ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.3 SENDAI Hiland GTC GTインサイド・レポート No. 4 1995/ 6/ 24 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 10.#30 田嶋栄一 「基本的にこの仙台ハイランドでクリアラップをとれるなんてことはないけれど。 もう少しはいけたかな。長谷見さんと0.7秒差? クリアラップがとれても同じタ イムは無理だよ。レインタイヤは1つしかないので完全に濡れている時は良いけ ど、ハーフウェットだとすぐズルズルになっちゃうんです。下りで速いって? バ ランスからいえばリアエンジンのポルシェは後ろが重いから登りで荷重がリアに移 動した時はリアが辛くなって、下りでフロントに荷重が移動した時はバランスがと れるからかな? 午後晴れてしまったら、ポルシェの長所のリアの大きなトラク ションは逆にタイヤの負担が大きくなってマイナスになると思う。雨だとABSも 良いけど、晴れたら突っ込みで勝負出来ないから、雨ならタイヤも減らないから良 いよ。でも晴れてきたからな、今回のマシンはエンジニアが造ってきた状態から何 もいじらなくても雨で速かったんです、晴れではまったく走っていないです」 11.#15 プローバ ポルシェ ターボ やっと開発が進んで調子を上げてきた、古谷直広の#15 プローバ ポルシェが黒 煙をはいてピットでスットップ。「はっきりは判らないけれど、ターボトラブル だと思う」と古谷直広。 「晴れてきたから、午後はもっと頑張って攻める。他のポルシェと違ってABSが ないので下りでは辛かったんですけど、ドライだったらない方が攻められますから」 12.*7 RE SuperG RX7 予選1回目の終了直前にライバルの*72にタイムを一時逆転された*7だが、 タイヤを交換し再逆転でGT2クラストップを奪い返した。「終盤に来てタイヤが ダメになって、牧口さんとこにぬかれちゃって。ちょっと危なかったんだよ。路面 が乾きだしたでしょ、でもカットスリックは用意してなかったんで、新しいレイン でもう一度アタックしたんだ。木、金曜日と雨の中を走り込んでるから、雨のセッ トも自信はある。ドライも9、10日にテストをして1分56秒台はクリアしてるから 大丈夫」と、雨宮監督。雨でも“雨さん”の自信は揺るがないようだ。 13.#3ユニシアジェックス・スカイライン 午前中の予選でトップタイムをマークしたのは#3ユニシアジェックス・スカイ ラインの長谷見昌弘だった。終了10分前に1分56秒541のベストタイムを叩き出 した。「最初は古いレインタイヤに溝を入れたもので出て行って、それから新品の レインに履き変えた。12時で終了だと思っていて掲示板を見てシメシメと思ってい たのにチェッカーが出ない。勘違いしていた。第2戦で出ていたエンジンのバラツ キはもう解決しているけど、ポルシェはストレート速いね。午後はドライになり そうだし、この暫定ポールは関係ないよ。まだ、ドライで1度も走ってないんだか ら。でも課題の足回りも雨の中でこれだけ走れればヨシかな」 14.#36トヨタ・カストロール・スープラ 午前中の予選でガス欠によりクルムのドライブ中に11番ボスト付近でストップ。 ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.3 SENDAI Hiland GTC GTインサイド・レポート No. 5 1995/ 6/ 24 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 15.#39サードスープラGT 「グリップがなくて、一番登り切ったところでハーフスピンしてしまった。グリー ンに出てしまってリヤ・ホイールが空回り。スタックしてしまったんだ。マーシャ ルが押してくれたんだけど、コースとの段差があってそこでガリッ! ダメージは なかったけから問題はないけど」とクロスノフ。 16.#88レインXタムラ ディアブロ MYZの今西豊の手によって徹底的に補強されたディアブロは、グループCカー のトヨタ88Cのリアウイングまで装備している。今西豊エンジニアによると「開発 はやっと始まったばかり、マシンも木曜日に完成したくらいだから。取り合えず昨 日走った結果からフロントの車高を下げていますけど、セッティングと言えるレベ ルのものではありません。今回は新たな開発の第一歩のテストみたいなものですか ら。せっかくパワーのあるエンジンも、今回は2速と3速しか使えないで走ってい るんですから、2ー3のシーケンシャルでは何にも言えるような状態ではありませ ん。でも、このマシンは簡単に速くなります。どんなマシンか判ってきましたから 次の富士スピードウェイは速いです」 17.関谷正徳、マクラーレンとスープラの違いを語る 先日、ル・マン24時間で日本人ドライバー初の総合優勝という快挙を果たした関 谷正徳の特別記者会見が予選1回目と2回目のインターバルを利用して行われた。 関谷はここで長年挑戦し続けてきたル・マンに優勝できたよろこびや、優勝できる 態勢を整えてくれた関係者への感謝を述べた。質疑応答のなかで、ル・マン優勝車 であるマクラーレンとスープラとの比較に話が及ぶと、「スープラは最高ですよ」 と前置きしたうえで、「現状では(対等の勝負は)むずかしいかもしれない」とい う分析を示した。もちろん、マクラーレンは1台1億円するのに対して、スープラ は誰でも買えるレベルのクルマであることを前提としたうえでのことである。ま た、トムスとマクラーレンというチームの違いについては、「勝つための情熱は同 じ。ただしシステムが違う。日本ではドライバーに頼っている部分が多いのに対し て、向こうではドライバーにかかる負担をできるだけ取り除いたうえで、ドライ バーとしての仕事に専念させる分業制が徹底している」と語った。来年のル・マン については、「まだわからないが、出場できる状況になれば、できるだけいい態勢 でいいクルマに乗りたい」と、連続優勝への意欲をみせていた。 GTアソシエイション事務局 インサイドレポート担当 古屋 知幸 = MGG01235=