Japanese F3

ANABUKIレーシングチーム リリース Rd.5-1

           ANABUKIレーシングチーム
    1995年 全日本F3選手権シリーズ第5戦 レースレポート
        「ホイール・スピン=タイヤと気力の空転」
 大会名:'95 ミリオンカードカップレース ラウンド2鈴鹿
 日時・場所:1995年5月21日(予選20日) 三重県・鈴鹿サーキット(5.864km)
 天候:雨(20日:晴れ)
 気温:17.1℃
 コースコンディション:ウェット
 観客数:38,000人(決勝日)
 5月20日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本F3選手権シリーズ第5
戦、「ミリオンカードカップレース ラウンド2鈴鹿」において、ANABUKIレ
ーシングチームの本山 哲選手(ダラーラ395/無限)は、予選2番手からのスタ
ートに出遅れてポジションを落としましたが、その後の追い上げで順位を回復し、17
周のレースを2位でフィニッシュしました。
〔公式予選〕
 再び舞台は鈴鹿へもどり、全日本F3選手権はシリーズの折り返し、第5戦をむか
えました。
 ここまでの実質3レースは、我がチームの本山 哲選手が一勝、そしてペドロ・デ
・ラ・ロサ選手が二勝。ロサ選手にひとつ先を越されていますので、このレースを是
非とも勝ち取って勝率をタイに戻す必要があります。
 実際、前半戦の流れを振り返ってみても、タイトル争いが本山選手とロサ選手の一
騎討ちになりつつあることは間違いなく、本山選手にとってはロサ選手攻略こそが、
タイトル獲得への最短距離なのです。
 前回はレース中のミスでみすみす勝利を逃し落ち込んでいた本山選手ですが、鈴鹿
ではすっかりいつもの明るい自信あふれる本山選手に戻っていました。
 このところ、松本恵二監督はじめチーム首脳陣に指摘される集中力の問題について
も、「僕はいつも同じなんだけどなぁ」と悪びれない笑顔をみせるあたり、大器の片
鱗というか、とにかく憎めないキャラクターの持ち主です。
 何事にも挫けない不屈の精神は、将来F1へ行った時に大きな武器になるでしょう。
 さて、午前9時半に始まった30分間の予選一回目。
 おりからの強い風に舞う砂やらホコリやらで、路面はかなり汚れていました。
 そんな時に走っても好タイムが出るはずはなく、タイヤを無駄に減らすだけです。
 さいわい、鈴鹿のセッティングに関しては第1戦で十分にデータを得ていましたの
で、チームとしてもいまさら慌ててセッティングを考える必要はありませんでした。
 9時45分、他のマシンが走ることで路面の汚れを払ってくれたのを見計らって、本
山選手はコースへ向かいました。
 一度ピットに戻ってセッティングを微調整し、残り5分で再びコースに出た本山選
手はあっさりラップ・ボードの先頭に。後ろでコントロールラインを通過したロサ選
手が負けじとタイムを更新し、本山選手は2番手に転落しました。
 前回までの本山選手ならばここまでだったかもしれません。
 しかし、今回の本山選手は、優勝した第3戦のレースで見せたのと同じ周囲を圧倒
する迫力と粘りで、トップ・タイムを狙っている様子がモニター画面からも伝わって
きます。 チェッカーフラッグと同時にコントロール・ラインを通過した本山選手の
タイムは2分04秒158! ロサ選手を逆転し、本山選手の暫定ポールポジション
が決定したかと思われました。
 ところがその直後にロサ選手が2分03秒678という驚異的なタイムをマークし
て、本山選手から暫定ポールを奪い返したのです。
「他の車にひっかかってなかったら、もう少し速いタイムを出せたかもしれない。で
も、フロントロウ取れたんだから、決勝レースは大丈夫だよ」
 ロサ選手にドンデン返しの逆転を喰らって、意気消沈してるかと思いきや、本山選
手は元気そのもの。
 なぜなら、ロサ選手に負けたという気持ちがなかったからです。
 もし、予選の時間がもう少し長ければ、本山選手はもう一度でも二度でもロサ選手
を逆転していたでしょう。
 午後の予選は向かい風がきつくなったため、誰もが午前の自己タイムを上回ること
はできませんでしたが、本山選手はセッションのトップタイムをマークしていたので
す。
                            2へ続く


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