JAF F4選手権

JAF-F4:第3戦SUGO決勝 走る先生、金井亮忠が生徒の前で盤石のポール・ツー・フィニッシュ

 JAF-F4地方選手権シリーズ第3戦は5月15日(土)に宮城県のスポーツランドSUGOで決勝が行われ、ポールポジションからスタートの72号車・金井亮忠(チームNATS・正義・001)が一度もトップを譲らない完勝を飾った。

 朝の予選に引き続き好天に恵まれたスポーツランドSUGOは絶好のレース日和。決勝が始まる12時30分になってやや風が出てきたがドライコンディションのままでスタートを迎えた。

 エンジンが始動しないトラブルで予選を走れなかった前戦表彰台の55号車・河野靖喜(CMS★RN2000)は、スターターモーターの断線という事でレース前に修復を完了、最後尾からのレース参加が認められた。

 各車はスリックタイヤでコースイン、フォーメーションを終えてグリッドに着くとレッドライトが消えてレーススタート。ポールポジションの金井は好スタートを決めたが2番グリッドの19号車・ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)はまたもスタートに失敗して出遅れ、1コーナまでの間に後続車の群れにのみ込まれて7位まで順位を落としてしまう。3番手スタートの47号車・徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大)が2位に上がり、伊澤の後ろで詰まってしまった4番手スタートの92号車・黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)は6番手に順位を落とす。その一方で徳升の後ろ、アウト側奇数列から出た5番手スタートの2号車・植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)と7番手スタートの33号車・中島功(SHINSEI・KK)が3位、4位に順位を上げて1周目を終える。金井は早くも徳升に1秒746の差をつけてコントロールラインを通過。

 ここで植田と黒沼にジャンプスタートの検証行われる旨の通知が出る。また予選13番手だった金井のチームメイト0号車・渡邊義人(チームNATS・エクシズWXR)が白煙を出しながらピットインする。

 2周目、スタートで出遅れた黒沼が中島と99号車・武居義隆(CMSルノー)を仕留めて4位まで挽回、更に3周目に植田も追い落として3位に上がるが2位徳升とは5秒以上の差が開いている。その後方では伊澤も順位を一つ上げて6位に。

 4周目、金井は徳升との差を2秒171まで開き突き放しにかかる。ここで植田と黒沼にジャンプスタートの裁定が下り、ドライブスルーペナルティが課せられる。

 後方では予選がトラブルで3周しかできず12番手スタートだった13号車・宮下源都(佐藤製作所★KK-ZS)が伊澤の後を追う様に順位を上げ、5周目には5位伊澤、6位宮下、7位武居の3台が接近戦となる。伊澤は続く6周目に4位植田の背後に迫り並走する様にコントロールラインを通過。

 7周目、徳升が自己べストの1分22秒838で一度は2秒以上開いていた金井との差を1秒994に詰めて追撃を開始。金井は4周目以降僅かだがラップタイムが落ちて23秒台で走っている。ここで3位を走っていた黒沼がドライブスルーペナルティを消化、続いて8周めに植田もペナルティを消化、伊澤が3位、宮下が4位に浮上する。しかしこの際黒沼はピットレーン速度違反を犯してしまい再度ドライブスルーペナルティを課されてしまう。前戦でポール・ツー・ウィンを飾った黒沼だが今回は散々なレースになってしまった。

 徳升は金井とのギャップを削りにかかるが金井も踏ん張り、9周目1秒892、10周目1秒717と0.1秒ずつしか接近できない。3番手伊澤は15秒以上引き離されており、4位宮下も2秒程度伊澤と離れたが、ここからレース中のベストラップで決まる第4戦のポールポジション争いが2台の間で本格化。

 まずは伊澤が11周目に1分22秒739のファステストラップを出し、翌12周目に宮下が22秒755の2番手タイムをマーク。すると伊澤が14周目に22秒671で突き放すが、直後にコントロールラインを通過した宮下が22秒498を出しファステストラップを獲得、明日に行われる第4戦のポールポジションを決めた。

 徳升はファイナルラップまで金井を追い上げ続けたが及ばず0秒983差でフィニッシュ。金井は初めてレースに参加した生徒たちの前で優勝を飾った。徳升は前戦もてぎに続いての悔しい2位。3位伊澤はジェントルマンクラスの優勝も飾った。4位宮下の後方では武居、中島に加えて唯一のHパターンミッションで戦う86号車・川原悠生(ファーストガレージ&ウインズ)の3台が1秒以内で接近戦をくり広げたが5位武居、6位中島でジェントルマンクラスの2位、3位、そして6位川原の順でフィニッシュした。

優勝は金井亮忠(チームNATS・正義・001)

決勝2位は徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大)

決勝3位はハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)

■決勝後のコメント

優勝 72号車・金井亮忠(チームNATS・正義・001)
 「(楽勝だったか?)全然楽勝ではなく、余裕は全くなくて、後ろ(との差を)を見ないでひたすら逃げるように全開で走り続けた。明日はまたどうなるか分からない。学生達と今年初めてのレースに勝てて、いいシーズンのスタートを切れたと思う」
2位 47号車・徳升広平(フジタ薬局アポロ電工高山短大)
 「あと一歩だった。全力でいったが前には追いつけなかった。冷静にミスなく走れていたのだが。明日のレースではもっと最終コーナーで踏んで行けるようにしないといけない気がするが、頑張りたい」
3位 19号車・ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)
 「またスタートでミスしてしまった。(その後の追い上げは見事だったが?)速さはあってもミスしてはいかん。明日もフロントロウ、2番手スタートなので今度こそミスのないレースをしたい」
4位 13号車・宮下源都(佐藤製作所★KK-ZS)
 「(第4戦のポールポジション獲得について)今度はいい戦い出来るかも知れない。今朝の予選はタイヤトラブルで走れなくて、その分今のレースでは他の選手よりタイヤが新しかった。それを考えると、(2位と)タイム差はコンマ2秒もないので、課題がまだまだあると思う。明日はスタートが重要だ」

表彰式

ジェントルマンクラスの表彰式

 JAF-F4地方選手権シリーズ第4戦は明日5月16日にスポーツランドSUGOで行われる。

Text & Photo: Junichi SEKINE

 



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