全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/5

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.1 FUJI GT
GTインサイド・レポート            No.  8        1995/ 5/ 4 FMOTOR4版
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37.#25 ニッサン・フェアレディZ
 昨日の予選でタイムの上がらなかったチーム・ルマンのフェアレディZだが、原
因はミッションにあった。予選終了後にミッションを分解してチェックしたとこ
ろ、かなり深刻なトラブルで、決勝レースまでに修復をするのは不可能と判断され
た。このため、5月4日のフリー走行と決勝レースへの出走を断念した。
38.#15 プローバポルシェターボ
 予選1回目でターボのタービンを壊し、2回目もターボの不調とオイル上がりで
本来の実力を発揮できなかったプローバポルシェ。一晩かけて修理を行ったが、オ
イル上がりは解消できなかった。このまま、決勝に出ても完走することは不可能と
判断された。スペアのエンジンも無いため、決勝への出走を断念することになった。
39.#55 JOMO R33
朝のフリー走行終了直前、1コーナーでコースアウトしてしまった飯田章。原因
を訊ねると「いや、ちょっとトラブルが・・・ 。オレはミスしてなかったんだけどね」
と言葉を濁す。その後はチーム首脳陣と厳しい表情で打ち合わせ。決勝での巻き返
しはなるか。
40.#30 綜合警備PORSCHE
 フリー走行でスープラ勢に続く5位と健闘している田嶋には、取材陣からの質問
が殺到しているようだ。「みなさん、スープラへの攻略法を聞いてくるんですけ
ど、まだウチのクルマは市販車をちょっといじった程度のものなんですから較べな
いでくださいよ」と謙遜の田嶋。「確かに最高速ではスープラに負けないですけ
ど、それ以外はまだまだです。僕自身もRRのクルマをものにできてませんし、A
BSの使い方に慣れていない。自分ではブレーキを我慢して突っ込んだつもりで
も、ABSが作動してかえって制動距離が出てしまったりする。これを失敗すると
すぐタイムが落ちてしまいます。決勝ではとにかく、自分たちのペースを維持しま
す。壊れないという点では、スープラに勝っていると思いますからね。そうすれ
ば、成績はついてきますよ」。「ちなみにフリー走行で山田が一人で走ったことに
なっていますが、33秒台を出したのは田嶋です。たびたび、お騒がせしてすいませ
ん」と坂田監督が一言。
41.#5  マツダコレクション出光ポルシェ
今回はピットにマツダコレクションの松田芳穂オーナーも顔を見せていた。世界
でも有数のフェラーリ・コレクターとして知られる松田氏だが、「フェラーリF50
はオーダーはしているけど、まだいつ入ってくるかわからない。いずれにしてもG
TCでは当面ポルシェでやっていくつもりで、F50を投入する予定はありませ
ん。フェラーリのほうでサポートしてくれるならともかくね」とのことだ。
42.#34タイサンスターカードF40
今回、アンソニー・リードの特別マネージャーとして、レース好きとして知られ
る女優の夏樹陽子がチームに加わっている。「タイサンの千葉監督とは自分がレー
スをやっていたころからの知り合い。こういう(マネージャーという)立場は初め
てですけど、自分でも2年ほどとはいえドライバーをやっていたからドライバーの
気持ちはわかります。決勝ではプラットホームに立って精一杯応援するつもりで
す。アンソニーはたいへん冷静なドライバーですからきっといい結果を出してくれ
ると思います」とのこと。ピット裏には謎の(千葉監督いわく「オレのクルマかっ
て?  いや、わかんねェんだよ」)ブガッティEB110 も置かれ、いつもにもまし
て華やかな雰囲気があふれていた。
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.1 FUJI GT
GTインサイド・レポート            No.  9        1995/ 5/ 4 FMOTOR4版
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43.#8 尾篭監督
「うちにも勝負権があるかな。全然テストしなかったけれどサスペンションも改良
してきてるから可能性はあると思う。決勝レースの作戦は、取り合えずは回りの様
子を見る。10ラップ過ぎまでは激しい先陣争いとなるだろうから、落ちついたとこ
ろで勝負するつもり。このままの温度だったらだいじょうぶだけどタイヤを温存さ
せたチームが勝てるはず」
44.トヨタ自動車 モータースポーツ部 橋本主査
「GT1クラスはスポーツカーというよりスーパーカーのレースになっていますか
ら、そこそこお金もかかっています。プライベートチームはGT2クラスのことを
真面目に考えるべきだよね。誰もがフェラーリや最新のポルシェでレースを行える
わけではないからね。スーパーツーリングカーのパーツを使ってGT2マシンを
造ってもほとんど同じタイムが可能だと思うよ。もしもやるという人達がいるので
あれば、スーパーツーリングのパーツを使ったセリカやMR2のデリバリーもおお
いに可能性があります。ただし早く話をしてもらわないと来年からは難しいね」
45.#36 トヨタ・カストロール・スープラ
フリー走行終了後、ラジエターフィンに小さな傷が見つかり、万全を期すために
交換した。予選では3番手に甘んじたが、決勝では「なにごともなければ勝ち負け
になるでしょう」(中里マネージャー)と自信の表情。「前回は持ってきたままの
状態で、ほとんど手を加える時間がなかった。この1か月のあいだにトムス独自の
改良を施してきました。ウチは2人のドライバーのあいだのタイム差もなく、コン
スタントにタイムを出している。クルムは関谷を立てているし、関谷もクルムを認
めていてコンビネーションもいい。またCカーで慣れていますから、ピット作業で
もアドバンテージがあります」と、鈴鹿でクラッチを失ったクルマを無事再スター
トさせたことを思い返しているようだ。今回、上位陣はかなりの激戦になりそう。
給油など、ピット作業でミスのあったチームがトップ争いから転落するのは必至だ
ろう。
46.#38 トヨタ・スープラ
 予選に続き、フリー走行でも32秒台のトップタイムを叩きだしたトヨタ・チーム
・セルモ。フリー走行では、ガソリン満タンでのサスペンションの煮詰めを行った。
しかし、フリー途中で左リヤ・ブレーキのダクトがタイヤに当たってしまうという
トラブルが発生。応急措置で残りの走行をこなし、フリー終了後に対策の補修を行っ
た。このトラブルは決勝レースに、影響のあるものではないということだ。前回の
鈴鹿ではマイナーなトラブルで表彰台は失っているだけに、今回は絶対の心意気で
挑んでいる。狙うは一番高いところとチームは公言してはばからない。
47.*72  WAKO’S  BMW  M3
GT2クラスのトップコンテンダーとなることが期待されているDTM仕様の新
型M3。今回はまだ持ってきたままの状態で、期待されたほどのタイムを出すには
至っていない。牧口は「詳しくは言えないんですけど、いろいろと問題があって・・・。
直線で旧型M3より15kmくらい遅いんですよ。それからステアリングがとにかく重
い。日本のサーキットはミューが高いでしょ。それに向こう(DTM)ではデフロッ
クの状態で、コーナーなんか縁石に乗ってバーンって跳ねて行っちゃいますからね。
決勝ではクルマよりドライバーがタレちゃいそうですよ。完走さえできればGT2
クラスの表彰台はいけるかなと思うんですけど」と、まだまだこれからのクルマで
あることを強調していた。
                         GTアソシエイション事務局
                         インサイドレポート担当
                         古屋 知幸 = MGG01235=


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