全日本F3000

F3000 レポート [Rd.1 Suzuka] (1)

                  Rd.1 Suzuka
           [ MILLION CARD CUP RACE Round1 SUZUKA ]
                  1994.3.20
                    (1)
               《サーキットの情景》
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 ■勝者と敗者
 Text/福田 陽一(Yoichi Fukuda)
  レースが中盤の後半を迎えるころ、ポールポジションをフイにし、序盤で接近戦を
 挑んだものの2番手に甘んじていたスコットに再びチャンスが巡ってくる。スコット
 がチーバーに再接近を果たしたのだ。“スコットが序盤に様子を伺ったうえ、チー
 バーを追い詰めた”と見えるこの情景もタイム差やチーバーのペースを見るとどうも
 疑問符がつく。チーバーは得意のペースコントロールを行っているのではないだろう
 か。実際、チーバーと同じくらいのコンスタントに速さを示すのは、4番手のサロ
 で、決して2番手のスコットや3番手アピチェラでは無い。つまり、チーバーは故意
 にスコットを近づけたり離したりして、相手のメンタルな部分をコントロールしよう
 としている様にも見えた。
  結局、このバトルという名の精神戦のイニシアティブがどちらにあったのかは、分
 からずじまいになってしまう。何故なら、スコットがこのバトルの最中にレーシング
 スピードを奪われるトラブルに遇ってしまったのだ。
  勝者と敗者。この印象に残るバトルの真の勝利者はいったい誰だったのか。スロー
 ダウンしたスコットが“ニヤリ”と微笑んで、追撃をかわしたチーバーが“ほっと”
 胸をなでおろしたのか。はたまた、逆だったのか。
  「シリーズも気になるけど、今日のレースに勝てたことがとても嬉しいよ」表彰台
 中央のチーバーの嬉しそうな顔がやけに心に残った。
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 ☆ 詳しいレースの模様は、 (2)《F3000レースレポート》をご覧ください。
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                           文/福田 陽一(NBG01300)


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