7月23日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース10の決勝が、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションスタートの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が、終盤の小山美姫(TGR-DC F111/3)の追撃を振り切って優勝。自身2勝目、新体制のチームで初の優勝を飾った。
マスタークラスは、スタートでトップに出たHIROBON(Rn-sportsF111/3)が総合でも3位に入る健闘を見せてクラスウィン。
予選後、かなり強い雨が降るなど不順な天候だったが、決勝スタート前には青空が広がった。
ただし、コースは所々濡れており、特に日陰になるストレートイン側は乾かず、イン側スタートは明らかに不利になると思われた。
スタートでは案の定、アウト側スタートの選手が前に出て、1周目のオーダーは、小川、大木一輝(PONOS Racing)、小山、そして、マスタークラスのHIROBON、これに予選のクラッシュから修復なった片山義章(Team LeMans F111/3)が続く。
トップ小川は、徐々に2位大木を引き離しにかかり、その差は5周を終えて3秒と、すでに安全圏に逃げたように思われた。大木の1秒後方では小山が終盤の追い上げてに備えてタイヤを温存しているようだ。
このオーダーが変わることは難しいと思われたが、5周目、2位の大木に反則スタートのペナルティが課される。大木は7周目にドライビングスルーを消化し、これで勝負権を失ってしまった。
前の開いた小山は、ここからトップ小川の追撃を開始。その差は、8周目3.8秒、10周目3.2秒、12周目2.9秒と確実に詰まっていき、18周目には1.4秒まで縮まった。
しかし、トップ小川もこうなることを予想してか「前半にタイヤを温存するように走った」と、終盤ペースアップ。追撃をかわして小山の連勝記録を5でストップさせるとともに、自身2勝目のチェッカーを受けた。
小川は、今シーズンから高木真一監督のもと新たな体制で参戦しているが、チームにとっても嬉しい勝利となった。
マスタークラスのHIROBONは、大木の脱落で労せずして総合3位に上がり、後方から迫る片山を従えて22周を走り切り、殊勲の3位表彰台。
ところが、この日HIROBONは、次に決勝が行われるTCRジャパンカップとダブルエントリーだったため、決勝を終えると走ってTCR-Jマシンに乗り込んだ。表彰台には代理のスタッフが登ったが「こんなチャンスは滅多にないのに」と悔しがることしきりだった。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Kazuhiro NOINE