その後方では佐藤対佐々木の3位争いが再開する。

 伊澤は9周目に0.920秒と再度金井との差を開き始め、金井はむしろ0.694秒と背後に迫りつつ3位を争う佐藤と佐々木の圧を感じることになる。10周目伊澤は1分23秒828とファステストラップを更新して金井を1.796秒差に突き放し、金井~佐藤~佐々木はそれぞれ0.422秒、0.569秒のギャップで連なって走行。5位黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)は1.356秒と引き離されつつある。

 金井のペースが上がらないのか2位争いの3台は接近したまま11周目を走り、最終コーナーを佐藤がイン側からコンパクトにクリアすると金井のスリップに入りテール・ツー・ノーズ状態となり0.093秒差でコントロールラインを通過し、12周目の第1コーナーでイン側から並走すると第2コーナー進入でオーバーテイクに成功、2位に上がる。この2台の攻防の隙に佐々木も接近、2位を失った金井をセクター2で攻略して佐々木が3位浮上、金井は4位までドロップする。

 12周目、13周目と伊澤は立て続けにファステストラップを更新、2位佐藤に対し4.659秒と大差をつける。佐藤と3位佐々木の差は0.746秒、佐々木と4位金井は0.736秒と気が抜けない状態だが終盤に向かい順位争いと合わせて明日の第3戦のグリッド争いにも注目が集まり出す。第3戦のスターティンググリッドは第2戦での各自のベストタイム順で決まるためだ。

 ここまではラップごとにファステストを更新している伊澤が1分23秒215でポールポジションの権利を有することになり、2番手は23秒360の佐藤ということになる。この2台を含めて第3戦のスタート順を有利にすべく終盤まで自己ベストのタイムを出す選手が出てくる。そして14周目に佐藤が23秒259と伊澤に迫るとファイナルラップ、伊澤がトップでチェッカードフラッグを受け優勝と22秒834のベストタイムをマーク、しかし4.577秒後に2位でフィニッシュラインを通過した佐藤は22秒812と0.022秒伊澤を上回り、第3戦のポールポジションを獲得した。

 3位は佐々木、こちらも15周目に自己ベストを更新する23秒256をマーク、第3戦は3番グリッドからのスタートとなる。終盤に失速した金井だが黒沼からの攻勢はしのぎ切って4位フィニッシュ。しかし自己ベストは黒沼の24秒214に及ばぬ24秒354でず第3戦のセカンドロウは確保できず。河野と並んで3列目からのスタートとなる。

 ジェントルマンクラスは優勝が伊澤、2位が河野、3位が総合7位の武居義隆(CMSルノー)という結果になった。

優勝はハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

決勝2位は佐藤樹(MARUSAN★ミスト)

決勝3位は佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)

決勝4位は金井亮忠(チームNATS・正義・001)

決勝5位は黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

決勝6位は河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)

優勝したハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

■決勝後のコメント

優勝 19号車・ハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

優勝したハンマー伊澤(弁アルカディア☆ハンマーR疾風)

 「スタートは案の定失敗してしたが、大失敗というほどではなかったので、それほど後れを取らずに行けた。(SC明けからは順調だった?)クルマが転がっていればスタートの不得手なのが出ないので(笑)。明日は2番手からのスタートなので、ミスのないように。佐々木孝太さんと一緒に走れることが(レースを学ぶ)チャンスなので、頑張る」

2位 5号車・佐藤樹(MARUSAN★ミスト)

 

決勝2位の佐藤樹(佐藤製作所KKZS★TOMEI)

 「(明日はポールポジションから)ポールを目指していたのでよかった。SC明けに2位に浮上した後の佐々木選手からのプレッシャーは?)バックストレートでは追いつかれて抜かれそうな感じもあったが、馬の背からは自分の方が速かった。なのでバックストレートで行かれなければ大丈夫だとは思っていた。今日はスタート失敗したので、明日はスタート決めて、逃げられればいいなと思う」

 

3位 6号車・佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)

 

決勝3位の佐々木孝太(スーパーウインズ&ISP)

 「(SC明けのオーバーテイクは?)佐藤君が(金井選手を)オーバーテイクしようとしていてペースが上がっていなかったので、そこでバトルすると2台がロスするからチャンスがあるなと思っていた。そうしたらちょうどよく入れた。あわよくば佐藤君まで抜きたかったのだが、それは難しかった。自分の方がペース速いかというと、そこまでではなかった。追いつけるけど抜けるほどではなかった。もうちょっとクルマを仕上げて、明日頑張る」

 

4位 72号車・金井亮忠(チームNATS・正義・001)

 

決勝4位の金井亮忠(チームNATS・正義・001)

 「スタートはうまく決まってトップに出られたが、やっぱりハンマーさん1周目から速くて2周目に入るストレートでやられてしまった。頑張ってついていこうかと思ったのだが。(SC明けに立て続けに抜かれた状況は?)第1コーナーでブロックしようとしたがアウトから行かれてしまい、孝太さんも佐藤選手の後ろにピッタリついていて、自分の行き場がなかった。(クルマの調子は?)予選のデータから、大きくセットを変更したのだが、結果的にそれはよくなかった。明日はそこを修正すれば予選と同じくらいの走りはできると思う」

 

5位 92号車・黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

 

決勝5位の黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)

 「(終盤72号車まであと少しだったが?)追いつけるのは、金井先生よりペースがいいのでわかっていたが、抜く余力がなかった。正直トップは見えない感じで厳しい状況だった。スタートはうまく決まったので、プラスに考えて明日はセッティングを大幅変更して、テストだと思って今後につながるようにしたい」

 

6位 55号車・河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)

 

決勝6位の河野靖喜(ハンマーレーシング☆RISING)

 「よく言えば安定したペースだが、悪く言えばついて行けてなかった。もうちょっと(前に)ついて行きたかった。トップ5台は1周目から速いので、それについていく、というのが今回の目標で、あと黒沼選手のタイムは近かったので、そこになんとか肉薄してあわよくば、ぐらいの感じで考えていたので、まぁまぁ順当なポジションでよかった。明日に向けてもスピードの差でいけば同じような感じなので、最低6位、あわよくば5位を狙う」

 

R 16号車・大川烈弥(HMRハンマーR☆ハヤテ)

 

リタイアした大川烈弥(HMRハンマーR☆ハヤテ)

 「症状的にはガス欠みたいなのだが燃料は入っているので、まだ原因わからない。予選でも似たような症状があった。燃料吸い上げないのか何か制御の問題なのか・・。エンジン止まってはいないのだがアクセル踏んでも吹けない感じで、結局止まってしまった。明日に向けてこれから調べる」

 

 JAF-F4第3戦は5月15日に同じくスポーツランドSUGOで開催される。

表彰式

ジェントルマンクラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA


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